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出無川 でむこ

第11話 ファレスさん?防犯対策はしっかりしましょう、その為のカラーボールです




「っく・・・!」




「おらおら!どうした勇者!!」




(いくら何でも、多すぎる!!!)




現在ファレスは魔族と対立をしていた。


目の前に広がる光景は






魔人の群






上も下も、左右、斜め右上左下


何処もかしこも、魔人!魔人!魔人!




魔人達の咆哮と攻撃が勇者ファレスに雨のように降り注ぐ




その戦力はおよそ1000体!




魔人事態の繫殖は少ないものの一体一体が強力な個体であり、絶大な力を誇っている。


その力は1体の強さに対して、およそ人間の10倍!


10人分の強さを持ち合わせていた。




実質の戦力は人間で言えば、ファレスは現在10000人を相手していることになる。




この場にいるのは、彼女ただ一人、人類最強と言われていた




"ファレス=ロウ=ソレイ《元勇者》"が強大な群と戦っていた。




1対1000




人間に例えれば、1対10000体を一人で相手をしている。




それは勇者だからこそできる事だった、いや元勇者だからこそできる事。


彼女の力は強大過ぎる故に、周りの人を巻き込んでしまう、普段は力を制限していた。




そう、彼女は孤独だ、縛る鎖などはない、戦える仲間などいない。




あの日から全てを失っているのだから。




だから、死ぬの事は恐れる事はなかった、


正直に言えば、彼女は死にたかったのだ




国、村、仲間


彼女を支えるものは無い、心は死んでゆく、いっそうのこと魔物に殺されれば良かったのではないかと頭によぎる




私が動かなくても、"世界"と"時間"は勝手に進み、身勝手な理由で、自然な理由で解決されるのだから


何故そう思うのか、その理由は・・・






彼女がいなくても"新しい勇者"が再び現れるのだから






残酷なことに、彼女が死ぬ前にその"新しい勇者"が現れたのだ。


その勇者はファレスよりも強かった。




ファレスよりも強いと理由で、国は私の事を簡単に切り捨てられたのだ。


二人も勇者はいらないと




国は二人の勇者同時に援助する余裕がない理由でだ。


援助しないと分かれば、仲間は新しい勇者についてゆく、勇者の村と言われた場所は援助する金は絶たれ、その腹いせに追い出される。


皮肉な事だ、結局は世の中はお金で成り立っている。




どんなに感謝されても、どんな輝かしい名誉を与えられても、どんなに頑張っても、どんなに強くなっても、どんなに傷ついても、どんなに努力しても、どんな栄光も実績も転んでも困難に立ち向かっても!




どんなに、どんなに、どんなにも!!!






どんなに救っても・・・






たった一回・・・、たった一回で全てを失った。




ファレスの頭はあの日からずっと思い出すようにループをしていた。




勇者と言っても、所詮は人間であり、まだ15歳の少女


まだ身体も精神も成長の途中の"普通"の少女


だけど、人、仲間、村、国、そして世界は受け入れてくれなかった。




それは勇者になった時からの"運命さだめ"なのだから。




あぁ・・・哀れ・・・実に哀れなことだ。




だけど、彼女はそれでも世界を愛した、この世界で生まれたのだから愛するのも当然だと思っていた。




だから余計に哀れの事だ




彼女は剣を抜く、抜けば戦いの始まる




さぁ、勇者よ、いや元勇者よ!


剣を抜け、そして恐れるものない!すべて失ったのなら、もう何も背負うものはない!




裂け!斬れ!引き裂け!!!




この捨てられても尚、この愛した残酷な世界に剣を振り続けろ!!!


私にできるのはこの聖剣相棒を振り続けるだけだ!




ファレスは叫んだ。


先の見えない戦いで彼女は振り続けた、振り続けるのだ




心が高ぶる




久しく忘れていた血の匂い。




魔人は聖剣に斬られれば、断末魔を叫ぶ




あぁ、これだ、私はまだ勇者なんだ・・・


私は世界に答えなければならない・・・。




「アハッ・・・アハハハ!!」




ファレスの顔に魔人の腐臭がする血がべったりと着く


その状態のファレスは自分を自分で笑った。




笑いが止まらない・・・、そうだよ!


私が戦い続ければまだ勇者なんだ!


何も勇者だというのは、国が!村が!少人数の人が決めるものじゃない!




救えば勇者なんだ・・・!




すると、魔人が叫ぶ




「相手は一人だ!!怯むなぁー!!!」




ウォオオオオオオオオオオ!!!




魔人の咆哮が聞こえる、その咆哮はファレスに向けての咆哮だ。


同時に、魔人の士気が上がる。




相手は所詮一人だと油断をしている。


魔族は一斉に突撃する、勇者は剣を構える。




その姿は可愛らしい少女とはかけ離れた姿だった。




少女は狂気的な笑みを浮かべる。


魔人達は少女の目を見てしまった。




その目には"光"は写っていなかった、


笑みは不気味に口角を吊り上げていた




その姿を見て、ゾッとした。


しかし、攻撃はやめる事ができない、できなかった!


