Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

13 海外旅行に来たみたいです




「通行手続きをしてくるから、馬車で待っててくれ」

キースさんが、街に入る為の通行申請をしに馬車を離れた。

私は私のせいでハイクラスモンスターを引き寄せたかも知れない事をどうみんなに謝ればいいのかわからず、黙っていた。

「ロミちゃん、気にしないで。あれは、ロミちゃんのせいじゃないわ!」
「そうだよ!橘さんは何も悪く無いよ!」
「騒ぎになっても面倒だからココだけの話にした方が良いだろな」

さっきの騒ぎの間の私達の会話は、キースさんには聞こえていなかったのは幸いだった・・・

スキルの詳細を詳しく解析したら、隠され説明部分が読めた・・・
小難しく長々と書かれていたけど、簡単に言うと、
"悪魔の祝福"は神クラスのモンスターに、見つかりやすくなる力があるみたい。
私は非常にまずい呪いを受けてしまったようだとしみじみと実感し始めていた・・・
みんなと一緒にいると、もっと危険な目に合わせてしまうかもしれない。
これは、早急になんとかしておきたい!あるいは、パーティを解消して私1人で、旅に出るか・・・そんな事を考えていた。

「おう待たせたな!手続きが終わったから、兄ちゃん達は先に町に入ってていいぞ」
「団長さん!この辺に安くてご飯の美味しいオススメ宿屋はないかしら?」
「おう!うちの経営する宿屋を紹介してやろう!マリアの作る飯は最高だぞ!!!俺の客って事で安くしとくぜ!」
「わーい!ありがとうございます!!!」
「キース団長男前ですわっ!」
「ははは、これ以上何も出ないぞ」

キース団長の計らいで、宿屋に安く泊まれる事になり、案内役に団員の1人が派遣された

「みなさん、俺はキース団長から皆さんの世話を仰せつかったっす。マルスっす。ここからは、僕が案内役するっス。」

語尾がそれっぽい!!NPCそのもの!

「ついてきてくださいっす。この街は月の神殿を中心に月の神々の加護のもとに、作られているっす。先程この町に入る前にも神殿から放たれた、神々しい光、ご覧になられたっすよね!?まさに神々に守られている証拠っす」

宿屋への道を案内しながらペラペラとマルスが喋る喋る。

「この階段をまず下りて、この角を右へさらに下って、二つ目の角を左、って、多分覚えれないっすよね。一度行った場所はマップに表示されるんです迷子にならないっす。」

ペラペラペラペラと、話し続けているが、宿はまだなのか・・・

「着いたっす」
「中々雰囲気のあるいい宿じゃん!」
「よかったー馬小屋じゃなくてぇ」

3階建てのそれなりに大きな宿屋に!!
映画とかにでてきそー!
洋風の外観が素敵!!!
扉の中にゾロゾロと入る

「マルス坊っちゃん!おかえりなさい!」
「坊っちゃんおかえりなさい!」

一斉に案内係のマルスに挨拶する宿屋の人達が私達を出迎えた。
一階は食事のできる場所でレストランの様な感じで、建物の両側に二階への階段があって二階と三階が客室になっているようだ。
映画などでみるようなセットみたいな感覚!!樽が並んでて、トナカイの剥製なんかも飾られてる。

