落ちこぼれな俺と神聖精霊

ボラオ

氷の神聖精霊と襲撃

心地良い眠りの条件。それはやはり、適度な布団の中の温度と寝るときの姿勢が関係していると、俺は思う。この幸せな時間こそが俺の唯一の癒しであり、楽しみである。だがしかし、今現在俺の眠りを妨げる者がいる!そいつは、俺の身体をユサユサと揺らして俺の唯一の幸せを邪魔する!何て奴だ!目が覚めたら烈那の炎で燃やしてやる!そんなことを揺さぶられながら思っていると、、

「せんぱ〜い、起きて下さいよ〜!せっかく作ってきたご飯が冷めちゃうじゃないですか〜」

そこには、いないはずの後輩の声が、、、寝ぼけているのか?俺は何やってんだか。いくらリア充に憧れているからって昨日会ったばかりの後輩で妄想する何て俺も落ちたもんだな、、、はぁー、、、だが、それで終わらなかった、、、

「もぉ〜せんぱいったら!でも、寝ている顔可愛い!、、、あっ!?私ったら先輩の寝顔に見惚れてしまってました!先輩はずるいです!早く起きて下さい〜せんぱ〜い!、、中々起きませんね、、こうなったら眠りの王子様を目覚めさせるにはお姫様のき、、き、キス、、、先輩が悪いんですよ!早く起きてくれな いから!、、、わ、私のは、初めて、、ちゅーーーーー」

その言葉が鼓膜を振動させた瞬間俺は一気に目が覚め、ベッドから光のような速さで出た。

「はぁー、はぁー、、、、あ、危なかったあのまま寝ていたら俺の初めてが、、、しかも、それを脅しの材料にされる事間違いなし、、、ナイス俺、、、よく目覚めた、、、」

魔力は使ってはいないものの、ものすごい勢いでベッドから出たため息切れが激しかった。そして、危機から免れた事に安堵していると、、、

「むぅ〜!!どうして起きちゃうんですか!先輩があのまま寝ていたら私がキスをして目覚めさせる事が出来たのにぃ〜しかもあんなに速く、、、あとちょっとだったのに、、、、」

そう言って頬を膨らませて可愛さはそのままに怒っていた、、、

「色々聞きたい事があるが、、、先ず、フユカ、、、お前、どうやって入った!俺の記憶が正しければ昨日俺はしっかり鍵をかけたはずだが、、、まさか、、、お前、、また魔法を使って入ったのか!」

フユカにそう聞くと、、、

「い、、い、いえ、、き、、今日は、ち、ちゃんとインターホンを鳴らしました!でも、、、数十回鳴らしても反応がなかったので、もしかしたら先輩が倒れているかもしれないと思って、、、、つまり、、魔法で作った鍵で入りました、、」

それを聞いて俺は、、、

「お前は、俺が寝てるって思わなかったのか!てか、、、待ち合わせ場所は俺の部屋じゃなくて正門前だろ!何の用があって来たんだよ!」


少し、キツめに言ってしまったのか、顔がどんどん泣きそうになっている、、、

(あれ?なんか俺言い過ぎ?いや、こう言う事はしっかり言っておかないといけないんだ!)

「ご、ごめんなさい、、、朝食を作り過ぎたので、、、その、、、先輩に食べてもらおうと思って、、、」

意外にもしっかりと理由はあった、、、

「そうか、それで美味しそうな匂いがしていたのか!」

「今はレンジで温めて直しているところです」

俺は少し考えて、、、

「まぁ、お腹も空いているし、それに今日は、フユカに買い物を手伝ってもらうし大目に見るが、、、あまり男の部屋に入らないようにした方がいいぞ、、、そのうちお前、襲われるぞ」

フユカにそう言うと

「大丈夫ですよ!先輩以外の男性の部屋には入りませんので!それに、先輩にだったら襲われてもいいです!寧ろ襲ってください!」

何というか、求められてしまった、、、
だが、俺は神に、烈那に誓って襲わない!俺は心にそう誓った、、、

「はぁー、まぁいいや、、、フユカ飯をくれ、、、腹が減った、、、」

少し疲れ気味に俺はフユカにそう言った。

「はーい!少し待ってて下さいね!あ・な・た・!きゃっ言っちゃった!」

すると、、、フユカに元気が戻ったみたいで、最後の方には、、、やめよう、、、きっとまだ、、、頭が夢を見ているのだろう、、、。そんな事を考えていると、フユカが食器を持ってきた。

「せんぱ〜い、どうぞ〜」

そう言って机の上に食器が置かれた。

〜メニュー〜

レタスとトマト、鶏肉がパンに挟まれたサンドイッチ、、、サイズはコンビニで売っているのと同じくらい。×2個

キャベツ、じゃがいも、にんじん、玉ねぎが入っているスープ。おそらくコンソメが入っている。匂いがいい!

