Truth

藤井柑菜

File2.変な時期に転校生!?

「おはよう、海。例のこと、調べてくれた?」

私はあの後、父親が刑事である海に色々調べるように頼んだ。

「おう、父さんも一緒になって調べてくれたぜ?これがその書類」

そう言って海は、分厚い資料を大量に出した。

「覚悟はしてたけど、やっぱ量が尋常じゃないね。」

そんな話をしていると、担任の先生から声がかかった。

その隣には、見たことない不思議な雰囲気を醸し出したが立っていた。

どうやら、転校生のようだ。
「紹介しよう。今日からこのクラスで一緒に勉強することになった…」

「玄道悲芽(くろみちひめ)です。」

「では、玄道さん、ちょっとした自己紹介をしてもらおうかな…」

「そういうの、いいです。

こんなこどもに、言うことなんてなにもないんで…」

その言葉で、がやがやにぎやかなクラスが凍りついた。



「あんないい方しなくてもよかったんじゃねーの?」
休み時間、自分の席で本を読んでいた玄道悲芽に海が声をかけた。

私は海を止めた。
「ちょっと、海。やめといたほうがいいんじゃない?きっと、1人が好きなのよ、玄道さんは。」
と、小声で海の耳元でつぶやいた。
しかし、玄道さんに聞こえていたようで、玄道さんはそれについて答えた。

「あら、そうでもないわよ。ただ、私は子どもの相手は無理なの。ごめんなさいね」

私たちと同じ歳なのに、なぜそんなことを言うのだろう。

私には理解できない。

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