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水魔法は最弱!?いえ使うのは液体魔法です

S・R

2話 邂逅1

「そう.......貴様らを殺したのは余だ」

 な、なんだってー!?.......とツッコミたいところだが、そんな事よりも目の前の美人さんの"色"が気になる。
 .......清々しいほど真っ黒だな。

「貴様.......先程から余をジロジロ見ておるな。まさか.......欲情しているのか?」
「ん?違う違う。気になる事があってな」

 黒なんて今まで数え切れないほど見てきたが、目の前の美女の黒は何と言うか.......黒よりも更に真っ黒な黒みたいな感じがする.......自分で言ってて意味が分からんな。

「それはそれで何かムカつくな.......よし」

 なんか、ニヤニヤしてるな。
 アレはイタズラをする時に、子供が見せる笑みだ。

「.......私に欲情してくれないのですか?」

 目の前の美女は目をウルウルさせながら、頬をほんのり赤く染めて先程の話し方で言ってきた。
 つか、イタズラ心丸出しだから、俺には効かんぞ。

「ちっ.......貴様は男色だったのか!おのれ!謀ったな!」
「いやいや、俺は男色じゃねぇよ!ノーマルだ!つか謀ってねぇし!」

 こいつから見える"色"は、殺意などではなく純粋なる悪意やイタズラ心だけだ。
 つまり、中身はただのガキである。

「まぁ、良い。余は寛大な心を持っておるからな。許してやろう」
「許してやるも何も、俺は悪いことしてねぇぞ」
「.......それでは本題に入ろう」

 こいつ.......俺の話を全く聞いてねぇ。

「余の目的は貴様ら勇者の抹殺だ」

 .......は?

「貴様らは約一月後に異世界へ召喚され、異世界にて勇者になるはずだったのだ」
「な、なるほど?」

 なんか、死んだ後に真っ白な不思議空間に来るくらいだから、異世界とかあってもおかしくは無いのかな。
 つか、勇者って.......ラノベかよ。

「うむ。余もそう思うぞ」

 こいつも異世界小説を読むみたいだな。

「それで続きだが.......貴様らが異世界に召喚されると、余の眷属である魔王たちがぶち殺されてしまうのだ」
「ふむふむ、なるほどね.......ん?魔王が眷属?」

 魔王って普通はラスボスじゃないの?

「余は魔神であるぞ。魔王など、ただのパシリだ.......ほら、パシリが死ぬと困るだろ?」
「そ、そうなのか.......な?」

 つまり、目の前に美人さんは魔王たちの親玉.......言わば、裏ボス的な感じの存在ってことか。

「うむ。概ねその通りだ」
「まぁ、何となく事情は理解したし、今ここで殺したことへの文句を言っても無駄なのは分かるけどさ.......」

 俺には分からないことが一つだけある。

「なんで、わざわざ俺の前に現れたんだ?殺したんだから、それで終わりで良いだろ?」
「まぁ、待て。その理由も説明する」

 そして、魔王の親玉である魔神さんが、俺を呼び出した理由を説明する。
 もしかしたら、俺以外にも個別で呼び出されたかもしれないが、そんな面倒な事をするような人には見えない。

「その理由なのだがな.......聖神側の神々どもが貴様らを転生させたのだ」
「へぇ.......」

 じゃあ、俺も転生することになるのかな?.......でも、魔神側の神様に捕まったわけだし、そんな簡単に見逃してくれるはずないだろう。

「そして、余が貴様を呼び出した目的は.......」

 な、長いぞ.......タメが長い.......!もしかして、俺を呼び出したのには、とても重要な理由があるからなのか!?

「.......勧誘だ」

 .......アレっすか?宗教勧誘的な感じですかね。

「俺は宗教とか興味無いからほか当たってくんない?」
「まぁ、決断は話を聞いてからでも遅くはないだろう?」
「.......まぁ、確かに」

 少しは興味あるし、話くらいは聞いてみよう。

「これから、貴様や他の人間たちが転生する世界には魔法やスキル、そして職業という特殊な力が存在する。それらは全て自然に満ち溢れるマナというものを消費して使う力だ」

 まさに、ファンタジー世界に相応しい世界観だな。
 それに、魔法とか使ってみたい。

「そして、転生時の特典では神から強力なスキルを得ることが出来る。魔法や職業は無理だぞ?何故なら、それは完全に本人の適性や才能に左右されるからだ.......スキルは神お手製の能力だから、器に見合う能力なら付与する事が出来る」
「なるほどねぇ.......そんで、まだ俺を勧誘した理由は説明してないぞ?」
「そうだったな.......ここまでは、これからの説明を分かりやすくする為の前起きだ。余が貴様を勧誘する真の目的は.......」

 そして、俺は目の前の魔神から、恐るべき目的を聞いてしまう事となる.......かもしれない。

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