リトルシスターズ!
第5話 「はやく開けてっ!」
午後6時、冬香と帰宅すると家の前で春菜が右往左往していた。
「兄貴〜〜〜〜〜、鍵家に忘れて入れない、はやく開けて!」
「『はやく開けて』じゃない!あれほど鍵を肌身離さず持てって、言っただろ!」
俺は春菜の頭に軽く手刀をあてる。
確かに俺も小学生くらいまでは鍵を忘れることはあったのでこれ以上怒る気はない。
「まあ、だとしてもインターホン押せば秋穂が開けてくれるだろ」
ドアを開けてもらって入っても、秋穂はすぐに部屋に引き返して出迎えてはくれないが。
「それが何回押しても出ないんだよ……」
「おかしいですね、秋穂は家にいるはずですが」
俺は悪い予感がしていた。
秋穂はいじめられるようになってから、小学校にはいかなくなり家に閉じこもるようになった。
最初は他の姉妹と一緒に夕食をリビングで食べていたが最近は家族の前にすら姿を見せず部屋に閉じこもっていた。
(まさか……な)
秋穂は自分から外に出ることはほとんどないし、お昼寝もあまりしない。
だったら、どうして……。
俺は鍵を取り出しドアを開ける。
「たぶん秋穂、眠ってるんだろ。冬香と春菜は手を洗ったら、洗濯物取り込んどいて」
「わかりました、兄さん」
午後8時、夏美も帰ってきて夕食を食べると、すぐに飯を持って秋穂の部屋に行った。
「秋穂、飯持ってきたから食べろよ」
「……わかった」
俺は飯と一緒に手紙を置いて、戻った。
夜10時、一通りの家事をこなして秋穂の部屋に向かおうとすると、窓の外に誰かいることに気づいた。
「夏海、こんな時間まで何してるんだ?」
「アユ兄、素振りしてるところなんだ」
「練習もいいが、風邪引くから家にはやく入れ」
「わかってるけど、もう少しだけ、お願いっ!」
俺は溜息をつく。
「ダメだ、体調崩して練習できなかったら本末転倒だろ」
「アユ兄のケチっ!ベー、だ」
夏美は舌を出し少し怒り気味で部屋に入った。
(ここのところ、夏海の練習量が多すぎる気がするな……)
俺が秋穂の部屋の前に置かれた食器を片付けると、お盆の上に手紙が置かれていることに気づいた。
手紙を開いて中を読む。
(やっぱり……)
俺の考えてたことは的中していた。
(これは二人だけのときに話し合おう……)
夜11時、俺は明日もやることがたくさんあるな、とつぶやきながら寝た。
「兄貴〜〜〜〜〜、鍵家に忘れて入れない、はやく開けて!」
「『はやく開けて』じゃない!あれほど鍵を肌身離さず持てって、言っただろ!」
俺は春菜の頭に軽く手刀をあてる。
確かに俺も小学生くらいまでは鍵を忘れることはあったのでこれ以上怒る気はない。
「まあ、だとしてもインターホン押せば秋穂が開けてくれるだろ」
ドアを開けてもらって入っても、秋穂はすぐに部屋に引き返して出迎えてはくれないが。
「それが何回押しても出ないんだよ……」
「おかしいですね、秋穂は家にいるはずですが」
俺は悪い予感がしていた。
秋穂はいじめられるようになってから、小学校にはいかなくなり家に閉じこもるようになった。
最初は他の姉妹と一緒に夕食をリビングで食べていたが最近は家族の前にすら姿を見せず部屋に閉じこもっていた。
(まさか……な)
秋穂は自分から外に出ることはほとんどないし、お昼寝もあまりしない。
だったら、どうして……。
俺は鍵を取り出しドアを開ける。
「たぶん秋穂、眠ってるんだろ。冬香と春菜は手を洗ったら、洗濯物取り込んどいて」
「わかりました、兄さん」
午後8時、夏美も帰ってきて夕食を食べると、すぐに飯を持って秋穂の部屋に行った。
「秋穂、飯持ってきたから食べろよ」
「……わかった」
俺は飯と一緒に手紙を置いて、戻った。
夜10時、一通りの家事をこなして秋穂の部屋に向かおうとすると、窓の外に誰かいることに気づいた。
「夏海、こんな時間まで何してるんだ?」
「アユ兄、素振りしてるところなんだ」
「練習もいいが、風邪引くから家にはやく入れ」
「わかってるけど、もう少しだけ、お願いっ!」
俺は溜息をつく。
「ダメだ、体調崩して練習できなかったら本末転倒だろ」
「アユ兄のケチっ!ベー、だ」
夏美は舌を出し少し怒り気味で部屋に入った。
(ここのところ、夏海の練習量が多すぎる気がするな……)
俺が秋穂の部屋の前に置かれた食器を片付けると、お盆の上に手紙が置かれていることに気づいた。
手紙を開いて中を読む。
(やっぱり……)
俺の考えてたことは的中していた。
(これは二人だけのときに話し合おう……)
夜11時、俺は明日もやることがたくさんあるな、とつぶやきながら寝た。
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