落ちこぼれな俺と神聖精霊

ボラオ

火聖と悩みと1ヶ月間のチャンス 4

「うっ、、、苦しい、、、」

俺は、突然の苦しさに意識を覚ます。しかし、確かに苦しいんだが、、、それだけではなく、何か膨らみが顔に当たっているのが分かる。そして、良い匂いが、、、

「あっ、、、」

俺は完全に意識を覚ました。そう、あの苦しさはお察しの通り、フユカに俺の顔を抱きしめられていたからだ。そして、膨らみにの正体は、、、フユカの小さなお山だった。いや、フユカはこの大きさの方が可愛いから別に問題はない!、、、。そして、フユカの髪はいつもはツインテールだが、寝るという事でいつも縛られている髪は降ろされていて、とてもかわ、、、そんな事はさて置き、何故こんな状況になっているかと言うと、昨日俺とフユカは同じベッドで寝る事になってしまったからだ。最初は床で寝ようとしたが可愛い顔で『隣はダメですか?』と言われてしまい、、、今に至るが、、、


「マズイ、、、フユカが起きる前に何とかしないと、、、」

俺がそう思っていると、、、

「うんっ、、、あっ!!、、、せんぱっ、イィィ、、、アッ、、、ら、、らめっ、アァン、、」

と、夢の中で俺はフユカに何かしていたようだった、、、って!どんな夢見てるんだよ!じゃなくて、、、早くベッドから出ないと!俺は何とかしてフユカの拘束を解いた。が、そこで目があった、、、

「あっ、、、先輩、、、おはようございます。私、結構寝相が悪いんですけど何か先輩にしてませんでしたか?」

と、タイミングが遅ければやばかったと思いながら俺は何もなかったと答え、俺は鍛錬をしに、庭に向かった。因みに、フユカは着替えをして、氷菜と一緒に朝食を作ると言って、キッチンの方に行った。

「良し、始めるか!」

俺はそう言って烈那を半霊化で召喚し、詠唱を唱える。

「我と契約せし炎の神よ、、、汝の力と我の覚悟の結晶を今解き放て、、、来い、真霊武装、、、烈火!」

俺は、真霊武装の二つの刀、、烈火を展開した。

「良し!」

俺は、鞘を炎にして消し、二刀流の鍛錬をする。リュウジ先生の動きを思い浮かべながら身体を動かす。それをおよそ一時間半程行っていると、、、

「はぁ、、はぁ、、、くっ、、、まだなかか、、一体何だ、、、この眠気は、、」

異常な程の眠気が俺を襲ってきた。展開していた烈火を解除した、、、いや、そうせざるを得なかった、、、、。これは、修行中でも起きていて、、、俺の今後の課題と悩みの一つだった、、、そんな、睡魔との交戦中に親父が話し掛けて来た。

「随分と眠そうだが、昨日はちゃんと寝れたのか?いくら、フユカちゃんと2人きっりだからって襲うなよ?」

「襲わねーよ!で、本当にそれだけを言いに来たのかよ、、、何の用だ、、、」

俺は親父に何の用件かを聞いた。

「冷たくね!家族だろ?まぁいいけど。用ね、さっき言ったのもその一つだ。で、もう一つだが、、、お前、早く烈那の力を使い来なさいと、、、精霊になるぞ。真霊武装は、それ程までに危険な代物だ。まぁ、お前の場合武器だけだから良いものの、全身武装何てした際には、、、手遅れだぞ?」

唐突に言われた事、、、それは俺が精霊なると言う事だった。信憑性がなく、とても信じ難いが、親父の目はいつになく真剣だった、、、。

「俺が精霊?人が精霊になるって、、、そんな事俺は聞いた事がないぞ!」

俺は、受け入れる事が出来なかった。
その事実を、、、。

「俺だって、聞いたことなかったさ、、、でも、事実だ、、、俺の目の前で、、、アイツは、、精霊になった、、、。それに、精霊って言っても違う精霊になるって事じゃなくて、お前と契約している精霊になるって意味な。お前が、異常な程の眠気に駆られるのも契約した精霊との魔力の境界が真霊武装の展開によって歪められ、シンクロしてしているからだ。真霊武装は、精霊の力を引き出す精霊武具とは違い精霊と一つになり、契約者との力を何倍にも膨れ上げるんだ。つまり、普段よりも機動力や攻撃力などが上がり、あたかも自分が精霊の力を使いこなしていると思い込んでしまう。結果、そいつが精霊になってしまう。まぁ、人間体にもなれるらしいけどな。因みに精霊になるのは、S以上のランクの精霊だ。言っとくが、フユカちゃんの白虎、あれは確かにSだがどうやら、元々のシンクロ率が低いからなる事はない。上がっても、何ら問題はないから安心しろ。というか、お前のシンクロ率が高過ぎなんだ!」

と、聞き入ってしまった。が。しかし、レオルやキュリア、フユカが精霊になる危険がないと知って、俺は内心ホッとした。

「なる条件は、精霊がSランク以上で尚且つシンクロ率が高い事か、、、ならない方法はあるのか?」

俺は、条件を確認しつつ、それにならないための方法があるのか聞いた。

「条件ならまだいくつかあるが、大体そんなもんだ。ならない方法はさっきも言ったが使いこなすことだ。使いこなすってのは、烈那の力の事だ。その為にも、自分に打ち克つ克己の心が必要だ!」

「自分に打ち克つ、、、どう言う事だ?」

「そんなの知るか!人によって違うだろうそんなのは!あっ、、そうそう。お前が真霊武装して戦える時間は30秒以内だ。30秒を超えると、、、いくら真霊武装をしてなくても、、、分かるな?」

俺が、、、俺たちが手に入れた力は時間制限があった、、、。だからと言って死ぬわけじゃない。けど、、、。

「何を思って何をするかはお前次第だ。だが、、、悲しませるような事はするなよ。まだ、誰にも言ってないが、、、いつ言うかはお前に任せる。」

そう言って、家の中に入って行った。

(済まない)

烈那から突然の言葉をかけられた。

(別に烈那が謝る事じゃない。これは、俺の弱さが招いた事だ。)

(でも、、、)

(気にすんなって!それに、死ぬわけじゃないんだからな!)

(でも、、、精霊と人の間には子供はできなくなるぞ?)

(!?、、、、そ、、それは、、、これはフユカが、、、やべえ、、)

(な!!本当に済まない、、、)

(いいって!俺と烈那は相棒だろ?それに、、、俺が、、、俺たちが強くなれば良いだけだろう?)

(火聖、、、、私は君の精霊あいぼうで本当に良かった)

(俺もだ!)

新たな課題悩みができたが、それを乗り越える為に、鍛錬は一層厳しいものとなった。誰でもない、相棒、親友、家族、、、守りたいアイツの為に、、、、。




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