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取り扱い説明書

増田朋美

第四部 これからを生きる皆様へ 

今までは引きこもりになってしまった私の事を書きました。
これからは、これからを生きていくみなさんへ、人生というモノに敗北してしまった私から、皆さんが敗北しないように必要なものを書きます。私は、これを敗北して初めて知りました。しかしそれでは遅すぎます。なので、早いうちから、これらの事を身に着けて生き抜いてください。
今までにも述べてきましたが、人生は負けてはいけません。
一度でも負けたら二度と立ち上がれないのが今の社会です。
だから負けないように、対策を取っておく必要があるのです。
もう一度言いますが、人生は一度躓いたらすべておしまいです。
そうなったら、親から恩恵を受けるしかできない、悪人として生きていくしかありません。其れは、普通に生きる事よりはるかにつらく、苦しく、悲しくそして、寂しいものです。日本は少数派に考慮してくれることはできません。幸せになりたいのなら、多数派に交じって生きていくより方法はないのです。
ここから先は、これからを生きていく方々のために、若いうちに獲得しなければならないことを書きます。これらがなければ、この時代を生き抜くことはできません。最期に、大往生のような形で終わることを考えているのなら、どうぞ、これらのすべを身に付けるようにしてください。
まず初めに、一番大切なことを書きます。
今の時代、一番大切なのは、自分をとおすことではありません。
自分を守る事でもありません。
若いときは、自分を持たないほうが勝利であると言っても過言ではないのです。
自分を押し通してしまわずに、できるだけ周りに順応し、トラブルを起こさない。
これが、一番大切なことです。
つまり、この環境はこうである、と受け入れて、それに従って行動することなのです。
どうしても苦しいと思ったら、こう考えてしまいましょう。ここは仮の世の中であり、自分はここにいるだけである。私が、本領発揮する場はほかにもある。幸い、サークルや部活動は豊富に用意されています。そういう場所は、インターネットでも得る事ができます。
今は苦しくとも、楽しい時間はいずれやってきます。苦しみの後には必ずやってくると信じて耐えましょう。そうすることによって、自分が強くなることもできます。この世界、弱さを見せたら負けです。だから、常に自分を強く見せることも必要なのです。
敗北者の私が言うのもなんですが、人生は容易く変えることはできません。周りの人は変えることはできません。ただ自分が変わるというのも非常に難しいと思います。そうなったら、こう考えてください。私が、仏教のサークルで教わってきたありがたい教えです。人間にとって、出来ることは、事実に対しどう動いたらいいのかを考える事。これを最優先にしてください。環境も、事実もただあるだけの事です。だからそれに対してどう動くかを考えてください。もしひどいことを言われたらどう動くかを考えてください。それがきっと、順応していくという事につながるのだと思います。
そしてもう一つ重要なものは、感情をコントロールする技術を早く身につけることです。たぶん、そのうち、これも必要なくなる時代が来るのではないでしょうか。世間では、感情的な人を、HSPなどと名付けて障害者扱いするようになっています。きっとそのうち、健常者というのは、ただ、生きているだけのロボットみたいな人の事をいう時代も遠くないでしょう。でも、それだけ豊かになってきているという事ですから。きっと私たちはより過ごしやすくなるでしょう。そうなると、余計に、感情豊かな人は、ますます阻害されて、そのうち差別的に扱われていくと思います。
ですから、感情のコントロールを早く身に着ける必要があるのです。時には医薬品に頼っても構わないので、出来るだけ感情をあらわさずに、要点を伝える技術を身に着けてください。そして、出来るだけ、感情を消して生きていくことが、トラブルを起こさない秘訣になるのです。
とにかく、これからを生きていくためには、トラブルを起こさず、しずかに生きていくことが一番大切なのです。其れを破ってしまうと、周りの方に多大な迷惑をかけてしまうことになります。其れは、やってはいけないのですから。できるだけ、私たちは黙って、しずかに生きていくことが、一番大切なのです。
生きていくことは、目の前の事実に対してどうすればいいのかを考える事だけです。
そして、それに合わせて意識を変えていき、順応すること。
そこには、自分という概念はいりません。
それを忘れないでください。
若いうちは、自分を持たないほうが勝利なのです。
それを積み重ねた結果、自分というものができていくんだと思います。若いうちから自分の事を考える必要はありません。其れよりもいかにトラブルを起こさず、黙って静かに生きることができか、が、人生の勝利にかかってくるのです。
人生は負けたらおしまいです。

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