異世界に飛ばされた僕は≪槍術士≫として生きていく

天元神楽

第五話 旅立ち

コーン村を出た二人は王都に向かうことにした
王都まで凡そ一か月の長旅である

「フィーアは王都には行ったことないんだったよね?」

「はい、私は生まれてからずっと村にいたから ほかの町にも行ったことはないわ」

「そうか ならまずは村長の言っていたデフィネ子爵領の領都に向かうとするか」

王都に向かう際の旅路について村長から助言を受けていた二人は近くで最も大きな街であるデフィネ子爵領の領都に向かうのであった



「タカキ あそこに何かいます」

フィーアの指さす方向に視線を向けた嵩樹の目に飛び込んできたのはゴブリンの群れであった

「あれはたぶんゴブリンだな、本当ならよけて通りたいけど、、、向こうもこちらに気が付いたみたいだな フィーア戦闘準備」

ゴブリンが近づいて来るのが分かった嵩樹はフィーアに戦闘の準備をさせた

一緒に暮らす上で分かったことだがフィーアは魔法の適性があった だがオークに攫われたときは魔法の発動に必要な媒介を持っていなかったため魔法を使えなかった

閑話休題

ゴブリンが50mのところまで近づいてきた時、フィーアが魔法を発動させた

「我、願わん我らが前に在りし物焼き滅ぼし給え コンフィグレート!」

フィーアが詠唱を終えたときゴブリンの集団の中央に大きな火柱が上がった 火柱は周りにいたゴブリンを次々に飲み込みながら広がり続け終いにはすべてのゴブリンを飲み込んでしまった
火柱が収まった時、そこには炭化したゴブリンらしきものが残っているだけであった

「フィーアすごいね! 魔法初めて見たけど、こんなに強力なんだ!」

「私も久々に魔法を使ったので うまく発動してよかったです!」

嵩樹たちは魔法の話をしながらその場を後にするのであった



火柱を見かけた冒険者

「あっちの方だったよな!」

「ええ、間違いないわ」

「でもあんな極大魔法使えるってことは魔族かもしれない」

「とにかく急ごう」

冒険者たちは嵩樹たちの去った5分後に現場に着いた

「なによ これ、、、」

「ん、ゴブリンの丸焼き」

「いや、そんなこと聞いてるんじゃないと思うけど、、、」

「周り見てきたが何もいないぞ」

村の生活で気配遮断などを身に着けていた嵩樹たちは全く痕跡を残さずに移動していた
そのため冒険者たちはこの惨状を引き起こした存在の手がかりを一切つかむことができなかった

後に、この事件はギルドに報告され魔族が子爵領に侵入している可能性があるとして、緊急討伐クエストが発行されるのだがそれはまた後の話である



「ここが領都か、、、なんか想像より小さいな」

「そうですか? 十分に大きな街だと思いますけど」

領都の人口は3万人程で周りを高さ5m程の城壁で囲われておりとても立派な佇まいであったが、現代の摩天楼で生まれ育った嵩樹にとっては小さく感じてしまうのも仕方のない話であった

村長からは領都に着いたらまず冒険者ギルドに行って登録するように言われていた嵩樹たちは冒険者ギルドに向かうのであった


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フィーアさん最強説
フィーアさんはいわゆるサラブレットですので魔法力が桁違いです(本人にその自覚はありませんが)





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