〜以上〜


「美味そうだな!」

そう言って俺は手を合わせて「いただきます」と言って先ず、スープから食べる。スプーンで最初にスープだけをすくい口に運ぶ。

その瞬間に、口の中に爽やかな香りが広がり、そのスープからは野菜の旨味という旨味が舌に染み渡った。そして、舌から喉、喉から胃へとその旨味は未だ、消える事はなく、脳裏にまで染み込んでいた!例えるなら、これは夢の国ではなく、野菜の国ベジーランドにいる気分だ!野菜同士が仲良く手と手を繋ぎ、互いが互いを旨味というなの技術を磨いている!まさに!平和!ラブ&ピース!バンザーイ!バンザーイ!

、、、はっ、、、何をやっていたんだ俺は!?美味しすぎて我を忘れていた、、、フユカ、、、恐るべし、、、

「う、うまいなんてもんじゃない!昨日もそうだったが、、、間違いない!明日世界が終わるとしても不思議じゃない!」

想像超える程の味で、俺はフユカに熱のこもった声で褒めた

「そんなに言うほどでもないと思うんですが、、、そう言っていただくと嬉しいです!」

「このサンドイッチも素材の味を活かす味付けがされていてうまい!毎日食べたいくらいだ!」

多少、言い過ぎかもしれないがそれほど美味しい!最後の言葉に反応したフユカは、、、

「えっ!?ま、、毎日!?わかりました!朝昼晩私が作ります!やったー!これでほぼ誰も私達の間に入れる人はいない!後は、、、家族を、、、えへへへ、、、ふふふふふ、、、」

俺が目の前にあるフユカの料理に夢中になっていると、朝昼晩フユカの料理を食べるという話しになってしまったが、問題ない!こんなに美味しいなら寧ろ嬉しい!

そんなこんなで朝食を終え、身支度を済ませて学校の敷地を出た。中心街まではそんなに遠くなく、ものの五分で着いてしまった。因みに、腕はもちろん組んでいる。料理の事で細かい事は言う気になくなってすれ違った男どもに睨まれるのも慣れるまで待つしかない。と、もう諦めた、、、そうこうしているうちにフユカが依頼された店に着いた。その店は、、、

「魚屋?一体何故、、、」

そう、目的地は魚屋だった、、、

「それは、私の精霊は氷属性で何でも普通の氷よりも冷たく溶けにくくて、氷を扱う店では、評判が良いらしいです。こっちに来たときに始めたんですが、最初の依頼主さんがそう言ってました。それからはその人を通じていろんな人から依頼されて凄く稼げました!」

精霊の力が氷を作るだけ、、、一体どんな精霊なのだろう、、、可哀想だ、、、俺はフユカの左手の甲にある虎かそれに似た動物の爪の様な紋章を見てそう思った。

(そういや、フユカの精霊も魔法も見たことないな、、、ちょうどいい、どんな精霊か見よう!)

そんな事を考えながら俺はフユカに着いていった。すると、タオルを頭に巻いているゴツい男がフユカの目の前まで来ると何やらフユカと話しをするらしい。

「氷を司る精霊よ我の前に姿を現せ、、、来て!、、、ボタン!」

そう言うと、烈那が半霊化した時と同じくらいの大きさの白い虎の子?犬?が地面に現れた。名前は、ボタン。見た目にあう可愛い名前だ。

「先輩、ボタンと一緒に店の裏側にある倉庫に行ってくれますか?私は店長さんと話しがあるので」

「あぁ、わかった」

そう言って俺は店の裏側の倉庫に、フユカは店の中に入っていった。すると、フユカの契約精霊ボタンが倉庫の大半を占めるような大きさの氷を作った。一瞬で、、、

「す、凄いな、、、それよりも寒っ!」

「これぐらいの事で驚かないくれよ!火聖くん」

俺は不意に誰かに話しかけられ、周りを見渡すが、、、周りには俺と“ボタン”以外誰もがいない、、、そして俺は(もしや?)と思い正面に向き直る、、、

「やぁ、突然で済まない。驚かせる気はなかったんだ。今回のデートは僕が提案したんだ」

目の前の白い虎、ボタンが喋っている!?

