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はうたゆしか

32 目指せ洞窟


「なんで、そんなすごい人の護衛をお前なんかが!!」

「うるせえ、俺だって一応一流の護衛屋なんだよ!!」

2人の言い合いが始まるたび、サヤカのゲンコツが炸裂する。

「じゃあ、そのリタって子を救出しに行かないといけないのか」

「そう!だから、俺もついて行く」

アレンにトエムはドヤ顔で言う。

「来るのは構わねえが、自己責任だぞ?」

「大丈夫っすよ、アレン隊長!護衛屋ってのは自己防衛がなによりも得意っす!」

「ハイハイじゃあ行くよ」

アレンはトエムに呆れ、一行は先を急ぐ。

「イェーガのやつらがどこにいるかお前知ってんのか、トム」

「ナパには村が1つしかないだろ?だから、村とか人が住むような場所じゃない」

トム、と呼ばれることを認めたトエムは先頭を歩く。

周りの景色はだんだん熱帯雨林に囲まれだした。

「やつらは何人ナパの基地にいるかわからないけど、この先の洞窟にリタ様がいる」

「トエム、あんたは行ったことあるの?」

サヤカにきかれ、トエムは頭を横に振る。

「行ったは行った、リタ様をさらわれてすぐにね。でもあの洞窟は電気石でできててよ」

「電気石って?」

ミヅキがシオンにきく。

「簡単に言えば、電気に包まれてる石。つまり、今から行く洞窟に普通の人が入れば感電するし、そもそも入れない」

「どうすんだよじゃあ!」

「俺がいるからそこは心配するな」

アレンが透明に光る、青白いナタストーンつきのネックレスを見せる。

「なるほどなるほど」

熱帯雨林を進んでいく。

「うっお、でっけえクモ!!サヤカ、お前ペットはクモがいいんでしょ?」

ミヅキがサヤカに大きいクモを投げる。

「い″やあ″あ″あ″あ″ぁぁぁぁあ!!!」

飛んできたクモをサヤカが拳で殴りつけ、近くの木に当たって落ちる。

「なにも、そこまでしなくても……」

ミヅキが苦笑した。

「あんったのせいでしょ!しょうもないことすな!クモに謝れ!!!」

「おーい、早く行くぞ〜」

「ほんとにうるさい…」

適当に流すアレンと呟くシオンをトエムは少し楽しそうに見ていた。


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