Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

11 良い人かはどうかはその時によって変わってたと思います






あったかくて、ふわふわする感じ。



『ねぇ次のquestどれ行く?』

懐かしい声・・・

『昨日覚えたスキル使いたい!』

楽しかったなぁあの頃・・・

『ロミ、このアイテムあげる』

いつも一緒だったのに

『明日仕事やすみなら良かったのに!今回のイベント平日の昼間スタートとか卑怯でしょ!!!』

あぁ、あったあった、結局定時で上がって朝まで"キング"やったっけ・・・

『全て壊してやる』

何故?どうして?突然人が変わってしまったんだろう・・・何があったの?

『ロミ、またね』

あれ以来、どこに行ってしまったのだろう。。。





ー朝ー

チュン、チュン、
鳥のさえずり、テントに日が差している
私は眩しくて、またネックウォーマーをはめた。


「ぎゃ!まだ眩しっ!目が潰れちゃう!!!ふわぁぁぁあ、何の夢、見てたっけ・・・」

辺りを見渡すとテントの中には2人の姿はない。
先に起きたのだろう。

「おーい、起きたかい?お姫様!」
「姫?」

テントから顔を出すとキースさんが立っていた。

「おはよございます・・・むにゃむにゃ、」
「他のみんなはとっくに起きてるぞー、姉ちゃんで最後だ」

げっ、ゆっくりし過ぎた!

「すっ、すみません!!!」

寝癖を簡単に整えてキースさんについて行くと、キャラバンの人達が冒険者達に商品を見せてくれていた。

桜子さんと上城さんが私に気づき呼んでくれた。

「おはよーロミちゃん!よく眠れた?」
「はい・・・ふわぁぁぁあ」
「クスクス」

!?
上城さんの笑い声で、昨日の夜のことを唐突に思い出し私は恥ずかしくて顔が赤くなった。

「ロミちゃん、回復薬とか必要そうなものは私に任せて!キースさんっキースさん!!」

桜子さんはすでに
いくつかの装飾品や回復薬などに目をつけたようで、色々と質問をしている

私は、桜子さんのテンションに朝からちょっとついていけず、お礼を言うタイミングを逃した

「ロミーさん、おはよう」

上城さん!

「お、おはようございます・・・(小声)」

自分の顔が赤くなってるのがわかるほどだけど、ネックウォーマーで顔の半分を覆ってるからちょっとはいいかな??バレてない???
上城さんが私の耳元に近づいたのがわかり思わず後退りしてしまい、よろけた

「ちょ・・・わっ」

すかさず、腕を掴まれ、引き寄せられるのがわかる。

「ごめん、僕のせいだよね」
「あ、いや、そんな」

また手を握られた事を思い出して、シドロモドロ・・・

「もう、弱いとこ見せないように頑張るから」
「?」

その様子を見ていた桜子さんが私には見えない角度でニヤリとした。


「この話は終わり。ね」
「え、は、はい」

私の頭をポンポンと微笑みながらなでて桜子さんの方へ歩いて行った。
なっ、なんかずるい!!
このイケメンが!!
頭ポンポンは全国のお父さんお母さんとイケメンだけに許された究極奥義!
小さい頃に親にしかポンポンされた事ない!!
元彼はそんな事してくれたことない!
免疫が無い私は、一人その場で頭から煙がでているのではないかってくらい、恥ずかしいけど、ちょっぴり嬉しくって悶えていた

「おい。」

と言い、バニラが私の肩の上に乗る
肉球を私の頬にグイグイ押し付けてきた

「なに!この至福時間」
「うっさい!あんなヒョロイのにうつつ抜かしてんじゃねぇよ」
「あーーー!ヤキモチか!バニラヤキモチでしょー!うーれーしーいー♡」

バニラを肩から引きずり下ろし抱き抱え顔をスリスリする。私の顔はニヘラニヘラと、緩みっぱなしの表情に違いない。ネックウォーマーしててよかった。

バニラがバタバタと暴れながら叫ぶ姿が可愛い♡

「お、おい!ばか!やめろー!」


カンカンカンカン!
フライパンを叩く音がする
「朝飯の準備ができたみたいだ!冒険者のあんた達も食べて行きな!!」

キースさんの声で、みんながテーブルに向かう。

「姉ちゃん、目の調子はどうだ?連れの姉ちゃんから聞いたぞ」
「夜は、良いんですけど、昼間はまだ眩しくてこのネックウォーマーが無いとダメですね」
「今後の事なんだが、食事をしながら話そう」

