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63 キョウガからの土産
「どういうことです?なぜ、キョウガさんがアレンさんにそんなことを?」
マギはアレンの右目を見つめる。
「さあな…」
                                  *
「なぜ一族を抜けた、アレン。本家の長男のお前が」
キョウガと再会したのは一族を抜けて5年後だった。
「たいした理由はねぇよ」
「お前はどこまで知っている。ルチャルドの…フウレンの闇を」
「闇…?」
アレンの頭にクエスチョンマークが浮く。
「…そうか、知らねえか。なぁアレン」
キョウガは一方的に話を進める。
「傭兵として生きて、勇者として死んでいく、王族を守るためのルチャルド一族をお前はどう思う」
キョウガの目がアレンを射抜く。
「守りたいもんを守れたんならいいんじゃねぇの?」
アレンはキョウガに答えた。
「ルチャルド一族が代々守ってきたのはそんな小せぇもんじゃねえけどな?」
アレンはキョウガにそう言った。
「…じゃあ、俺らは。ルチャルドの血はなにを守ってきたんだ」
キョウガが静かに問うとアレンは答えた。
「━━━━━━━━━━━。」
それを聞いたキョウガの目は、なにかわだかまりが取れたように透き通った。
「…てめぇに土産だ」
キョウガはナタストーンをアレンに見せる。
「その色…っ」
世界的に珍しい、“結界”のナタストーン。
キョウガは念力のナタストーンの力でアレンを押さえつけた。
「………!!」
アレンの記憶はそこで途絶えた。
                                 *
「目が覚めたら、右目に結界の力が宿っていた」
「どうして、キョウガさんはそんなこと」
「さあな」
ールチャルドの…フウレンの闇。
アレンは屋敷を見渡す。
「カタートニーの情報もだが、俺は一族の情報も欲しい」
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