作成中止

はうたゆしか

71 追い


「結界が弱いぜぇ」

アレンが結界を強化しようとすると、脇腹から流れる血がさらに吹き出る。

「っ……くそっ」

パリンっ!

結界が破れる。

「…視力が戻ってきた」

アレンは静かに目を開ける。

「油断するなぁっ」

光線が男の指から再び飛ばされる。

アレンは男の指が光った瞬間横に飛び、体をずらす。

「さすがムクロ先輩をやっただけあるなっ光をかわすなんてよっ」

「そりゃ、どうも…」

アレンは肩で息をしている。

(長期線は無理だな…)

抑えている脇腹に目をやる。

(スピードもパワーも兼ね備えた敵…)

「お前っ、書物もってねぇなっ?」

男はそう言うと体が光り始める。

「━っ、まずい!」

「さよならの前に名前だけでも教えてやんよっ」

「待てっ……」

「俺のなはライマ。いつかお前を必ず仕留めるからなっ」

ライマは消えていった。

シオンを追ったか、リタの方へ行ったかはわからない。

(逃がしたらまずい敵を逃がした…)

光のナタストーンはかなりランクも高い。

アレンは血を失いおぼつかない足取りの中、シオンを追った。


「サヤ姉!敵は追ってきてる?」

トエムとサヤカは一緒にリタのもとへ急いでいた。

「来てないわ。私たちは上手くまいたようね」

「みんな無事ならいいけど…」

休まず走る。

「ミヅキは見える?」

「見えてる。でも、追いつくのは難しそう。会うのはバーになると思うわ」

サヤカとトエムは後ろは振り返らず、真っ直ぐミヅキとリタを目指す。

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