取り扱い説明書
うるさいなかでも味方があった
とにかく、高校はひどいところでした。日本の高校はどうしても中学時代の偏差値というか、内申点で決まってしまう所ですから、其れがどうしても生徒の扱い方を変えてしまうのでしょう。できのよいというか、点数がいい生徒には、とても良い扱いをするのですが、悪い生徒には、どうしても学校の邪魔者的な扱いをしてしまうんでしょうね。そういうのも、ある意味人種差別と同じなのかもしれません。そういう風に、子どものときから、順位をつけてしまうと、なんだか劣等感を与えられて、一生取れない傷を残すこともあるのかもしれません。そして、大人なんて信じるものか、というような気持ちが沸いてきてしまうのでしょう。それでスカートを短くしたり、学校に化粧をしてやってくる生徒が出てしまうのでしょうね。私が行った学校はそういう生徒ばっかりだったんです。みんなスカートをお尻が見えるまで短くし、逆に男子はお尻が見えるまでズボンを下げて、ワイシャツをブレザーからだし、ネクタイはゆるゆるに結び、髪を金色に染めて、ワックスをつけて化粧をし、という所でした。単なるおしゃれなのか、反抗心なのか、其れは分かりません。
そして、Eの口でAと無理やり発音するような汚い日本語が飛び交い、まるで壊れたテレビを、一日中見せられるような音声が、ずっと流れているような、そんな世界でした。
つまり、動物園の猿山とほとんど変わらないような、そういう世界だったわけです。高校は。
とても、勉強なんてできるところではありません。だって、授業ではしゃべっている声がうるさすぎて、先生がしゃべっている声が聞き取れないのです。まあそれでも、私は好きな科目があって、幸いその科目では、比較的うるさい生徒はいなかったのですが、必須科目のときはひどいものでした。もう、ギャーギャー、ワーワー、しゃべっている声、イヤホンから聞こえてくる大きなおと、携帯でメールを打っている音。取り上げられても、平気な顔してメールを打ち続けるのです。
何なんだろう、と思いました。とりあえず、吉原高校は、母の代では名門とされる高校でした。私の、ピアノの先生の娘さんが通っていた時も、そこまでひどくなかったと言います。そういう過去の栄光もあって、私は初めのころ、学校が苦しいと訴えても、いい高校だったからという事でかたづけられてしまって、信じてもらえませんでした。
そんなわけですから、真剣に勉強したいと思っても、その気持ちはどこかへ消えてしまいました。それをすればするほど、猿のような同級生から、嫌がらせをされたりしますから。
それを動かすために、先生たちも必死だったんだろうなと思います。何とか黙らせること、こっちを向かせることに一生懸命あらゆる手立てを使っていました。机を大音量でたたいたり、生徒を廊下へ立たせたり、携帯電話を取り上げたり。中には、やくざの親分みたいに、大声で怒鳴りつける先生も多かったです。本当に教師というよりかは、やくざと言ったほうがいいくらい汚い言葉を使い、生徒をだまらせた先生もいました。
ただ、力はないというか、あえてこういう生徒たちを放っておいて、自身の授業を続けていく先生もおられました。すぐに怒鳴るという事はせず、もう、放っておいて、ついてくる生徒だけついてこさせればいいと。でも、そういう先生の授業ですと、隣で携帯でしゃべっている生徒の声に負けて、聞き取れないことがざらにあったので、私は、授業が終了した後で、質問に訪れた事があります。その先生は、英語の先生でしたが、このことから仲良しになり、私の事を最後まで応援してくださいました。担任ではありませんでしたが、アメリカ合衆国に長く暮らしていた先生だったせいか、非常に自由な先生で、進路も生徒任せ。そういうところも、生徒を教育していないダメな先生と言われていて、嫌われ者ではありましたが、そういう態度でいいのではないかと私は思います。
また二年生のときから担当になってくださった体育の先生も、私にとっては強い味方になりました。体育の先生ではありましたが、一年間胃癌で休職した経験があり、授業の実技的なことはやれない、というハンディがある先生でした。でもしっかりと、生徒一人一人に声をかけてくれて、出来ない人にはこうしたらいいという、アドバイスもくれたりしました。ただ、体の事があり、どうしても口だけになってしまって、実際にプレーすることができない先生でしたので、やっぱりほかの教師からは、嫌われていましたけど。