「はむはむはむはむっ」

バニラの食べる姿、本当に可愛い。
昨日の夜、少し見えるようになったおかげで、表情がよく見える。
背中をなでながらバニラを見ていると、

「見てないで、お前も食えっ!!!」
そういいながら、私のおでこにジャンピングキックをしてまた食べ始めた。

「いっつつ、いや、でもこれ!肉球だからダメージ0だよ!」

あははは、私達のやりとりにみんなが笑い、なんだか和むー!

「姉ちゃん達、ロミーと言ったな。これからどうするんだ?」

桜子さんと上城さんの方をチラッと見て、私が答えた

「えぇっと、ここから川沿いに行くと大きな街があるって聞いたのでそこで今後の事を話し合う為にも宿をとれないかな?って」
「そうかい!そうかい!なら話は早い!」

持っていた飲み物が入った大きなコップをテーブルに置くとキースが立ち上がった

「俺たちは、その街に帰る途中なんだ!乗せて行ってやる!途中、モンスターを蹴散らしてくれるなら、昨日と今日の食事をタダにしてやるよ!」

「ほんと!?」
「よかった!」
「本当に街があるのね!」

みんな喜んでいる!

「シルバーシティに行けば、俺の店があるから、そこで、今後の冒険に役に立つ武器や防具など必要なものは全て安く提供してやろう!悪い話じゃないだろ?」


そこは、しっかりお金を取るあたり、商売人。
まぁあたりまえか。
私はもう一度桜子さんと上城さんの方をみた。

「確かに悪くないわね。どうせ街に向かうつもりだったし、キャラバンの馬車にに乗せてもらえるのよね???」
「あぁ!荷台だからあんまり、いい席とは言えないが、全員乗れるだけの余裕はあるぜ」

決まりだねーとっても助かる!



朝食を済ませ、川で顔を洗いテントに戻ってくると、キースさんがテントの前にいた

「姉ちゃん、いいこと教えてやろう」
「なんですかー」
「テントにはそれぞれ固有ランクがありそのランクに応じて、中にちょっとした家具なんかも置けるぞ」

テントの詳細を調べてみると、たしかに空き容量の項目がある。

「このテントならランプの他にも小さめの家具が置けてそのまま収納しても配置した時のまま取り出しができて便利だ。」

ほほおー
なんと便利な世界!
やっぱ、こーゆーとこがゲームっぽくて良いんだよー
「ありがとうございます!」
「俺の店で見ていくと良い!」
「はい!」


テントを収納した後、キャラバンの片付けの手伝いをみんなでしていると、冒険者達が話しかけてきた。

「あ、あの・・・」
「昨日は助けてくれてありがとございました」
「え、」

椅子を抱えたまま振り返ると生き残り一緒についてきていた冒険者達がいた。

「いや、たまたまですよ、運が良かったから勝てたんですよ」
「それでも、あなた達の魔法が無かったら死んでたかも!」
「先に戦ってた奴らは弱い俺たちを囮に使ったり、装備品を奪っていったり、むちゃくちゃな奴ばかりだったけど、あんた達のお陰で命拾いしたんだ」

