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はうたゆしか

34 アレンvsイェーガの男


「早く追わせてもらう」

男は手から火柱を出し、狭い洞窟の中で放つ。

「くらうかよっ」

アレンが左手で空を切ると、爆風が起こって火が一瞬で消えた。

「なるほど、石の1つ目の能力は“風”」

男はそう呟く。

(目の色からすると、左目は雷か)

アレンは自分の拳に電流を流す。

青白くバチバチと光る拳で男に突っ込んでいく。

「2つ目は“雷”……」

バリバリバリバリっっっ!!!

俺の拳とぶつかる。

男の拳も青白い。

アレンはすかさず次の手を打つ。

男の両脇にある岩が、地面から剥がれて男に向かって飛んできた。

「3つ目、“磁力”」

男は向かってくる岩の前にさらに大きな岩を地面から出し、アレンが引き付けた岩を止めた。

「っち、岩のナタストーンか」

アレンは小さく舌打ちをし、男が出した岩を磁石化して男を挟もうと試みた。

「その手も効かぬ」

岩が男の手前で沈む。

砂の力のナタストーンと、水のナタストーンで沼を作り、中に沈めたのだ。

「らちが明かねぇ」

雷の力をもっと使いたいが、電気石の力を制御しているため余り使えない。

「お前たちの望みはなんだ」

こおりのつぶてを飛ばされ、アレンがかわす。

(っち…マグマがねぇと氷には対抗できねぇ)

「石を返せ。お前らは何で石を集めてる」

持ち前の動体視力とバランス力で、見事にこおりのつぶてを捌ききる。

「世界平和のためだ」

「っち!!」

足元を見ると、足が沼に取られている。

イェーガの男は、石を1度にいくつ扱えるのか検討もつかない。

「手強い敵だと思っていたが、案外そうでもないらしい」

男は手から1mほどの鉄のハリをだす。

「“鉄”のナタストーン…」

アレンの足を捕える沼がさらに深くなり、肩まで埋まる。

「手が使えないならば、石の力は使えまい」

ナタストーンの能力を操るのは、基本手だ。

「安心しろ、半殺しだ。殺しはせん」

鉄で出来た2本のハリがアレンの両肩に向かって飛んでくる。

「……!!」


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