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水魔法は最弱!?いえ使うのは液体魔法です

S・R

3話 邂逅2

「余が貴様を勧誘する真の目的は.......」

 ゴクリ.......そんな音が聞こえた気がした。
 それ程までに、俺は緊張しているのだろう。
 何を言われるのだろうか。

「.......だって、聖神側の勇者を勧誘して、魔神側に引き入れるという展開.......燃えるではないか!貴様もそう思うだろ!?」
「.......!?確かに!その展開は燃えるな!」
「そうだろう!そうだろう!」

 目の前の魔神様は何度も頷きながら、俺を勧誘する理由を熱弁していた。
 話を聞いていて分かったのだが、この魔神様は俺が元いた世界のラノベを読み漁っており、それに影響されたようなのだ。

 まぁ、この展開も物語では、よくある話だよな。

「それに.......貴様には特殊な能力を生まれつき持っているようだしな」
「.......」

 その言葉に、俺は少し心臓が跳ねた。
 まぁ、仮にも神を名乗る存在なのだから、それくらい気づいていてもおかしくは無いか。

「確かに、特殊な力は持っているな」

 俺が持っている力は、相手の感情を色で判別することが出来る能力だ。
 あとは、動体視力が常人の倍以上にであったり、たまに数秒先の未来を覗くことが出来る。
 .......あれ?よく考えたららめちゃくちゃ強い能力じゃね?生まれつき持ってたから、気にしたこと無かったわ。

 それに、人の嘘とか悪意とかには、すぐ気づいてしまうから友達とか作れなかったし.......いや、武田と神乃は良い意味でも悪い意味でも裏表が無かったから、普通?の友達にはなれたな。

「その力を思う存分に使ってみたくはないか?もし使える場所があるのなら、さぞ楽しかろう」
「.......かもな」

 つまり、あれか?勧誘を断ったら俺はぶち殺されて、勧誘を受けたら魔神側に付く代わりに殺されずに、そのまま異世界に送り出してもらえる.......という訳だな。

「今なら、異世界でラノベを読むことが出来る能力を付与してやるぞ」
「その話、乗ったぁぁ!」
「うむ!契約成立だな!」

 こうして、俺は美人な魔神との不思議な関係が始まる事となったのだった。



「そんでさ.......聖神側のクラスメイトたちはスキルとか貰ってんだろ?俺には何かないの?」
「だから、ラノベ読み放題のスキルをやると言っているだろう」
「そうなんだけどさ.......やっぱ、異世界に行くなら戦闘に役立つ能力は欲しいじゃん?」

 魔王なんて物騒な存在もいるみたいだし、自分の身くらいは自分で守れるようにはなりたい。

「貴様の転生先の両親の事を考えれば必要ないと思うのだが.......まぁ、欲しいなら良いぞ」
「よしっ!」

 何やら小さな声で呟いていたが、嬉しさのあまり俺はガッツポーズをして右耳から左耳に流してしまった。

「取り敢えず、自分のステータスを見てから選べ」
「.......?了解」

 そんなものまであんのか。


名前:水島 ヒロト
職業:魔法使い
能力:液体魔法

「.......しょぼ」

 異世界転生するくらいだし、もともと凄い才能でもあるのかと思ったが、そんな都合の良いことなんて無いよな。

「そんな悲観することは無い。【液体魔法】は余ですら見たことない魔法だ」
「ふぅん.......そうなんだ」

 なんか、そう言われると嬉しいな.......俺ってチョロい?

「.......余が今すぐ作れるスキルは、これくらいだな。この中から二つだけ選べ。それ以上は器に見合わないからやめておけ」
「了解」




【並列思考】
 自分の思考を複数に分けることが出来る。

【自動回復】
 魔力と肉体の回復速度の上がる。

【基礎能力強化】
 魔力を使用せずに、自身の身体能力や魔力が強化される。

【武芸者】
 武器などの扱いに補正がかかる。
 全ての武器を扱える。




「なんつーか.......パッとしないな」
「文句を言うな。いま作ったものだから、チートスキルは作れん。少なくとも100年はかかるからな」
「うへぇ.......100年とか気が遠くなるような時間だな」

 まぁ、それなりに強そうな能力だし、贅沢を言うのは止めよう。

「取り敢えず、魔法について教えてくんない?」

 自身の能力のことすら、よく知りもしないで、今すぐにスキルを選ぶのは得策ではない。
 だから、色んなことを聞くことにしよう。

「うむ。構わんぞ」

 そして、俺は色んなことを聞きまくった。



 約2時間後.......

「こんな事で2時間も使ってしまうとは.......」

 なんか、言ってるな。

 確かに、思っていた以上に時間がかかってしまったが、有意義な時間を過ごせた。
 ちなみに、この魔神はノワールという名前らしい。

 思っていたよりも、可愛らしい名前だな。

 そして、俺は直ぐに能力を選び、異世界へ旅立ったのだった。

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