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はうたゆしか

60 元王宮


「ここが、カタートニー元王宮か」

ミヅキ、サヤカ、トエム、オルは元王宮の近くまできていた。

「いい?ミヅキ、トム。絶対騒がないでね」

サヤカが2人に釘を刺す。

「わかってるっ。そんなヘマはしねえぞ」

ミヅキが言う。

王宮の周りは随分厳重に見張りされている。

「オル、入口は他にないのか?」

「抜け道が1つ。正門の裏です。行きましょう」

オルについて行き、王宮の裏へまわる。

王宮の外壁にオルが触り、何やら探る。

「ここだ。皆さん、少し狭いですがここを抜けます」

縦横1mほどのトンネルが現れ、4人はそこを通って王宮の中へ入る。

「この先見張りは2人。なるべく戦闘は避けていきましょう」

サヤカが透視を使い、皆を先導する。

「情報庫と、王室は最上階の3階です。この道を抜けて右に曲がった所の階段を登ります」

「階段は見張りが特に厳重ね…どうしよう」

「階段はひとつしかないのか?」

「はい、そこしか…」

「む~…」

ミヅキも考え込む。

「よし、じゃあ俺が大火事にならないくらいの火を反対側で起こす。それで見張りがあっちにいったら儲けもんだ」

ミヅキはそう言い、目をつむった。

「うわっ、火!?」

「火事だ!!」

王宮内がだんだん騒がしくなった。

「……いった!階段の見張りが消えたわ!」

サヤカが透視し、抜け道を抜けて階段をかけ上がる。

「っしゃ!3階までかっ飛ばすぞ!!」

「ストップ!ミヅキ、トムっ!!」

「へ?」

ミヅキとトエムは片足を上げたまま止まる。

「動かないで、絶対に!」

サヤカが床に目をこらす。

「なんだよサヤカ~」

「おいサヤ姉。先頭を行きたいからってそれはよくないぜ」

「あんたみたいに目立ちたがり屋じゃないわよトム。あんたらには見えないと思うけど、細い糸みたいなのがひいてある」

そう言われ、ミヅキもトエムも目を凝らすが見えない。

「身動きがとれない…」

ミヅキらは2階で行き詰まる。

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