「みんな元気っすか?この方達はキース団長のお客人っす。」
「わかったよ。奥のカウンターで受付しておくれ」

食事中の客達が見慣れない格好の私達を見てヒソヒソと話す声が聞こえた。

「大所帯だなぁ"ギルド"か何かか?」

"ギルド"?
この世界にもギルド制度があるって事かな。

「マルス、私の可愛い息子、ほら無事な顔を見せて」
「あぁママ!や、やめるっす!恥ずかしいっす」

ぎゅーっと息子を抱きしめる母親はこの宿屋を取り仕切る人物みたい。

「キースのお客様だね。うちの宿屋にようこそ。私はキースの妻のマリアと言います」
「キースさんの奥様!?キースさんには大変お世話になりました!!」

挨拶を済ませ、宿屋の宿泊手続きをした。

「今、使える部屋が少なくて、4人部屋が3部屋と、別館のほうにも部屋はあるけど、どういう部屋割りにするか決まってる?」

部屋割りの為、上城さんが周りを見渡し人数を数えてくれている。

「ええっと、男性が5人と、女性が、6人、全員で11人だね、皆さん、勝手に決めちゃうとよく無いと思うので、いちお、何か意見のある人はいませんか?」

誰も意見を言わない。
みんなお金がないし、わがまま言える状況じゃないって自覚があるからか、何も言わない。

「4人部屋3部屋かぁとりあえず、女子と男子でわかれるとして、」

「男女同室なんて良くあることよ?冒険者達はランクに応じて部屋を使うものよ。この宿は駆け出し冒険者向けだから大部屋ばかりだけど別館の方は1人部屋も充実してるのよ。ランクが高いものほど部屋を広く使ったりするわね。パーティ同士で部屋を使ったりもするわね。4人部屋を6人で使ったりする人たちもいるけど・・・それはお金のない冒険者たちのやり方ね。だから、男女同室なんて当たり前よ」

ふむ、この世界では冒険者にランクがあるのか。ギルドのことも気になるし、とりあえず、部屋を取り、でかけたいところだけど。


「同じ宿内の方が何かと便利だと思うし、とりあえず、4人部屋3部屋取ろうと思います。皆さんよろしいですか?」

いちお上城さんがみんなに問いかけてくれて、反対する人もいないし、手続きを済ませた。
3部屋分の鍵をもらい二階に上がる。

上城さんが男性グループと女性グループにそれぞれの部屋の鍵を渡し私達の元へ戻ってきた。

「えっと・・・みんなに鍵を渡したら必然的にまた2人と同室になってしまいました。申し訳ない」
「ふふ、わかってたわよ。」
「上城さんありがとうございます!仕切ってくれて助かります!」

部屋に入ろうとしたら、マルスが呼びかけてきた。

「みなさーん、夕食はこの宿の一階で準備しておくっす!それまで自由にしててくださいっす!この街は夕刻を知らせる鐘がなるので、それが聞こえたら夕食の時間です。それと、日用品や衣服など、揃えたいっすよね?1時間後に迎えに来るので、そ!までは部屋でゆっくりするっす」

へぇ時間を知らせる鐘の音が鳴るんだ。
お買い物も確かにしたいわー。
マルスがバタバタと階段を降りていくのを確認したら、それぞれの部屋に入っていった。

パタン。

二段ベッドが二つ。それぞれのベットにカーテンがつけられて、とても助かる!そして、真っ先に桜子さんが動いた。

「私、この上にするわね」
「はいはい。ロミーさん、どこがいい?」
「上り下り疲れるしなぁ」

といいながら、ベットを見るとバニラがすでに丸まっていた。

「あ、バニラがこっちにいるから、こっちの下で。」
「じゃ、三日月の下、僕がもらうね」
「この宿のお風呂あるのかしら?」
「うわーお風呂はいりたぁい」
「僕はスーツ脱ぎたいよ・・・」
「早く着替えたい・・・」
「「同感」」

アラームを1時間後にセットして私達は一旦、ベッドに寝転んだ。
足が棒のようだ・・・あちこちバッキバキ。
ちょっと仮眠しよう・・・



ー1時間後ー


「桜子さん起きてたの?私ちょっと寝たら元気になった」
「私もうとうとしたけど、寝たら起きれないと思って、起きてたの。上城君は散歩してくるって言っていなかったけど」

階段を降りると、キースさん達と数名の人がいた。

「おう!姉ちゃん達!」
「キースさん!こんなにステキなお宿を紹介していただきありがとうございます!!!」
「おうよ!困った時はお互い様だ!それより、日用品や衣類が必要じゃねぇか?うちの連中に案内させるぜ」
「ありがとうございます!」
「その格好じゃ、変に目立っちまうからなぁ!必要だろうと思って団員を何人か連れてきた。ほら、」

「エマよ。よろしく」
「さっきもお目にかかったっす。マルスっす。」
「ナターシャです。よろしく」

エマさんとナターシャさんは踊り子なんだって、スタイルがすごいいい。憧れるわぁ、脚長ぁ。
他の部屋の人達も全員揃ったので、3つのグループに別れて買い物に行くことになった。

「ロミちゃん私達はナターシャさんと市場を回るって。あれ上城くんは?」

本当だ、上城さんがいない。辺りを見渡すと店の外でキースさんと話している姿が見えた。
窓に近づくと上城さんがキースさんに何かを渡しているのが見えた。

キラッ。

あ、クリスタル!そっか!上城さんが最後に破壊したからドロップしてたんだ!