「ちょ、ちょっと待て、、、その発言も気になるが、、、何で喋べれるんだよ!その説明を先ずしてくれ!」

すると、ボタンは、、、

「あっ、そうだった。てっきり烈那が説明しているものだと、、、じゃあ、説明するよ。何故、人の言葉が話せるのか、、それは、僕も烈那と同じ神聖精霊だからだよ、、、因みに人の言葉を話せるのは神聖精霊と竜精霊だけだよ。改めて、僕は氷の神聖精霊、白虎、、、名はボタン。よろしくね、旦那様。」

「こ、氷の神聖精霊、、、マジか、、、いずれ探さないといけない神聖精霊がこんなにも近くに、、、」

目の前の精霊が神聖精霊だと言う事が分かり驚きが隠せない。そんな状態でいると、もう一体の神聖精霊が俺に話しかけてきた。

(火聖、私を半霊化で召喚してくれ)

烈那がそう言ったので俺は詠唱を唱える

「炎を司る精霊よ、我の前に姿を現せ」

そう言って烈那を召喚し、烈那は俺の肩の上に乗った。因みに、烈那を本当の姿で召喚するときは精霊ではなく、神聖精霊と言わなければいけない。らしい。

「ありがとう、火聖」

「そんな事より、何の用だ?」

俺は何故、烈那が召喚するよう頼んだのかが気になっていた、、、

「あぁ、それはそこにいる白虎を久し振りに見たくてね、、、昨日は会話だけで姿が見えなかったから、、、」

烈那はそう言うと翼を羽ばたかせボタンのいる所まで飛行した。と言ってもすぐそこまでだけど。

「やぁ、久し振り!今はボタンって名前なんだってね良い名前ではないか!」

「久し振り!フユカに、御主人にもらった命と同じくらい大事な名前だよ!それに、不死鳥、君の烈那という名前も凄く似合っているよ!」

「あぁ、私もこの名前は気に入っている。やっと巡り会うことができて、そして、相棒である証。私は契約者が火聖である事を誇りに思っている。」

会話の内容は少し照れ臭い。が、とても嬉しい。

「その言葉、うちの御主人が聞いたら嫉妬の嵐なんてレベルじゃないよ!早く火聖くんには、うちの御主人に一生を共にする証をくれないかな?」

照れていると、突然そんな事を言ってきた

「い、一生って、、、そんなのまだ、恋人にもなっていないのに、、、しかも、御家族にも挨拶してないのに、、、、悪いが俺はフユカの隣に立てる人間じゃないんだ、、、フユカが本気なのはわかっているが、、、でも、破壊の神の件もある、、、考えるなら、それが片付いてからかな」

俺は今思っている事を余す事なく言った。すると、烈那とボタンは、、、

「烈那、君の御主人は真剣に考えてくれていたんだね、、、でも、惜しいな、、、御主人の手料理で結構いけそうな気がしたんだけどな、、、」

「まぁ、火聖の良いところでもあるし、悪いところでもあるからな、、、こればかりは、既成事実を作って強引に行くしかないね!」

「そうか!その手が、、、」

と、話しを大いに盛り上げていた。その空気を俺ではなんとかできないと判断したので諦めて、俺はフユカとボタンの事について聞くことにした。

「なぁ、フユカとボタンはどこで出会ったんだよ」

俺の問いに対してボタンではなく、烈那が答えた。何故に、、、

「火聖、何を言っている、ボタンは元々、フユカの家系で代々受け継がれていたんだ。というのも、誰とでも神聖精霊と契約できるわけではなく適性が無ければいけない。そして、私達が初めてこの世界に来た時にアイヒス家の初代当主が最初の協力者であり、それからは破壊の神を封印するという意志と白虎が受け継がれて今に至る。因み名前は当主によって違った。適性は、遺伝で受け継がれる為フユカの代まで途切れる事なかった。」

