花飾らない恋

ノベルバユーザー312049

七星 海

リンゴーンとチャイムが鳴る、

それと同時に少年は起き上がる。

海「なぁ、次の授業何」

珠璃「名前で呼んでおくれよ、私にも海ちゃんみたいな素敵な名前がついているのだからさ」

海「いや、でも」

珠璃「ほら、海ちゃん早く」

海「・・・珠璃」

珠璃「なんだい海ちゃん!」

少女はニマリと満足そうに笑う、少年は恥ずかしそうに顔を覆っている

珠璃「それでなんだって海ちゃん」

海「聞いてないのかよ!」

珠璃「そりゃ海ちゃんがかわいいからねぇ」

海「そりゃ、そうかい、」

少年はため息をつく、口元が緩んでいるが、多分嬉しかったのだろう

海「それで次の授業はなんだって聞いたんだよ」

珠璃「ああ、次は体育だよ」

海「体育?は?こんなタラタラしてる場合じゃないだろ!ほら行くぞ!」


2人は体育館へ急いだ、


海「眠いなぁ」

珠璃「君は怠惰だなぁ」

海「人類は眠気に勝てないの」

珠璃「じゃあ私が眠気を飛ばしてやろう」

海「は?」

少女はゆらりと立ち上がる、そして

珠璃「怨むなよ?」

パンッと、少年の頬を平手打ちした、そうとう思い切りやったのだろう、少年は吹き飛ぶ、3mほど転がったかと思うと、飛び起き

海「なにをする!」

珠璃「起こしてやったんだ、怨むなといったろ?」

海「俺は許さないからな」

珠璃「じゃあ私をたおしてみるんだな、今日は何にしようか、組手、柔道、すもう、なんでもいいぞ?」

海「今日は、ジャンケンだ、」

珠璃「ふむ、いいだろう、ルールは」

海「3本先取」

珠璃「よしきた、」

2人は向かい合う、謎の緊張感が漂う

海「じゃん、けん、ほい」

珠璃「私の勝ちだな」

海「まだだ、じゃん、けん、ほい!」

珠璃「・・・私の勝ちだぞ、まだやるかい?」

海「・・・あ、当たり前だ、最後、じゃん、けん、ほい!」

珠璃「ほーらみろ、私の勝ちだ」

少女の3連勝、少年はうなだれる、

珠璃「まぁ、思い切りはたいたのは謝るよ、済まなかった」

海「いや、まぁ、うん、ありがと」

少年はなすがままに撫でられている、

なでなで

海「・・・」

なでなで

海「おい、珠璃、」

なでなで

海「珠璃!おい!」

珠璃「はっ、すまん、海ちゃんが可愛すぎてつい」

海「な、かわいいていうな!」

先生「おいお前ら、そろそろ終わりだぞ」

珠璃「あ、すみません、今戻ります」

先生「お前ら2人はほんとに仲いいよなぁ、」

海「そんな!こと、」

先生「どうかしたか?」

海「いや、そこまで仲良かったかなって、ははは」

先生「ああ、仲良く見えるぞ、羨ましい限りだ、さぁ早くもどるぞ」


 教室に戻って来て、少女は問いかける

珠璃「危なかったな海ちゃん」

海「なんだよ」

珠璃「いや、さっきとっさに「そんなことない」と応えようとしてたろう?」

海「べつに、」

珠璃「嘘にならなくてよかったなぁ」

少年の能力は「嘘無き」、とっさについた嘘を真実にする能力、

珠璃「大好きなのに関われなくなるところだった」

「仲がいい」に「そんなことあるわけが無い」そう咄嗟に・・・答えてしまえば、もちろん、仲が悪くなる、そして嘘をつく部分が2人の関係に限定されるため、お互い嫌いではないのに関わりにくくなってしまう、

珠璃「踏みとどまってくれてありがとう」

海「まぁ、こちらこそだけどさ」

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