Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

19 冒険者登録

宿を出て、ナターシャの道案内でハンター協会に向かい、昨日の市場を横切り海の見える広場に出た。

「あそこ、赤い屋根のレストランの隣りがハンター協会です。」

年季の入った建物で、ハンター協会の入口の横には大きな掲示板のようなものがあり、WANTEDと書かれたモンスターの情報が貼られていた

中に入ると、待合室のような所に数名の冒険者がいた立派な鎧を身にまとっている。
奥のカウンターにアカギさん達が話しているのが見えた。


「お1人、5000G必要です」

なにそれ!冒険者として登録するのに1人5000Gもするの!?

「え?いつからお金を取るようになったんですか!?」

ナターシャが身を乗り出した!!

「ここ2日ほどで登録にくる新人冒険者が多くて処理が追いつかなくて手数料を取る事になったんです」

え!?私達より先に旅だった人達かな???

「困りましたね。ぼったくりにも程があります」

真顔で言うナターシャに受付の人もちょっと顔が引きつっている

「ですが、手配モンスターを一体討伐できれば登録料はその時に返金致します」

ふむふむ

「なら、僕がみんなの分を立て替えておくわ」

ちょっと納得いかないけど、返ってくるならいいか。
みんなが上城さんにお礼を言った。
とりあえず、上城さんと男性達が先に登録をする事になった。
まず、登録時に所持している武器を魔法陣が書かれた石版の上にかざすと、上の部分の水晶がレベルによって色がかわり、それに応じてランクが変わってくるんだとか。
装備している武器には倒したモンスターの情報が記録されていくらしく、冒険者登録さえ済ましていれば、発行されている手配書のモンスターやクエストも常に確認することができ、戦闘時に手配モンスターがいれば、名前の横にwantedマークがでるそうだ。

順番に名前を記入するんだけど、この世界の文字が分からないのでナターシャにかわりに記入してもらい、石版に武器をかざして行った。
お団子の受付のお姉さんがせっせと結果をリストに書き込んでいる。
それぞれ色の着いた札を渡され、2階の小部屋で待つように言われ、桜子さん達が2階に向かって行った。

ジャックさんの番になって、武器をかざすと石版の水晶が紫色に輝いて、受付の2人が慌てだした!!!

「も、もう一度お願いできますかっ!?」
「あ、はい」

もう一度かざしてもやはり紫色に輝いている。
待合室にいるほかの冒険者達がザワザワしているような???

お団子の受付がマニュアルを取り出しページを慌ててめくり確認している間にメガネの受付が私に声をかけた

「す、すみません、お調べしている間に、あなたで最後ですね、先にあなたから登録しますので、こちらに武器をかざしてください」

「ん?はーい。よいしょ」

私が武器をかざすと宝石が虹色に輝いている。
待合室にいた冒険者達と受付の2人が驚いていて椅子を倒した!!
ハンター協会内は、ザワザワと騒がしくなっていて、私はキョロキョロと周りを見渡した。

なんだろう?みんなが私とジャックさんに注目している!?

「こ、こんなの滅多になくて、と、取り乱して申し訳ありません。お、お二人は別室にご案内致します。2階の奥の赤い扉のお部屋へどうぞっ」

お団子の受付が慌てて2階へ行ってしまった。何かまずい状況のようにも思えるけど何これ?
ジャックさんが私の耳元で小声で話した。

「恐らく、これLvを色で分けしてるんじゃないかな?」
「あぁ、たしかにそれっぽい!さすがジャックさん」

私達は言われた通り2階の赤い扉の部屋に向かった。


赤い扉部屋に向かう途中、桜子さんが話しかけてきた。

「さっき下が、ざわついてたけど、何があったの?」
「どうも、レベルの差が関係しているみたいで、別室に呼ばれたんですよ」
「私もみんなと違う色だったけど、やっぱりアレ、レベルで色が変わるシステムだったのね」
「後でまた報告するね」
「うん、いってらっしゃい」


赤い扉中に入ると、先ほどのお団子の受付と何故か月の神殿の最高司祭様が居た
大きなテーブルに大きな椅子。立派なオブジェに本棚には難しそうな本が並んでいて、まるで社長室みたいな部屋だなぁ。
大きな椅子が回転して座っていたのは、この街のハンター協会の支部長のようだ。、
司祭様と支部長は双子?そっくりすぎてビックリ!!

