落ちこぼれな俺と神聖精霊

ボラオ

落ちこぼれ(2)

精霊の森を抜けて、校舎へと向かう。精霊の森から校舎までは結構距離がありざっと歩いて2時間かかる。が、今の時刻は、大体6時頃。歩いていてもちょうどいいぐらいなので、問題はない。

「しかし、今日も駄目かー、、落ち込むぜコンチクショー、、、、、ランキング戦、どうしよう、、、、」

ランキング戦ってのは、簡単に言えばテストみたいなもので、学年に分かれて、各々の精霊を使って試合をしてその試合の戦績、試合内容からデータを取りランキングをつける。そして俺の学校は5学年まであり、そのうちの4,5年生は実習生としてそれぞれが呼ばれた精霊騎士の班に行くので、1,2,3年生がランキング戦の対象になる。そして、各学年の1位になった生徒と試合をさせて学校1位を決める。だが、今は4月1年生に限っては入学したばかりのため、契約している精霊がいない人がほとんどだ。そのため、4月のランキング戦に限っては2,3年生のみで行われ、1年生は先輩の試合を観てこの人に教えて欲しい、という先輩を見つけたらその先輩に精霊指導届けと言われる申請書を提出することができる。その届けが許可されるか、されないかは運だけどな。と、そうこうしている間にもう昇降口の前まで来ていた。とりあえず、靴を脱ぎ下駄箱に入れて上履きを履いて教室に向かおうとしたとき、後ろから馴染みのある声が聞こえた。


「よぉ〜火聖!おはよう」


「ん?おっ、レオル!おはよ」

コイツは、俺の学校での数少ない友達
レオル・ブリンガ、親友だ!


「随分と早い登校だな、火聖。まさか、今日も行ったのか?」

レオルは俺がいつも、精霊の森に行ってから学校に来ることは知っているので話すと、いつもこの内容になる。
とりあえず、答えるか


「あぁ、行った。」


「それで?どうだった?」

「今日も駄目だったけど?ナニカ?」

少し、怒り気味に言ってみた、すると

「そうかぁ〜今日も駄目だったか、、、、てか、そんな怒るなよせっかく人が心配してるのに!」

「じょ、冗談だから!レオルマジになんなって!」

どうやら、怒らせてしまったらしい。
と、どうするか考えてたときレオルは、急に吹き出した。



「ぷっ、フハハハハハハハハハ」

な、なんだよ、そんな感じの目線をレオルに向けたら

「悪い、悪い〜。俺も、冗談だから気にするな〜、、、、で、、でも、、、思い出しただけでも、、、、ふっ、ふふ、、、ぷっ、、フハハハハハハハハハハハハハヒィ〜フハハハハハハハハハハハハハハはぁー、、はぁー、、あ〜笑った。一生分笑った〜」

騙された、、、、しかもなんだ?あのふざけた笑い方!ウゼーとりあえず、もう無視して教室に行くか!

「あっそういえば火聖、明日のランキング戦って出るのか?」

俺は精霊と、契約ができていない。そのため、普通はランキング戦に出ない。が、俺は違う!学年トップの実力者以外は基本的に相手にならない。まぁ、精霊はいないけど、、、それに、1年生のときも出ていたから今回が初めてというわけでもない。新1年生には、恥ずかしいけど、、、というわけで、答えは決まっている。

「もちろん出る!それと、そろそろ教室に行こうぜ」

「そうだな、ずっと立ち話もあれだし」

俺とレオルは教室に向かい、自分の机に鞄を置いて、窓側の席に行き外を眺める。
俺とレオルの視線の先にあるもの。それは、、実技訓練場。これは、全校生徒何千万人が入ることができる大きさでドーム型の形状をしており、中には中央にデカイフィールドとそれを囲むように観客席が設置されている。ここは普段、実技の授業で使われている。そして、明日行われるランキング戦の会場としても使われる。 

「なぁ、レオル、、、、俺は精霊と契約できるのかな?」

「そんなの知らねーよ。でも、諦めなければチャンスはあるだろう。いつかは知らんが。そんな事俺に聞くな!」

「へいへいどーも。ところで、対戦表っていつ張り出されるっけ?」

「当日、つまり明日。対戦相手見てびびって逃げるなよ!」

「逃げねーよ!バカ!学年トップの実力者以外は相手になんねーから、学年トップが相手にならない限り逃げる意味がないな!」

「へぇ〜、言ってくれるじゃねえか!俺と当たったときは、覚悟しておけ!」

「まぁ、期待しないでおくよ!(笑)」

そんな事を話していると、チャイムが鳴り辺りを見回すと3分の1の生徒は席についていて、教師が入ってきた。こうして、つまらん授業が始まった。

(あぁー精霊と契約したい!)


時を遡る事5分前、一体のバケモノが何処かの空を移動していた。

「何処だ!、、、何処にいる!」

このバケモノは、一体何を探しているのだろうか、、、そして、何処に向かっているのだろうか、、、、、


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