Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件
ジャック 出逢い編4 完
ー次の日ー
昨日、あの後タクシーでRommieの家の近所まで送った後はそのまま帰った。
無事に帰れたと連絡あったし、大丈夫だろうけど、昨日の飲み会で約束した事は、あの子は酔ってたし本当にカットにくるのかはちょっと読めないな。
まぁ、店の片付けをする予定だったし、大丈夫なんだけど。
ちょっと、小腹空いたか・・・コンビニにでも行くか。
鍵をかけ外に出ると、店の前でRommieが座り込んでいた。
「え?いつからいたんだい!?」
「あ、ジャックさん!あ、あの!お店お休みなの知らなくて、私、昨日ジャックさんに失礼なことをしちゃって、お店に入り辛くって、帰ろうかなーって思ってたんです・・・」
慌てる姿がまた可愛くて、頭をなでてあげたくなる。
「大丈夫、店には用があったから最初から来る予定だったし、気にしなくていいよ。それより、お昼は?」
「え、あ、まだです・・・」
「じゃー、食べに行こうか?時間ある?」
「え!?時間は全然暇なんでありますけど・・・」
「何食べたい?この近くにパスタの美味しいお店あるけど」
「あ・・・あの!わ、私、牛丼屋に行ってみたいです!!!」
「え?牛丼?」
「入った事なくて、一人で行く勇気もなくて、た、食べてみたくて・・・」
へぇ、大学生なら牛丼屋とか普通かと思ったけど、行ったことない子もいるのか。
「いいよ、おじさんがご馳走してあげよう」
「え!いや、だ、大丈夫です!」
二人で近所の牛丼屋さんに入った。
「おぉ、これが噂の牛丼屋!食券買うシステムは学食みたーい!いい匂いですね!」
嬉しそうにキョロキョロする姿は子供みたいで、美味しそうに頬張る姿を眺めるのも何だかんだ楽しい。
なんか、この子といると、自分まで若くなった気分だ。
最近は、仕事しかして無くて、ちょっと息抜きのつもりで始めたゲームで、オフ会に参加してみたけど、ここ最近に比べたら全然当たりだ。
毎日同じ作業の繰り返しで、息が詰まりそうだったから、この子との出逢いは本当に新鮮だ。
カウンターに右肘をつき、左手でRommieの髪を触り、自分の顔に近づけた。
「うん、先の方が少し痛んでるけど、サラサラで綺麗な良い髪質だね」
「なっ・・・(赤面)」
お互いの顔が20cm位にまで近づいて、牛丼を食べる手が止まりRommieの顔は真っ赤だった。
「あ、すまない・・・えっと、タバコ、いいかな?外で吸ってくるから、食べ終わったらおいで」
「は、は、はひ(←噛んだ)」
外に出て、タバコに火をつけ煙を吐く
何してるんだ、俺!
いくらなんでもあの子に触りすぎだろ!
落ち着け!俺!
紳士を演じるんだろ!?
がっついてるつもりも無いんだが・・・
Rommieを見ているとつい、構いたくなる・・・
昨日会ったばかりの子に無意識とは言え、失礼な事を・・・俺の阿呆!
「ジャックさん?・・・牛丼ごちそうさまでした」
「あぁ、うん、いいよ。それより、さっきはすまない。」
「い、いえ、ちょっとビックリしましたけど・・・」
気まづいまま、店に戻る途中Rommieの足取りに合わせ歩いていると、メッセージを受信した。
アンジェラって子からだ。
『昨日はありがとうございました。Rommieをお願いしてすみませんでした。今度お礼させてください。またオフ会やる時も声かけるのでよろしくお願いしまーす』
他にも昨日連絡を交換した人達から何通か来ていたが、後で確認する事にした。
街に貼られたポスターにRommieが目を止めていた。
「映画?このアニメ、リメイクしてたんだ、学生の頃見てたよ」
「ほんとですか?コレ観に行きたいんですけど、友達は誰も興味なくて、一人で映画なんて勇気なくて、DVD出るまで待つかなーって」
「分かるよ、学生時代、同じだったから。何をするにも一人では勇気がなくて、誰かとじゃ無いとどこにも行けなかった」
「ジャックさんもですか!?よかったー仲間がいたー、ふふふ」
店に到着して、早速、カットの準備を始めた。
「今日はどうされますか?」
「・・・本物の美容師さんみたい」
「え?美容師なんだけど・・・」
「え、あ、すみません」
はは、面白い子だな
「良かったら、髪色、明るくしてみないかい?印象も明るくなって、可愛くなるよ。染めた事ないでしょ?」
「・・・はい、染めた事ないです・・・」
