魔法科高校白百合学園底辺クラス1年C組〜実力で示してみろよ〜
生徒会裏組織
「千葉理事長様、晴生様をお連れしました」
紫音が理事長の前で礼をする。
成る程、こいつキャラを作っているんだな。
合同授業の時よりも大分キャラが違う。女って怖いわ。
「紫音君...そんな改まらなくて良いんだよ。いつもの君の方が良い」
「...はぁ。それで、晴生さんを何で連れて来たんです?何か理由があるんでしょう?私にはさっぱり...」
「理事長、気になってたのだが...こいつと理事長に何か関係があるんだろう?」
と言いながら、生徒会長は俺の事を親指で指を指す。指で人を指すなと教わらなかったのかこのクソガ...いや、この生徒会長は。
「まぁ、色々と訳ありでねぇ...。そうだろ、晴生」
「お久しぶりぶりですね。千葉 竜仁理事長。いや...父上と呼んだ方がいいのかな」
あまり...会いたくはないんだけどな。が、一回はこいつとは顔を合わせておかなければならない。
「...家族関係か。まぁ、名字が同じな時点で大体予想はついていたけどな」
「ご名答。それで、俺に何か用があるらしいが...。用件は何だ。生徒会はお断りだからな」
「晴生...中学生の頃より口使いが荒くなったものだな。反抗期は過ぎたと思っていたよ」
「違う...母の事を忘れた訳じゃないだろ、あんたも。俺はまだ、あんたの事を許した訳じゃない。...人殺し」
「人殺し?人聞きの悪いことを言うなよ。...人殺しはお前の母さんだよ。そしてお前も...人殺しだ」
「くっ...」
あの時の記憶が何度も...何度もフラッシュバックする。こいつの顔を見るたびに。
「訳ありなのは本当のようだな。...確か、4年前の"種神属大量殺害事件"...だったな。犯人は確かその場で射殺されたとか。射殺された犯人の名前は...」
「やめろ__」
その名前を出すな...。
来なければ良かった。なんでここまで来てまでこんな思いをしなくちゃならないんだ。
なんで___
「...すまない。配慮が足りなかった」
「お前に心あったんだな...少し感動したわ」
「謝った俺が馬鹿だったよ」
とまぁ、こんな茶番は良いんだ。それで...
「用件は?」
そう、これが目的なんだよ。
今は過去のことなんてどうでも良いんだ。...いや、良くはないが。
「...そうだったな。晴生、お前が生徒会に入るきが無いのは分かった。...ただ、私が話したいことはそれではない。実は、お前に頼み事があってな」
...嫌な予感しかない。ていうか、こんな奴の頼み事なんて聞きたくないぞ俺は。
「それで...だ。何故お前に生徒会に入ってもらいたかったのか。これから俺が話す事になにが関係するのか。...分かるよな、晴生」
「生徒会裏組織のBlack birdsだろ。種界属が関係してるとか」
「なっ...何故...貴方がその事を知っているの...!?こちらの情報はもれていないはず...」
今まで口を紡いでいた紫音が声を荒げる。そりゃそうだ。国家秘密の情報を俺が知ってるんだからな。
「生徒会のPCに不正アクセスした痕跡が残っていた。セキュリティをうまいこと避けて来たな。そこは褒めておく」
「不正アクセス...?そんなの聞いてないんですが」
「あぁ...上手いこと痕跡は消したつもりだったんだけどな。さすがに誤魔化せないか。とまぁ、さすがにこんな裏がありそうな学園だったもんで、少し情報を調べさせてもらった」
ばれなきゃ犯罪じゃないんですよ理論が崩されてしまったな。さて...どうすっかな。
「秘密を知ってしまった以上、君も入るしかなくなった。生徒会裏組織の目的である種界属の殺害。君も協力してくれないだろうか。まぁ、いいえという答えはないんだがな」
「種神属と種界属...確か種界属は世間には公表していないんだったな。種神属の失敗作である種界属は、体内にある複数の属性の魔力を操りきれず、暴走する。種界属は常に殺人衝動に狩られ、後に自分自身を殺す。そして死んだ種界属の体の中にはあった魔力は空気中に溢れだし他の人間へと移って行く」
「つまり、無限ループということだ」
雄騎は腕を組み、下をうつ向きながら言う。
「__分かった。協力しよう。死体が残らないように体内にある魔力ごと殺せば良いんだろ?その系統の魔法は火属性にある」
「...犯罪者をBlack birdsに入れるんですか。なーんか負に落ちないですけど。仕方ないですね」
「さすが、俺の息子だな。そういうと信じていたぞ。では、今日から君を生徒会に任命しよう。そして...」
『闇の世界へ、ようこそ__』
そこにはある一人の影があった。理事長室の前でただじっと、話に耳を傾けていた。
「Black birds...早めに始末しないと面倒かもな」
そう一言言い残し、影は消えていった。
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