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王子の僕には変態の姉がいる

ルルザムート

第3話 眼帯の男 part1

2012年 9月21日 14時40分
鋳物工場 地下シェルター前
(日本時刻 9月22日 3時40分)


フラルド「あぐぅ…」
ボタボタと銃弾で抉られた左目から血が滴る
フラルド「あ、あなた…本当に容赦無いわ…ね…」
眼帯の男「頭をブチ抜いたと思ったが…やはり対物ライフルは取り回ししづらいな」

そう言いながら男はライフルの弾丸を込め始めた
フラルド「く…!」
メチャメチャ痛い…この人間の目的はいったいなんなのかしら…
改めて記憶を辿るがこの男に恨まれるような覚えは無い上、だいたい初対面だ

フラルド「ね、ねえ…私あなたに恨まれるようなことした覚え、無いんだけど…」
眼帯の男「ん、ああ、お前はしていないな…正確にはお前らの妹に恨みがあるだけだ」
!?

フラルド「い、妹…!?」
真っ先にえーちゃんの顔が頭に浮かぶ
眼帯の男「ああ…そうだ、エレナ・アルコットだ、奴は今どこにいる?」
フラルド「…」

えーちゃんに恨み…?どういうことかしら…あの子が恨まれるようなことをするとは思えないし…逆恨み?でもこの人間の憎悪に満ちた表情はーーー
眼帯の男「…答えたく無いならそれでもいい、お前の弟に聞くだけだ」

フラルド「…!」
考えている余裕はなさそうね…!
戦うしか無い…その事実を再確認し、魔力を右手に集中する

眼帯の男「死ね!」ジャキ…
フラルド「『フレア』!」
ボゥンと発射されたライフル弾をフレアで逸らし、距離を取る

眼帯の男「無駄だっ!」
ーーーが、こっちが距離を取るよりも早く眼帯の男が距離を詰めてきて…
眼帯の男「っ!」ジャキッ
フラルド「!!!」
間に合って…!

フラルド「『ダウンバースト』ッ!」
眼帯の男「ぐっ…!」グラッ
銃弾が発射されるよりも一瞬早く風魔法が発動し、上から下へ叩きつける強烈な風が眼帯の男の体勢を崩す

フラルド「…っ!」
今しかない!
眼帯の男「…っ小賢しい!」
フラルド「やっぱり風だけじゃムリね…」
熱いのはイヤだしできればこれは使いたく無かったけどーーー

フラルド「そうも言ってられないわよね…!」
眼帯の男「このコウモリ如きがぁ…!!!」
右手のフレアを天井にあるダウンバーストを発生させている核の部分へと撃ち込む

フラルド「『フレア・フルバースト』ッッ!!!」
眼帯の男「てめぇーーー」
風魔法と炎魔法の力が掛け算の様に組み合わさって大爆発が起こるーーー

フラルド「あっ…くぅ…」
やっ…ぱり、あっついわね…
昔封印された伝説の吸血鬼ミリェニアが最も得意としていたという『フレア・フルバースト』…風と炎を組み合わせるだけだから難しくは無い、けどーーー

フラルド「や、やっぱり使うんじゃ無かったかも…」
フルバーストで吹き飛んだ天井と黒コゲになった自分の左手を交互に見る
魔法の威力と射程の関係上どうやっても術者の身体のどこかが巻き込まれるのよね…吸血鬼ミリェニアはそれを超える治癒能力を使って連発してたらしいけど

フラルド「まぁ…眼帯の男があーちゃんと出会さなくてよかった…とりあえずあーちゃん連れて一旦帰ろ…う?」チラッ
何気なくさっきまでシェルターがあった場所を見て…驚いた
ちょっと、冗談でしょ…!?

なんとフルバーストを使ってなお、ギリギリ原型を留めているシェルターとーーーその扉の向こう側から感じる1人の人間の気配
フラルド「…!」
その事実を認知した私は考える間もなく、吹き飛んで空が見える様になった天井部分から外へ飛び出した
フラルド「同じ手はもう使えない…あーちゃん…!」


ガンッ!
歪んで開けづらくなったシェルターの扉を蹴り壊し、シェルターの外に出る眼帯の男
眼帯の男「やれやれ、やってくれるなクソコウモリ…」


フラルド「分かってたけど視界が悪いわね…」
フルバーストの影響で地上は爆心地以外煙に埋もれていた
フラルド「あーちゃんは…いた!」
抉れた左目と焼けた左手の痛みを堪え、あーちゃんのところへ全速力で飛ぶ
あーちゃんの近くに人間が居るようだけど流石に構っている余裕はないわ…!