烈那がペラペラと語っていたので、俺は驚いていた、、、

「なるほど。フユカの家、貴族って聞いてたけどそんなに“歴史がある家”だったとは、、尚更俺が入る余地がない、、、」

俺がそう言うと、烈那とボタンは目を合わせるなり、物凄い表情になっていった、、そして、、、

「もしかして、君はフユカがアイヒス王国の王女であると知らないのか!?」

「火聖くんは、うちの御主人が王族で、王女である事を知らないの!?」

ほぼ同時に同じことを聞いてくるとは、烈那とボタンはよほど仲がいいようだ、、らそして、質問に答える、、、

「全然、全く、何にも知らない!、、、が、アイヒス家って確か神を祀ってる聞いたことあるけど、まさかそれがボタンで、フユカの家の事だとは思わなかったなぁー」

「姓を聞いたらわかるだろう!普通!これだから火聖は、、、」

烈那が俺を馬鹿にしてきた、、、

「おい!最後のはどう言う意味だ!」

俺がそう言うと、ボタンが止めに来た

「まあまあ、落ち着いて!」

「あっ!?もう仲良くなったんですか?」

そこに、話しを済ませたフユカが現れた。

「あぁ、お互いのことを語り尽くした仲になったよ、御主人!」

「いや、全然語ってない!」

俺とボタンが言い合う。それにフユカは、、、

「さすが“わたし”の先輩です!後は、私のお母様とお父様もこの調子で仲良くなってもらって、、、ふふふ、ハハハハハ」

あ、、あ、あちらの世界にいっている!?

「おーい、フユカー、戻ってこーい」

と俺は、フユカが我に返るように両肩を掴み揺らす。

「はっ!?わ、私は、、、一体、、、」

成功した。

「じゃあ、ホームセンターに行くか!」

そう言って、俺達はホームセンターに向かった。



   
    
しばらくして、買い物を終えた。今は来た道を戻っている途中だ。因みに中心街までは、まだ距離がある。時刻は13:00何故なら、さっきステキーレストランしなやかで看板メニューであるタンコブハンバーグを堪能したからだ。“俺の金”で、、、、因みに精霊達の分も!

そして、俺は空になった財布を見て、、

「はぁー、もう絶対に女の子とは出かけない、、、俺の金と、精神がもたない、、もう懲り懲りだ、、、」

嘆いた、、、血の涙を流しながら、、、

「火聖、、、それは運命というやつだ!」

「火聖くん、、、うちの御主人の警告なんだ、、、御主人以外の女性と出掛けたらこんなモンじゃ済まないという、、、だから頑張って!」

こいつらはそう言った、、満面の笑みで!そして、当の本人は、、、

「先輩がそう言う事を考えない為の教育です!これは必須です!」

と、顔を膨らまして言った。

「はぁー、でももう金が、、、今月の寮に払う金はどうすれば、、、嫌な予感しかしない、、、」

そう言うと、、、

「安心してください先輩!先輩の事は私に任せて下さい!」

任せられねぇー、、、任せちゃいけないやつじゃん!危ない予感しかしない!


「いや、自分の事は自分で何とかするよ、けど、、、料理はフユカに任せる、、、それじゃ、、ダメか?」

と、俺は料理だけ任せる提案をした、、

「うーん、、、確かに、先輩が働いて、私が炊事、洗濯などの家事をする、、、夫婦ぽくって良いですね!それなら良いですよ!」

と、料理だけと言ったはずが、もうダメだ、、、疲れた、、、しょうがない、これは妥協しよう、、、

「はぁー、わかった、、それで頼む、、」


そう言って、話が終わったと同時に1人の黒いローブの男が俺らが歩いている歩道の前に現れた。

「何か用か?フユカ、お前は俺の後ろにいろ、、、」

「はいっ!」

そう言って、フユカは俺の後ろに移動した。

すると、男が、、

「安心しろ、用があるのはお前だけだ!緋桜 火聖、、それが、お前の精霊、、、って事にしておくか、、命をもらいに来た、、炎の精霊よ、、、我に攻撃の術を、、、ファイアーボール!」

「!?いきなりかよ!」

そう言って、俺はフユカを抱えて炎の玉を難なく躱し、フユカを近くの公園まで運びそのまま俺は男のとこに戻った。

「あっ、、先輩、、、私、、戦えるのに」

と言ったフユカを無視して、、、その公園に知り合いがいた気がしたが、、今は目の前にいるコイツに集中、、、、

(しかし、どうしろって言うんだ、、、この男に魔力だけで通用するか、、、少し厳しいな、、、学校のやつらとは全然違う、、、)

俺がそう考えていると、、、

(なら、私の力を使え、、、だが、本来なら精霊魔法は精霊と人間が時間をかけて信頼しなければ、伝授できない。一か八かの賭けだが、どうかな?火聖、、、この泥舟に乗る?)

