皇子様にスルーされたら、ヤンデレ騎士?に愛されました

ブラックベリィ

009★召喚された理由はなんでしょう?


 そんな何処かその髪型が胡散臭いなぁ………と思っている私の視線に、ランドール様は苦笑しながら言う。

 「まぁ~…それはね、つまるところ
  だだいま、花嫁募集中っていう
  意味なんですよ

  この髪型もピアスも
  昔からの習慣ですから
  姫も慣れてください」

 花嫁? 花婿じゃなくて?
 なんか、変なコトを聞いた気が………。
 どう言う意味なんでしょうねぇ……いや、マジで。

 アゲハ蝶にバラの花ですから、意味があるんでしょうが………。
 なんか、ソレを聞くと、後戻りできなさそうな気が………。
 ここは、私もスルーしておこう。
 安全第一で、うん、それが1番よね。

 「………」

 微妙な会話をしながらも、ランドール様は私を抱っこしたまますたすたと歩いて行きます。
 デブ……とまでは言いたくありません、けどかなりなぽっちゃり子の私を、軽々と抱っこしているって凄いです………流石、騎士団長様ですね。

 まさしく、肉体(脳筋?)派という感じでしょうか………いや、見かけはスレンダーですよ。
 せいぜいが、細マッチョって感じです。
 モデルやったら、間違いなく頂点に立つ男性ですよ。

 ボディービルは………無理でしょうけど………。
 つーか、あのムキムキの筋肉姿は、ちょっとだけ、苦手なんです、私。

 でも、騎士なのに腰まである青い髪ってどうなんでしょうか?
 長い髪って、ランドール様以外にも居るの?

 そう思ってから、6人の皇子様(仮)も長かったコトを思い出し、む確認の為に前方へと視線を向けてから、私はそれに気付いてしまった。
 
 って、あれ?騎士が両手ふさがってしまうって良いのかなぁ?
 確かに、お子様用たち抱っこされています、なのに………両手で抱っこする意味あります?
 いや、でもお姫様抱っこは、羞恥心が耐えられません、憤死しかねないので………いいんですけどねぇ………じゃないでしょ、私。

 そう思って、あたりを見回すと………。
 周りには騎士様達が、何時の間にか、きっちりと私を守るかのように歩いている………いや、自意識過剰ですよね(恥)。

 騎士団長に侍る為にいるんですよね、理解(わか)ってますよ。
 モブのぽっちゃり子ですからね、6人の皇子様(仮)とその側近達にガン無視スルーされた身ですからね。

 なんて自虐的に思いつつ、思わず無意識に首を傾げてしまった私。
 そんな私に、優しいランドール様が話しかけて来る。
 ああ、そんな慈愛の籠った瞳で見下ろされたら、勘違いしちゃいそうですよ、ランドール様。

 なぁーんて、ちょっと状況に浸るコトで現実逃避している私に………。

 「姫、貴女も正式に召喚された
  人間なんですよ

  また、無理やり境界線を
  捻じ曲げるようにして

  こちらの都合で、異世界から
  貴女達ほ呼んだのです

  他国者や魔族などに
  奪われないように守るのは
  当然のコトなんですよ

  何故そのように不思議そうな
  顔をなさるんですか?」

 ちょっと現実逃避していた私は、強制的に現在進行形の現実界に引き戻される。
 そして、ランドール様の言葉から………。
 私は内心で、あっこりゃ詰んだな…って思いましたよ。

 これは…ヤバイ…ここの人間達は…異世界から召喚した人間を…逃がす気なんて、さらさら無いんだってことがわかりました。
 でも、いったい、何のために、私達を召喚したか聞いていないので予想が付きません。

 勇者召喚でしょうか?
 女勇者って設定も、ラノベではそこそこ見ますからね。
 魔族って言ってましたから、魔王を倒して欲しい………ってヤツでしょうか?

 それとも、聖女召喚でしょうか?
 湧き出る瘴気を浄化して欲しいって………アレですよ。

 それとも、もっともあり得なさそうな………花嫁召喚でしょうか?

 頭をうにうにさせましたが、理由がわからないので、ここは親切そうな騎士団長のランドール様に聞いてみるしか無いですね。
 コミュ障の私にはきついコトですが、頑張って聞きます。

 だって、このまま何時までも、ちょー絶イケメンの腕の中なんて耐えられません。
 ここはたったと召喚理由を聞いて、サクッと解決よ。

 「あっ…あのなんで、私達が
  他国の人達や…そのぉ……

  まっ…魔族なんかに誘拐される
  危険があるんですか?

  特に、私は、見た目も普通だし
  体型的にも、ちょっと……デ…じゃない
  ぽっちゃり子なんですが………

  そういう対象にはならないかと………

  それに、体力は無いし
  まだ、義務教育が終わったばかりだから
  そんなに多くの知識も無い人間です

  そんな人間を召喚する意味って
  あるんですか?

  それと、私達は、こちらの世界に
  召喚された理由が解決した後は
  元の世界に帰れるんですか?」







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