落ちこぼれな俺と神聖精霊

ボラオ

出会いと始まり 〜レオルside

事件(異変)は、俺の親友、火聖がキュリアと試合をしている最中、、いや、勝敗が決まる瞬間に起きた。
突然、フィールドの真上にある天井が爆発した!そして、煙が晴れでできたものは炎の塊だった。その異様なモノを見て、ほとんどの生徒は混乱し、騒いでいると、爆発した天井の炎が一気に燃え広がり訓練場を覆うのに1分もかからなかった。
水の精霊魔法でも炎は消えることがなく、さらに混乱を招き、どいつもこいつも我先にと逃げ始めて、教師の指示も通ることはなかった。ここにいる俺もその一人ではあった、、、

「は、早く逃げないと!ここから出れなくなっちまう!、、、 ︎」

俺がそう言った後、フィールドを見ると火聖が炎の塊に近づいていた。
そして、対戦相手であるキュリアはフィールドから出てこちらに向かっていた、、

「あ、アイツ!?何やってんだよ!それに、キュリアさんはなんでアイツを1人に、、、」

すると、キュリアが訓練場の出入り口。
つまり、俺たちがパニックになってごった返しになってなっているところまで来ると、こう言った。

「みんな!落ち着いて慌てないで!もうすぐ精霊騎士が来るから!」

彼女がそう言うと、さっきまでパニックだった生徒が我に返った。
そして、我先にではなく、教師の指示に従って避難するようになった、、、、
おそらく、彼女の[精霊騎士]と言う絶対的な正義のワードを聞いたからだろう。
しかし、本当に来るのか?と、思い、訓練場から出る直前に聞いてみた、、、

「なぁ、キュリアさん、、本当に精霊騎士が来るのか?」

「本当よ!さっき先生に聞いたもの。」

それを聞いてホッとした俺は火聖について聞くことにした。

「じゃあ、火聖は何をしてるんだ?さっきアイツが、炎の塊に近づいているのを見たんだが、、、」

そう言うと、彼女は不安そうな表情を浮かべてこう言った、、、

「ごめんなさい、、私も分からないの、、けど、炎の塊を何とかできるとか言ってたから、おそらく大丈夫とは思うけど、とりあえず、私たちも避難しましょう!ここだとまだ安全とは言えないから」

彼女は、そう言うと心配そうな表情で燃え上がる訓練場を見つめた。

「そうか、アイツがそんなことを、、、、バカかよ!まぁいいか、、、、いざとなれば自力で脱出することも可能だろうからな、アイツなら、、、それはそうと避難って、一体どこに避難するんだ?」

俺がそう言うと、彼女はため息をついた。

「あ、あなたねぇー、はぁー、まぁいいわ精霊の森よ!ほら、行くわよ!」

そう言うと、一人で進んでしまった。

「そうか、精霊の森か!てっ、ちょっと待ってよ!キュリアさーん!」

それから、しばらくして精霊の森に到着して、教師が生徒の確認をしていた、、、、

「おや?君たちだけで最後かい?おかしいな、、、あと1人足らないんだが君たち知らないか?」

そう言われて、俺とキュリアさんは目を合わす。すると、キュリアさんが説明してくた。

「ーーってわけで、おそらく彼が最後かと思います。すみません、、、止めることができなくて、、、、」

一連の説明をし終え、謝罪をした。

「そうか、、、だが、君が謝ることはない。それに、おそらく君たちが避難している間に精霊騎士から1人の無傷で気絶している男子生徒を発見し、学校の保険室に運んだと言う報告があったから多分君たちの友達のことだと思う。あと、精霊騎士が駆けつけた頃にはもう炎は消えていたと言う情報もあった。」

それを聞いて安堵しつつ、最後の方にはもしや?と思わせる言葉が聞こえた。

「先生!?それは、本当ですか?炎が消えていたと言うのは、、、」

俺は少し興奮気味になって聞いた、、、

「あぁ、本当の事だよ。まぁ、とりあえず彼が目覚めてからは事情聴取があるから彼と話すのに少し、時間がかかるかもしれないから」

先生はそう言うと他の生徒に列を作るように指示を出し、その列と一緒に校舎へと向かった。

「じ、事情聴取、、、まぁ、そりゃぁそうだだけどな、、、、先にお見舞いをしてもいいと思うんだがな、、、、、」

「ダメよ!私が言うのもアレだけど、彼の行動少し怪しいもの!それで、他に仲間がいたとなったら、、、実行犯と思われて、彼がこの事態を招いたと勘違いされてしまうわ!、、、せっかく彼が炎の塊をなんとかしてくれたのに、、、」

彼女の説明を聞いて納得すると同時に、一つの疑問が生まれた。

「なぁ、火聖は一体どうやってあの炎の塊を消したんだ?」

「分からないわ、、、まぁ、彼が元気にななってから聞けばいいんじゃない?」

彼女は俺にそう言って、生徒の列の最後尾について行った。

「あっ、ちょっと!おいてかないで!キュリアさーん!」

俺は、彼女を走って追いかけ校舎へと向かった、、、


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