烈那からの提案、、、、それは賭けだ、、
確実に失敗する賭け、、、この泥舟、、、

「良いぜ、、乗ってやるよ!、、その泥舟に!」

(よし、、、じゃあ、最後にヒントを教えよう。私の炎は、炎の頂点、、、火聖、考えるな!炎を感じろ!そうすれば、詠唱が頭に浮かんでくるはずだ)

「分かった」

そして俺は意識を集中させる。

(炎を感じろって、、、どうやって、、、炎の頂点、、、まさか、、なるほど)

俺は、“自分なり”に思いついたイメージを元に詠唱を感じとった、、、

「緋桜 火聖、、、期待はずれだったか、なら死んでもらおう!」

そう言って、またファイアボールを唱えたしかも、今度は3つ!迫り来る炎を見て俺はニヤリと笑う、、、

「へっ、、んじゃまぁ、、、先ずはこれを使うか、、炎よ、、我に一瞬の炎を、、瞬炎!」

そう言って足に炎を纏わせた瞬間、姿が消えた!?この現象にローブの男も、フユカも、そして偶然公園にいた火聖と仲のいい二人も、、、

「先輩が消え、、、た」

「お、おい!フユカちゃん!火聖の奴、何で精霊魔法を使えてるんだ!」

「そうよ!その説明と貴方たちが二人でいる理由もね!」

と、フユカは聞き覚えのある声が後ろからしたので振り向くとそこには、、、

「レオル先輩に、キュリア先輩!どうしてここに!私と先輩はデートですが、、、先輩たちもデートですか?」

「「それはない!」」

と、完全否定された、、、そして、ボタンが、、、

(御主人!今はそんな事よりも火聖くんの事!火聖くんいきなり、不死鳥の、、、烈那の炎を使ったんだ!)

「先輩が、、、」

それと同時に、ローブの男も火聖が突然姿を消した事に驚いていた、、、

「き、消えた!?どこだ!」

そう言って、キョロキョロするがお目当ての姿はない、、、

「逃げた、、、か、、、大した奴ではないようだな、、、」

男がそういった瞬間だった、、、

「誰が大した事ないって?」

後ろから、、、真後ろから探していた男の声が聞こえた、、、

「!?何でそこに!?どうやって、、」

「企業秘密です!じゃあ、眠ってもらいますか!炎よ、、、我に眠りの炎を、、、眠り火、、、春眠炎!」

そう言って、後ろから手のひらに灯した炎を相手の顔の前まで持っていった。すると、、

「Zzzzz、、Zzzzzz」

「良し!眠ったか!あとは、炎よ、、、我に捕縛する炎を、、、迦具土(カグヅチ)」

そう言って、炎が縄のようになりローブの男の自由を奪う。すると、後ろから、、、

「せんぱ〜い、もう精霊魔法を使えるんですか?さすが私の先輩です!」

「火聖!お前、、、フユカちゃんとデートってどういう事だ!」

「緋桜くん、、、やっとこれで、本当の実力が分かるわね!」

フユカとレオル、キュリアが一気に話しかけてきた、、、

「はぁ、レオル、これはデートじゃない!それと、キュリアとは戦わないから!」

それを聞いてキュリアはぶつくさ文句を言い、レオルは、信用ならねー説明しろ!って俺に問い詰めてきた、、、

「かくかくしかじか、、、て言うわけだ。わかったか?」


仕方なく俺は説明した、、、

「はぁ、お前な、、まぁ、財布空にされたって話が自業自得すぎて、、もう言う事ないわ」

と、可哀想な目で俺を見て言った!