「じゃー、すこーしだけ、明るくしてみようか。長さはどうする?」
「長さは鎖骨よりちょっと下くらいがいいかなーいつもこのくらいの長さが好きなんです。でも、お金・・・」
「了解、長さはこのくらいね、少し軽くして置くね。お金の事はいいから、じゃー始めるよ」
染めている間や、カットの間ずっと話は尽きなかった。
こんなに共通の話題で盛り上がったのは久しぶりな気がする。
無理に合わせて話題を振る必要がないから、とても気が楽だ。
あっという間に1時間が過ぎ、仕上げに髪をアイロンで軽く巻いて鏡をみた。
「はい。お疲れ様」
「わぁぁぁあ!誰ですかこの人!!」
「くすくす、君だよっ」
「わー!髪がくるふわになってるし!サラサラだし!軽いし!」
「喜んでもらえて何よりだよ」
写真を撮りながら喜んでいる姿はまさしく今時の大学生と言ったところか、なんだか微笑ましい。
ここまで喜んでもらえて、こちらまで嬉し気持ちになったのは何年ぶりだろうか・・・新人の頃以来かも知れない・・・
「あ、お金、おいくらですか!」
「いいよ、サービス。営業してないし、最初からお金取る気なかったから。。君の喜ぶ姿見たら、お腹いっぱいだよ。」
「え?だ、ダメですよ!カット以外にも染めたし!1万円くらいですか???」
「大丈夫だよ、ココ、俺の店だし」
「えぇ!?そうなんですか!?ココ、ジャックさんのお店なの!?」
「"隼人"でいいよ、プライベートなんだし」
「えぇ!?は、はやと、さん・・・」
「うん、よく出来ました」
またRommieの頭をなでながら、思いついたことがある
「あ、今回お代はさ、本当にいいから、誕生日プレゼントって事で、ね?その代わり、またうちの店に来てくれたら嬉しいな。もちろんサービスするし。後、今度あの映画一緒に観に行こう。その時は、迎えに行くところから送り届けるまで、"私"にエスコートさせてくれないかい?」
この時初めて自分の事を"私"と表現した。
「誕生日おめでとう、ロミー」
終
昨日、あの後タクシーでRommieの家の近所まで送った後はそのまま帰った。
無事に帰れたと連絡あったし、大丈夫だろうけど、昨日の飲み会で約束した事は、あの子は酔ってたし本当にカットにくるのかはちょっと読めないな。
まぁ、店の片付けをする予定だったし、大丈夫なんだけど。
ちょっと、小腹空いたか・・・コンビニにでも行くか。
鍵をかけ外に出ると、店の前でRommieが座り込んでいた。
「え?いつからいたんだい!?」
「あ、ジャックさん!あ、あの!お店お休みなの知らなくて、私、昨日ジャックさんに失礼なことをしちゃって、お店に入り辛くって、帰ろうかなーって思ってたんです・・・」
慌てる姿がまた可愛くて、頭をなでてあげたくなる。
「大丈夫、店には用があったから最初から来る予定だったし、気にしなくていいよ。それより、お昼は?」
「え、あ、まだです・・・」
「じゃー、食べに行こうか?時間ある?」
「え!?時間は全然暇なんでありますけど・・・」
「何食べたい?この近くにパスタの美味しいお店あるけど」
「あ・・・あの!わ、私、牛丼屋に行ってみたいです!!!」
「え?牛丼?」
「入った事なくて、一人で行く勇気もなくて、た、食べてみたくて・・・」
へぇ、大学生なら牛丼屋とか普通かと思ったけど、行ったことない子もいるのか。
「いいよ、おじさんがご馳走してあげよう」
「え!いや、だ、大丈夫です!」
二人で近所の牛丼屋さんに入った。
「おぉ、これが噂の牛丼屋!食券買うシステムは学食みたーい!いい匂いですね!」
嬉しそうにキョロキョロする姿は子供みたいで、美味しそうに頬張る姿を眺めるのも何だかんだ楽しい。
なんか、この子といると、自分まで若くなった気分だ。
最近は、仕事しかして無くて、ちょっと息抜きのつもりで始めたゲームで、オフ会に参加してみたけど、ここ最近に比べたら全然当たりだ。
毎日同じ作業の繰り返しで、息が詰まりそうだったから、この子との出逢いは本当に新鮮だ。
カウンターに右肘をつき、左手でRommieの髪を触り、自分の顔に近づけた。
「うん、先の方が少し痛んでるけど、サラサラで綺麗な良い髪質だね」
「なっ・・・(赤面)」
お互いの顔が20cm位にまで近づいて、牛丼を食べる手が止まりRommieの顔は真っ赤だった。
「あ、すまない・・・えっと、タバコ、いいかな?外で吸ってくるから、食べ終わったらおいで」
「は、は、はひ(←噛んだ)」
外に出て、タバコに火をつけ煙を吐く
何してるんだ、俺!