落ち着いた男「さっきの男に続いて爆発まで…何が起こっているんだ?」
アーサー「これ…確か姉さんのーーー」
フラルド「!」パシッ
鷹がネズミをさらう様にあーちゃんをキャッチする

アーサー「うわっ、姉さんーーーっ!?姉ちゃん!?その怪我は…!?」
フラルド「ごめんあーちゃん、説明してるヒマは無いの、早くーーー」
ボゥン…バシュッ


気づいた頃には遅かった
フラルド「や、やばい…かも…」フラッ
アーサー「姉ちゃん!?あっ!」
なんの前触れも無く飛んできた、銃弾が私の右目を貫いた

こ、こんなに早く出てくるなんて…!
アーサー「姉ちゃん!?姉ちゃん!」
フラルド「…!」
視界が…!

目をやられ、真っ暗になる視界、そう遠くない位置から誰かが走ってくる足音ーーー
フラルド「あーちゃん、逃げて…!」
アーサー「なに、何言ってんだよ!?一緒に行くんだよ!早くーーー」

ザッ
フラルド「!」
アーサー「あ…」
眼帯の男「逃す訳無いだろう…!」
正面から聞こえる憎悪に満ちた声

なんとか…あーちゃんだけでもーーー
落ち着いた男「ガルシア!待ーーー」
眼帯の男「終わりだ!」
もうダメ、殺される…!

ボゥンと発射されたライフル弾は…私の、私達のよく知る魔力によって遮られた
眼帯の男「…!?」
アーサー「こ、これってーーー」
この魔力はーーー

アーサー「ハリス!?」
ハリス「はぁっ!」ガッ
眼帯の男「チィッ!」ザザザッ
紛れもなくアルバシオンに仕えているメイド長のハリスだった

ハリス「アーサー様!こちらへ!早く!」ピンッ
ハリスの叫ぶ声が聞こえると同時に自分の体が抱き上げられるのを感じる
アーサー「次元の穴!?いつの間にーーー」
ハリス「アーサー様っ!!」

眼帯の男「このっ…!ゴミ共がッ!」
落ち着いた男「ガルシア!よせ!」
眼帯の男「離せジェルフーーー」



そこで眼帯の男の声は聞こえなくなった
アーサー「はー…はー…」
ハリス「ふぅ…とりあえず危機は脱したでしょう…すぐに手当てをいたしますフラルド様、しばしご辛抱を」
フラルド「…うん」

思わぬ形で出鼻を挫かれた私達は1度アルバシオンへ戻ることとなった…


同時刻 鋳物工場付近の雑居ビル屋上…


眼帯の男「邪魔をするなと釘を刺したハズだ!」
落ち着いた男「あんたの方こそ!冷静になれって言ってんだよ!」
ビルの屋上から下を見下ろし、2人の男の会話を聞く

???「危機一髪ってトコか…ガルシアの野郎相変わらず容赦ってもんが無いぜ」
ふー、と安堵のため息をこぼしながら上着のポケットを漁る
???「あー…最後の1本タバコかよ、また買いに行かねーとな」

パチンと指で最後の1本タバコに火をつける
???「ハリスが来たのはツいてたな、しばらくはアーサー達の心配はしなくて良さそうだ…それでーーー」
通信魔法のかかった水晶に、男は問いかける
???「君はどうしたいんだ?エレナ」


第3話 part2へ続く



↓プロフィール

ローズ・アルコット
性別 女
年齢 ???
身長 169㎝
体重 39kg
血液型 B
髪の色 薄い桃色
目の色 緑
胸 E
武器 魔力
好きなもの 人形劇
嫌いなもの 伝説の吸血鬼ミリェニア

国王クラマ・アルコットの妻
寝たきりと言うほどではないが病弱であまり動くことはしない
魔力で編んだ糸を人形の四肢にくくりつけて行う人形劇が得意で街の子供を集めては人形劇を披露している
調子が良ければ自ら街へ行くこともあり、夫のクラマ共々国民に好かれている
半眼(瞳を半分だけ開いていること)のため、常に眠そうに見えるが眠いわけではなく本人曰く「ぱっちり開くと疲れるから」とのことらしい



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