「どう言う意味だ!」そう言ってレオルに説明するよう言ったが「頑張って!」の一点張り、、、そのやりとりを続けていると放置していた爆弾が、、、、

「せ・ん・ぱ・い・!!これはデートじゃなかったんですか?デートじゃないって事は先輩は、全然反省していないどころか私に嘘をついたって事ですか?そうですよね?そうですか、、あーあ、もうこれはバラすしかないなー先輩の事も、、、その身体も、、先輩が悪いんですよ?私に嘘なんてつくから、、、ふふふ、、ははははは、あはははははははははははははは!」

こ、怖い、、、なんだこれ、、、壊れている、、、この現象に2人も『ガクガク、ブルブル』という音が聞こえそうなくらい震えていた。

「お、、お、おい!ひ、、火聖!フユカちゃんが、、、フユカちゃんが、、、」

『ガクッブルッ』

『ガクガクガクガク』

「ひ、緋桜くん!フユカちゃんをなんとかして!怖い!」

『ガクッブルッ』

と、尋常じゃなく震え上がっている、、、そしてフユカはゆっくりと俺との距離を詰めてくる、、まるで、俺が恐怖しているのを楽しむかのように、、、

「どうして逃げるんですか?なぁ〜んでそんなに怖がっているんですか?こ〜んなに先輩の事を想っているのに!愛しているのに!」

後ずさる俺、近づいてくるフユカ、、、


(烈那!ボタンはどうしろって言ってるんだ!)

烈那に聞く

(フユカを抱きしめて俺も愛していると言えば元に戻るらしいぞ、、、早くしてくれ私もボタンも怖い!)

神が怖がるって、、、フユカって神以上?神異常か!そんなくだらない事は置いといて、、、俺は後ずさるのをやめてフユカを言われた通りに抱きしめた、、、

『ダキッ』

そして、少し強く抱き直す、、、

『ギュッ』


そして、耳元で囁くように、、、

「俺もフユカを愛している!だからこそ、、これはデートじゃない!フユカとの初デートはフユカの行きたいところがいいんだ!勘違いさせてごめん許してくれるか?」

すると、、、

「ふぇ?そ、、そう、、、そうだったんですか?なら、、、そうと言ってくれれば良かったのに、、、早とちりしてすいません。でも、先輩が、、そんなにも私のことを」

頬を紅く染めながらも、フユカは元に戻った、、そして、俺の未来は、、、。さようなら、、俺の自由と平和、、、こんにちは、、、見えない明日!、、、、

そうこうしていると、、、精霊騎士がやってきた、、、

「君たちか!ここで精霊の力を使って暴れていると言うのは!」

「あーそれなら、そこで寝ている奴がそうです!いきなり精霊魔法を使ってきたからびっくりしましたよー!」

そう言って、事の経緯を説明した。

「そうか、君が、、、後は僕に任せてくれこいつは、もしかしたら昨日の事件の事について知ってる可能性もある」

昨日の事件、、、烈那の事か、、犯人が目の前にいる肩の上に乗っている小鳥だとは思わないだろうな、、、

「それじゃ!後はお願いします!じゃあ寮に戻るぞ」

そう言って、帰ろうとしたときさっきまでいなかった別の男が俺に話しかけた、、

「待てよ、、、お前等を帰らせるわけにはいかないなぁー、それに、、君の精霊はまだ登録されていない。とりあえず、学校に行くが寮に帰れるのは遅い時間になるぜ、、緋桜 火聖」

その男の特徴、、、ヒゲは生えてなく、身長は170代後半ぐらいで髪は黒、髪型は刈り上げショートで程よく筋肉質である。服装は、上は白色のタンクトップで下はジーパン、右手にはさっきまで着ていたであろう灰色のカーディガンを持っている。そして、下駄を履いている。そんな男が今何て言った?寮に帰る時間が遅くなる?冗談じゃなねぇ!

「嘘だろ?」

俺がそう言うと、、

「んなわけないだろ!ほら行くぞ!言っとくが逃がさないからな!そこの銀髪ちゃんと、そっちの二人もついて来い!」

「あっはい!」

「えっ!?俺もかー」

「レオルくんも、緋桜くんもさっさと行って済ませましょう」

そうして、俺たちは学校に向かった。


物陰に一人、捕まったローブの男と同じ格好をした人物が火聖たちの行動を見ていた。

「こちら、No.4、、No.3が捕まった。もうすぐ動いた方が、、、御意!分かりました。では」
  

男はスマホのようなものを通して話していた。



一体何を企んでいるのだろうか、、、今後何が起こるのか、、、火聖たちはまだ知らない、、、突如して起こる何かが


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