学園事件証明

吟遊詩人

推察、可能性Bの存在

「…不正解?」

「ああ、だか点数付けるのなら86点ってところかな?」

少し複雑そうに、だが堪能したといった満足げな顔をして彼女は私に言葉を返す。

納得が出来ずバツの悪い顔になるのを抑え少し考える…

「…殺人未遂…じゃあなかった…?
犯人は、…いや、まさか…?」

彼女は笑う
村中青菜は、満足そうに笑う

「貴女は、頭がいい。
それはこれまでの会話で察していた。だからこそ、水筒に混入した青酸カリを口にした時点で程度の毒に関する知識が働いてもおかしくはなかった」
独特なアーモンド臭への違和感、とかなと付け足す

「ほう、ならば?」

いたずら気に、やっと私は気付いた
彼女は、今までずっと楽しんでいたんだ
【自分が死にかけて】、その自分を救った私が彼女の事件を推察する、それが彼女にとって楽しい…つまりは

「退屈だった、だから…」

「毒の塗られたと分かった上で口にした
これは殺人未遂ではない。
                      自殺未遂だ」

「これは、貴女が貴女を殺し損ねた事件だ」

「ぱぁふぇくと♪」

今まで見せた中で最も、いい笑顔で、
彼女は笑った

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