「そして、この世界の共通通貨はGOLDというっす。各自1万G入ってるっす。これで今から市場に行って、日用品や服を買うといいっす」

上城さんがあらかじめ、キースさんに冒険者達にアイテムを渡す時にお金も入れておくように指示したんだ。
私が仮眠中に一人でかけたいったって桜子さんが言ってたのは、この為だったのね!
昨日私が言ったことを実行してくれてたんだぁ
隠れて手配するなんて、さすがイケメン部長だなぁって尊敬だわぁ。

みんなで宿の外にでると、キースさんと上城さんが歩いてきた

「さぁ市場で羽を伸ばしてくるといい。エマとナターシャとマルスが相場を知ってるから、ボラれることはない!値切り交渉もコイツらに任せておけば大丈夫だ!」

なんと心強い!冒険者達の安心した表情をみて私もほっとした。
だいぶ、みんなの表情も和らいできた気がする。

市場に向かった歩き出した。

「私はナターシャ。よろしく」
「桜子。よろしく」
「僕は輝。よろしく」
「ロミーです!よろしく」

ナターシャはまだ19歳らしい。
若いって羨ましいー・・・踊り子の衣装ってすっごくセクシーだよ。
上から下まで舐めるように見てしまった・・・
露出度も凄い・・・女同士でもつい、目がいっちゃうし、胸、私より大きいよな・・・ガッデム。

「この階段を下りたら神殿前広場っすよー!」

ブワ〜ッと広がる光景にみんなから歓声があがった。
月の神殿の前に大きな広場があり、色取り取りの沢山のテントが並んでいた!!
まるで海外の朝市かのような光景。

「日が暮れると夜市としても有名っす。ここでは、美味しいものから日用品までなんでも揃うっす」

期待に胸を踊らせ私達は市場に向かう。

「なんか海外旅行の気分ね」
「イタリアで見た市場みたいだよ」
「へぇ海外みたいなんだぁ」

私はあまり見えていないので、スマホを取り出しパシャパシャと写真を撮った
こんな感じで昼間スマホをちょこちょことりだしては写真を撮るようにしようと思って。
夜なら、この、暑苦しいネックウォーマーも外せるし、写真もちゃんと見れるし。

「おい、悪いが俺はこれ以上進めない。神殿の力が強すぎてな。宿屋で待ってる」
「え、バニラ!待って」

帰ろうとしたバニラを捕まえでぎゅっと抱きしめた。

「な、なんだよ」
「ごめんね、辛かったのについてきてくれて。ありがとう。ちゃんと宿屋で待っててね」
「ふっ、ゆっくり楽しんでこい」
「うん♡いってきます」



「人が多いので気をつけて」

ナターシャさんがそういうと、上城さんが私の手を握った。

「大丈夫?バニラは?」
「先に帰りました。神殿が近いせいで、苦しかったみたいです」
「サクラ、どんな衣装を探してるの?」
「普段着るラフな物よ」
「ここのお店なんてどう?」
「いいわね!ロミちゃ・・・邪魔しちゃった?」

私と上城さんが手をつないでいるところをバッチリ見られた!それでも上城さんは手を離さない!!

「はぐれると危ないからね。このシャツいいんじゃないかな」

手をつないだまま買い物を続ける上城さんはちょっと肝が座っている?
別にやましいことはないしね。桜子さんはニヤニヤしてるけど。

「桜子さん私のなにか選んでぇ」
「まかせといてぇ」

私はなんとなく周りをキョロキョロ見ていた。人がや店が多すぎて、輪郭を捉えきれない。
ちょっと意識を集中してみようかな
こーゆーとこなら訓練にはちょうどいいか、なにか見えてくるかも。


うーん、うーん。


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