そういう風に、少なくとも二人の先生は味方になってくれました。担任が私やほかの生徒を甘やかすなと怒鳴りつけたりもしていたようですが、二人の先生は、其れは間違いだと気が付いてくれていたようです。
しかし、学校は相変わらず猿のような生徒ばかりで、其れを統制するために、先生たちの暴言は日増しにひどくなりました。特に三年生になるとこれまで以上にひどくなりました。そのあたりは、次のページで描こうと思います。
そして、Eの口でAと無理やり発音するような汚い日本語が飛び交い、まるで壊れたテレビを、一日中見せられるような音声が、ずっと流れているような、そんな世界でした。
つまり、動物園の猿山とほとんど変わらないような、そういう世界だったわけです。高校は。
とても、勉強なんてできるところではありません。だって、授業ではしゃべっている声がうるさすぎて、先生がしゃべっている声が聞き取れないのです。まあそれでも、私は好きな科目があって、幸いその科目では、比較的うるさい生徒はいなかったのですが、必須科目のときはひどいものでした。もう、ギャーギャー、ワーワー、しゃべっている声、イヤホンから聞こえてくる大きなおと、携帯でメールを打っている音。取り上げられても、平気な顔してメールを打ち続けるのです。
何なんだろう、と思いました。とりあえず、吉原高校は、母の代では名門とされる高校でした。私の、ピアノの先生の娘さんが通っていた時も、そこまでひどくなかったと言います。そういう過去の栄光もあって、私は初めのころ、学校が苦しいと訴えても、いい高校だったからという事でかたづけられてしまって、信じてもらえませんでした。
そんなわけですから、真剣に勉強したいと思っても、その気持ちはどこかへ消えてしまいました。それをすればするほど、猿のような同級生から、嫌がらせをされたりしますから。
それを動かすために、先生たちも必死だったんだろうなと思います。何とか黙らせること、こっちを向かせることに一生懸命あらゆる手立てを使っていました。机を大音量でたたいたり、生徒を廊下へ立たせたり、携帯電話を取り上げたり。中には、やくざの親分みたいに、大声で怒鳴りつける先生も多かったです。本当に教師というよりかは、やくざと言ったほうがいいくらい汚い言葉を使い、生徒をだまらせた先生もいました。
ただ、力はないというか、あえてこういう生徒たちを放っておいて、自身の授業を続けていく先生もおられました。すぐに怒鳴るという事はせず、もう、放っておいて、ついてくる生徒だけついてこさせればいいと。でも、そういう先生の授業ですと、隣で携帯でしゃべっている生徒の声に負けて、聞き取れないことがざらにあったので、私は、授業が終了した後で、質問に訪れた事があります。その先生は、英語の先生でしたが、このことから仲良しになり、私の事を最後まで応援してくださいました。担任ではありませんでしたが、アメリカ合衆国に長く暮らしていた先生だったせいか、非常に自由な先生で、進路も生徒任せ。そういうところも、生徒を教育していないダメな先生と言われていて、嫌われ者ではありましたが、そういう態度でいいのではないかと私は思います。
また二年生のときから担当になってくださった体育の先生も、私にとっては強い味方になりました。体育の先生ではありましたが、一年間胃癌で休職した経験があり、授業の実技的なことはやれない、というハンディがある先生でした。でもしっかりと、生徒一人一人に声をかけてくれて、出来ない人にはこうしたらいいという、アドバイスもくれたりしました。ただ、体の事があり、どうしても口だけになってしまって、実際にプレーすることができない先生でしたので、やっぱりほかの教師からは、嫌われていましたけど。
そういう風に、少なくとも二人の先生は味方になってくれました。担任が私やほかの生徒を甘やかすなと怒鳴りつけたりもしていたようですが、二人の先生は、其れは間違いだと気が付いてくれていたようです。
しかし、学校は相変わらず猿のような生徒ばかりで、其れを統制するために、先生たちの暴言は日増しにひどくなりました。特に三年生になるとこれまで以上にひどくなりました。そのあたりは、次のページで描こうと思います。
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