いくらなんでもあの子に触りすぎだろ!
落ち着け!俺!
紳士を演じるんだろ!?
がっついてるつもりも無いんだが・・・
Rommieを見ているとつい、構いたくなる・・・
昨日会ったばかりの子に無意識とは言え、失礼な事を・・・俺の阿呆!
「ジャックさん?・・・牛丼ごちそうさまでした」
「あぁ、うん、いいよ。それより、さっきはすまない。」
「い、いえ、ちょっとビックリしましたけど・・・」
気まづいまま、店に戻る途中Rommieの足取りに合わせ歩いていると、メッセージを受信した。
アンジェラって子からだ。
『昨日はありがとうございました。Rommieをお願いしてすみませんでした。今度お礼させてください。またオフ会やる時も声かけるのでよろしくお願いしまーす』
他にも昨日連絡を交換した人達から何通か来ていたが、後で確認する事にした。
街に貼られたポスターにRommieが目を止めていた。
「映画?このアニメ、リメイクしてたんだ、学生の頃見てたよ」
「ほんとですか?コレ観に行きたいんですけど、友達は誰も興味なくて、一人で映画なんて勇気なくて、DVD出るまで待つかなーって」
「分かるよ、学生時代、同じだったから。何をするにも一人では勇気がなくて、誰かとじゃ無いとどこにも行けなかった」
「ジャックさんもですか!?よかったー仲間がいたー、ふふふ」
店に到着して、早速、カットの準備を始めた。
「今日はどうされますか?」
「・・・本物の美容師さんみたい」
「え?美容師なんだけど・・・」
「え、あ、すみません」
はは、面白い子だな
「良かったら、髪色、明るくしてみないかい?印象も明るくなって、可愛くなるよ。染めた事ないでしょ?」
「・・・はい、染めた事ないです・・・」
「じゃー、すこーしだけ、明るくしてみようか。長さはどうする?」
「長さは鎖骨よりちょっと下くらいがいいかなーいつもこのくらいの長さが好きなんです。でも、お金・・・」
「了解、長さはこのくらいね、少し軽くして置くね。お金の事はいいから、じゃー始めるよ」
染めている間や、カットの間ずっと話は尽きなかった。
こんなに共通の話題で盛り上がったのは久しぶりな気がする。
無理に合わせて話題を振る必要がないから、とても気が楽だ。
あっという間に1時間が過ぎ、仕上げに髪をアイロンで軽く巻いて鏡をみた。
「はい。お疲れ様」
「わぁぁぁあ!誰ですかこの人!!」
「くすくす、君だよっ」
「わー!髪がくるふわになってるし!サラサラだし!軽いし!」
「喜んでもらえて何よりだよ」
写真を撮りながら喜んでいる姿はまさしく今時の大学生と言ったところか、なんだか微笑ましい。
ここまで喜んでもらえて、こちらまで嬉し気持ちになったのは何年ぶりだろうか・・・新人の頃以来かも知れない・・・
「あ、お金、おいくらですか!」
「いいよ、サービス。営業してないし、最初からお金取る気なかったから。。君の喜ぶ姿見たら、お腹いっぱいだよ。」
「え?だ、ダメですよ!カット以外にも染めたし!1万円くらいですか???」
「大丈夫だよ、ココ、俺の店だし」
「えぇ!?そうなんですか!?ココ、ジャックさんのお店なの!?」
「"隼人"でいいよ、プライベートなんだし」
「えぇ!?は、はやと、さん・・・」
「うん、よく出来ました」
またRommieの頭をなでながら、思いついたことがある
「あ、今回お代はさ、本当にいいから、誕生日プレゼントって事で、ね?その代わり、またうちの店に来てくれたら嬉しいな。もちろんサービスするし。後、今度あの映画一緒に観に行こう。その時は、迎えに行くところから送り届けるまで、"私"にエスコートさせてくれないかい?」
この時初めて自分の事を"私"と表現した。
「誕生日おめでとう、ロミー」
終
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