昨日聞いた話では私達よりも先に階段を降りて行った冒険者達は、キースさん達のキャラバンで、最低限のアイテムを揃えるとすぐに街に向かって行ったんだとか。

「みなさん、アイテム買えました?」
「俺達ほとんど、逃げ回ってて報酬が少なかったから、何も買えないんだ」

私は、椅子を馬車の荷台に居る人に私 渡してキースさんの所に向かった。

「キースさーん」
「おう!時期に出発だぞ」
「シルバーシティに着いたら彼らの分の最低限の必需品も用意してもらえます?」
「あんた達、金はあるのか?」

冒険者達は黙り込んだ・・・

「ここに居る全員分、私が出します」
「な、あんた、10数人分の装備を準備したら、かなりの大金だそ」
「それなら心配いらないんで!」

キースさんにだけ見えるようにチラッと昨日のクリスタルを一つ見せた

「だってぇ、買取もやってるんですもんねっ!!??」

キラッ。

「ははは、姉ちゃんにはかなわねぇなぁ!いいだろ!ここにいる冒険者達の装備は任せな!街に着いたら嫌ってくらいうちの店の商品を見せてやろう」


「いいんですか!?」
「ありがとうございます!!」

冒険者達からお礼を言われ握手を求められる

「これから、皆さんはもっと過酷な事に挑んで行かないといけないと思うので、えっと、まぁ、アレですよ、」

大勢の前で喋るのって苦手

「同じ場所にたまたまいた冒険者仲間って事で、街に住むもよし、それぞれ冒険に出るもよし。頑張りましょう」


片付けも終わりキースさんの馬車に乗せてもらった私達3人。

「ロミちゃんカッコ良かったわよ」
「いやいや・・・実はね・・・声かけられてなかったらあの冒険者達と話をすことすらなかったかもしれないですよ・・・」
「そんなもんだよー私だって、なんとかしてあげたいって思ってても自分のことばかり考えちゃってたし」
「うん。時と場合によっては、お礼を言われるようなことはしなかったかもしれないからさ・・・」
「ロミーさんは自慢のリーダーだよ」
「そうそう!ロミちゃんは私達の自慢のリーダーだよ!」
「ん???なんで私がリーダー?」

パーティのステータスを確認すると私がリーダーであるマークが付いていた。
あ、私が2人をパーティに招待したからだ!!!

「ちょっ、私より上城さんの方がリーダーに相応しいですよ!変わってください!今、リーダーの権利送るんで変わってください!」
「だめだよーカンストしてるロミちゃんに相応しいのよ!」
「やだやだやだやだー!」

私が頭をブンブンと横に振り手足をバタバタとわざとオーバーアクションをすると桜子さんも真似を始めた

「私だってロミちゃんがリーダーじゃなきゃいやいやいやーーーーー!」

間をおいて私達は真顔で上城さんを見つめた

「なっ!まさかこの流れ僕もするの!?」

「「ぷっわはははは」」

私と桜子さんはお腹を抱えて笑った。

「からかわないでよ・・・メンタル持たないよ・・・」
「きゃはは、でも、2人とも!ちゃんと大事な時は助けてくださいよ!!!」
「もちろんだよ」
「わかってるわよー」





しばらくして、桜子さんがスマホを取り出し触っていた。

「やっぱり電波あるわけないわよねぇ」
「三日月、電池まだあるの?」
「切ってたからねぇ、でも残り少ないからもうダメね」

何気なく私が桜子さんの方を見るとスマホの上にカーソルが現れた

「ん?」
「どうしたのロミーさん」
「いや、桜子さんのスマフォがなんか、光ってて・・・あ、なにこれ、」
「どうしたの??ロミちゃん」

私も自分のアイテムBOXの中に収納したカバンの中に入ったスマホだけを選ぶと、手の平の上にスマホがポンっと現れた。
便利な機能!やはり電源は入らない。

スマホの上に表示されたカーソルから項目を開くと、

「『チャージ』ってあるよ?」
「ほんとね」

桜子さんが早速『チャージ』を選択すると、スマホが光った!


「わ!充電が99%になった!」
「え!?ほんと!僕にもできるかな!?」

『チャージ』を選択すると、自分の魔力を使って充電できるシステムらしい。
桜子さんと上城さんのMPゲージが消費されているのが確認できる。

「圏外だから、殆どのアプリは使えないか・・・」
「ホントだ。なにもエラーになるよ」
「充電できても意味ないじゃーんコレー」




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