「お加減はいかがですか?ロミー様」
「あ、おかげさまでとても良くなりました。昨日はお礼も言えず、帰ってしまいすみませんでした。」
「そのアイマスク、似合ってますよ」

司祭様が優しく微笑む横でちょっと怖い感じの支部長が話を始めた

「私はこの街のハンター協会支部長のヘレナだ。妹のフィオナからロミー、君達の話は聞いているよ」

「え、あ、どうも。あ、姉妹なんですね。どうりでお顔がそっくりで・・・」
「早速本題に入らせてもらう」

わー無視っすかー私この人苦手なタイプだわぁ♪

「部下に話は聞いかせてもらったよ。あなた方はただの冒険者にしておくには勿体ないほどの能力をお待ちです。このハンターランクならキャタルス王国へ行く事を進める」
「ハンターランクとは何ですか?」

「冒険者の実力に応じて与えられるカラーと星の数なんですよ」

お団子の受付が説明してくれた。

「ちなみに、私はランク付けするとしたらいくつ星がもらえますか?」
「・・・プラチナランクは実質、星は無い。神に等しいクラスでな」

ランク早見表をお団子の受付が見せてくれた。





駆け出し冒険者はカッパーの星1からスタート。
シルバーが中級ランク。
ゴールドが上級ランクで国家騎士の入隊資格を持つ。
入隊できるかはまた別の話らしい。
この話はまた別の機会に聞こう。

プラチナが最上級ランクで騎士達を束ねる騎士団長クラス。もしくはそれ以上にもなり得る。
プラチナランクで、国家騎士にならずに冒険者を続けるものはほとんどいないらしい。
国を動かすほどの力を持つ者も少なくないのだとか。
プラチナという存在が最上級の為、星での評価は無いようだ。



「冒険しちゃダメなの?」
「国家騎士になると自由が無くなりそうだね」
「国家騎士になりたくないのか?この国の者なら皆がなりたがる栄誉あることなんだぞ。」
「言ったでしょう。ロミー様達はこの世界の理が通用しない。と」
「だがしかし、そう簡単な話では済まないぞ。」
「絶対に国家騎士にならないといけないんですか???」

国家騎士になったら、堅苦しい規律に縛られ、朝も早く夜も遅く、団体行動厳守とかストレスで死ぬわ!!

バニラが、ぷっと笑う。
私の心の声が聞こえているのだ。

バニラはいいよねぇ猫だもん

「ゴールドランク星4以上は形上は入隊試験を受けておかないと強制召集が発令された時に不合格になったものを除いて入隊していない者は罰せられてしまうのです」

「は?この国の民じゃないのに?」

「はい。残念ですが・・・この国で冒険者登録をされてしまったので、情報はこの国の中心の街、キャタルス王国のハンター協会本部に集められます。そこから、ロミー様達に召集命令が入るのも時間の問題かと。」

うーん、うーん、ややこしくなってきたー。

「フィオナ、いっそのことお前の専属護衛にしてはどうだ?来週キャタルスシティの神殿に訪問するのだろう?その道中この二人に護衛になってもらえばいい」

「まぁ、姉上、それはとても素晴らしいアイデアですこと!」

支部長と司祭様が私達の方をみてニッコリ微笑んだ。
なんかヤバくない?ちょっと怖いんですけどー!

「では、さっそく神殿に戻り申請をキャタルスシティに送らなくてわ。一度失礼いたしますねロミー様、ジャック様。私がお渡しましたアミュレットを装備しておいてください。いつでも私と連絡取れますので。失礼いたします」

司祭様は慌てて部屋を出て行った。
そう言えば貰ったんだっけアミュレットまだ何もしてないや。

「とりあえず、長くなってしまったが、プラチナプレートを二人に渡そう。」
「ありがとうございますっ」

声を揃えて私達はお礼を言ってプレートを受け取った。


「プラチナランクをうちの支部で発行したのは君達で3人目だよ。」

私達の前にも冒険者が居たんだ。
そういえば、ジャックさん紫で私は虹色だったけど、アレはどういう意味だったのかな?
私は気になって聞いてみた。

「・・・今日は驚くことが多くて頭が痛い。紫はレベルにすると、350以上と言われているが、実際にこの世界でそこまでのものは聞いた事がない。そして虹色の場合は・・・ロミー君は信じられないのだが、魔法を全て習得し終えていないか」

支部長のヘレナの顔が強張った?

「あー、はいっ」

軽い返事で返したせいかヘレナは頭をガシガシ掻きむしっていて、お団子の受付も鳩が豆鉄砲食らったような顔をしている。

「賢者クラスを見たのは君で二人目だ」

賢者クラス?あぁ、確か私魔法コンプリートした時に"賢者"の称号もらったなぁ。
称号ってなんの意味もないから正直ちゃんと確認してないんだよなぁ。



扉の外から皆んながぞろぞろと階段を降りていく声が聞こえた。

「向こうも終わったな、とりあえず、説明はこれで終わりだ。護衛の件だが、フィオナからの連絡があるまでは好きにするといい。」

「わかりました」



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