リトルシスターズ!
第7話 「兄貴頑張るから」
「フォーティーオール、サーブ小鳥遊」
審判の声に僕ははっとする。
敵がネットの向こうで構えている。
周囲には観客の群れ。
僕の汗ばんだ手にはボールが握られていた。
サーブ前の20秒が永遠に感じられる。
ボールをゆっくり投げた。
黄色のボールに太陽の光が重なる。
僕はクラっとして崩れ落ちた。
ドサッ、ゴチン!!
僕はベットから転げ落ちて盛大に頭を打った。
「痛っ!?」
時計を見るとすでに5時。
「ヤバい、学校の宿題終わってないよ。でもお腹も空いたし……」
僕は自分で言うのもなんだが、朝起きてから夜寝るまでテニスのことが脳の8割を占めるようなテニスバカだ。
全国出場の『あゆ兄』のプレイのかっこよさに憧れて小学4年の頃から続けている。
もちろん学校の宿題もご覧の通り全く手をつけない。
僕は諦めてリビングに向い牛乳をコップに注ぐと一気飲みをした。
そこにあゆ兄が現れた。
「あゆ兄、おはよー」
「おはよう、夏美。すぐに朝ごはん作るから顔洗ってこい」
あゆ兄は僕の憧れだ。
毎日コツコツ練習して、中学3年のときにジュニアの全国大会でベスト4に入る実力者だった。
だけどあゆ兄は高1の全国大会を間近に控えた夏に突然やめた、否やめざるを得なかった。
両親が死んで4人の妹の世話をするようになったからだ。
親戚は僕たち姉妹を分けてはどうかと提案してきた。
姉妹であゆ兄にそれは嫌だ、と言うと苦笑いしながら了承してくれた。
当然あゆ兄はテニスを辞める必要もあった。
僕は罪悪感のあまりテニスを辞めると言い出したら手刀をくらった。
その時の兄さんの目は今までにないほど真剣だった。
(『夏美が好きなものを諦めないためにも兄貴頑張るから』か……)
僕は顔を洗いながら昔言われたことを頭のなかで反芻し、恥ずかしさのあまり顔が熱くなる。
(あゆ兄が叶えられなかった夢を僕が叶えてみせる!)
朝食をとって、支度を終わらせると机にあった宿題を置いて僕は家を出た。
審判の声に僕ははっとする。
敵がネットの向こうで構えている。
周囲には観客の群れ。
僕の汗ばんだ手にはボールが握られていた。
サーブ前の20秒が永遠に感じられる。
ボールをゆっくり投げた。
黄色のボールに太陽の光が重なる。
僕はクラっとして崩れ落ちた。
ドサッ、ゴチン!!
僕はベットから転げ落ちて盛大に頭を打った。
「痛っ!?」
時計を見るとすでに5時。
「ヤバい、学校の宿題終わってないよ。でもお腹も空いたし……」
僕は自分で言うのもなんだが、朝起きてから夜寝るまでテニスのことが脳の8割を占めるようなテニスバカだ。
全国出場の『あゆ兄』のプレイのかっこよさに憧れて小学4年の頃から続けている。
もちろん学校の宿題もご覧の通り全く手をつけない。
僕は諦めてリビングに向い牛乳をコップに注ぐと一気飲みをした。
そこにあゆ兄が現れた。
「あゆ兄、おはよー」
「おはよう、夏美。すぐに朝ごはん作るから顔洗ってこい」
あゆ兄は僕の憧れだ。
毎日コツコツ練習して、中学3年のときにジュニアの全国大会でベスト4に入る実力者だった。
だけどあゆ兄は高1の全国大会を間近に控えた夏に突然やめた、否やめざるを得なかった。
両親が死んで4人の妹の世話をするようになったからだ。
親戚は僕たち姉妹を分けてはどうかと提案してきた。
姉妹であゆ兄にそれは嫌だ、と言うと苦笑いしながら了承してくれた。
当然あゆ兄はテニスを辞める必要もあった。
僕は罪悪感のあまりテニスを辞めると言い出したら手刀をくらった。
その時の兄さんの目は今までにないほど真剣だった。
(『夏美が好きなものを諦めないためにも兄貴頑張るから』か……)
僕は顔を洗いながら昔言われたことを頭のなかで反芻し、恥ずかしさのあまり顔が熱くなる。
(あゆ兄が叶えられなかった夢を僕が叶えてみせる!)
朝食をとって、支度を終わらせると机にあった宿題を置いて僕は家を出た。
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