学園事件証明

吟遊詩人

違和感への追求

ガラガラと音を立て静まり返った放課後の教室に1人の少女が入ってくる。
綺麗な黒髪、ポニーテール、バックには可愛らしいキーホルダー
笑みのひとつでも浮かべればたちまち男子生徒を魅了できるであろう整った容姿
もはや馴染みの顔とも言える少女である。

「やぁ、野津君。待たせてしまったかな?」
と、彼女はクスリと笑みを浮かべる

「いえ、私も色々と考えておきたかったのでちょうど良かったです。」
時刻は17時の36分。まぁ、遅れたと言えば遅れたがむしろ現状の整理に時間をかけれたぶん助かった面もあるだろう。

「それで、質問をしても?」

「ああ、構わないさ
それにその堅苦しい言葉遣いも変えてくれると助かるんだが」
癖で…と苦笑いを浮かべ口を開く

「これは、貴女の仕業ですか?」

「ふむ、一体何のことかな?」

「…全部が全部を説明しなくても、貴女なら分かると思いますが」
無言、だが彼女は笑みを浮かべている。
ならば着弾点は当たっているってことか

「何をどう考えても人が1人殺されかけたのに警察が本格的に動きを見せなかったのが異常です。
新聞や雑誌に取り上げられることもメディアの目に映らないのも、異常だ。
となると、この高校の責任者が何らかの手を引いた?いや、メリットが無い…

             【貴女じゃなければ】                」

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