魔人達は己の中にある"恐怖"をかき消すように"叫ぶ"




魔物は勇者に攻撃をするが


その魔物は既に首を斬られて絶命していた。




魔物の首から血が雨のように噴き出す


ファレスは噴き出す血を眺めるように全身にその血に振りかかる


鮮血に染まっていく、それがおかしいのかファレスは笑う。




「アハッ☆」




魔人の攻撃は止まらない


ファレスは魔人に攻撃される


魔人の爪がファレスの肩に命中し、抉れられ血が噴き出す。


しかし、ファレスは気にしなかった。




背負うものなんて、ないんだから、だから自分の身体はどうでもよくなってくる。




その魔物はファレスの聖剣で両断され死亡。


次は脇腹に攻撃を受けて抉れる。


だけど、そのまま両断され死亡




ファレスの周りは血の池が出来つつあった。




攻撃受けては両断され、攻撃うけては両断の繰り返し。


ファレスは徐々に血に染まっていく。




やがて腕はだらーんとぶら下がる、動かせるのは片腕のみ。


所詮、元勇者だとしても人間は人間


最強ではあるが、無敵ではない




魔人は言う。




「ば、化け物がぁ!!」




化け物か・・・、血に濡れていく姿をみれば確かにそうかもしれない・・・


なら化け物でもいい




私は勇者、勇者のファレス=ロウ=ソレイ






だけど勇者の視界は揺らぐ


ここが限界のようだ、




(あぁ・・・、終わるのかな・・・)




勇者はゆっくり目を閉じた。


一匹の魔物が勇者の前に立ち手を振り上げる。




「ったく!手こずりさせやがって!!」




そのまま、鋭い爪を振り落とした。




「・・・?」




勇者は覚悟はしていた、待ち受ける"死"を




だけど、"死"はいつまで経っても迎えに来なかった。


私はゆっくり瞼をあけた。




「な、なんじゃこりゃぁあああ!?目が見えねぇ!!というかくっせぇえええ!?」




そこにいたのは、魔物顔が"オレンジ色"の塗装に染まっていた。


それを拭こうとするが、取れる事はなかった、というか水でも洗い流せないだろう。


魔物は視界を奪われたのだ。




それに加えて、魔人の血よりも凄い悪臭がした。


まるで腐ったチーズが一ヶ月間放置されたような匂いだった。




「え?何が起きているの?」




私の制服を見れば、オレンジの塗装が少し飛び散っているのが分かる。


周りもみれば、それに巻き込まれたように魔人は塗装を落とそうとした。




後ろから誰かが歩いてくる、音が聞こえる。




「カラーボール、それのボールは特殊塗料の液体が入っています。コンビニ業界では防犯用によく使われているものですね。」




聞いたことがある声だった。


振り向けば、そこにはものすごい形相の店長の姿があった。




「耐用年数は3年、蛍光オレンジの水溶性塗料を使っています、範囲は役10m四方に飛散し、一度ついたら、中々落とせない使用となっています。


しかも私の店舗では少々"特殊"なカラーボールを使っていましてですね・・・」




店長は懐から、カラーボールを取り出す。




「これがまた、匂いが強くてですね・・・・、これも中々落ちないんですよ」




店長はカラーボールを投げつける、その度に魔人が混乱していくのが分かる。


たちまち、周りが悪臭が広がる、本当にひどい匂いだ


というか地獄絵図だった。




カラーボールには色々、種類がある


発光するタイプや塗料が飛びやすいタイプのカラーボールなどがあった。


今回は店長は持ってきたのは一組6000円するタイプの高めの悪臭がするカラーボールだった。




「ファレスさん帰りますよ、まだ勤務中なんですから、お説教は後でします。」




「え、そこなの!?もっと他にツッコむ所あるのでは!?」




ファレスは店長のいつも通りの感じだった。


自分が血に濡れているのに、それもお構いなしだった。




「こ、このやろぉぉおお!!!」




この群れのリーダーっぽい、魔物がものすごい"悪臭"を放ちながら怒り出す。


主の原因は飯河店長なんだが・・・。




群のリーダーは店長に攻撃してくる。




すると、次に店長が取り出したのは"赤い液体"は入った瓶を取り出し、そのまま魔物に向けて投げつける。




「こんな、小細工は二度も通用するわけないだろう!!」




魔物は赤い液体の便を鋭い爪で引き裂いた。


突進をした勢いなのか、液体はそのまま"顔"にべったりとついた。




魔人はその場で顔を抑えるように悶え始めた。




「うああああああああ!なんだこれえええええ!?痛い痛い痛い痛い!?!!?何しやがったテメェ!!!?」




すると、店長は赤い瓶を取り出して、悪い顔をして説明する。




「これはですねぇ・・・、うちの店に売ってある、調味料なんですよねぇー」




そう言って、ニコニコしながら店長は話す。


店長が取り出したのは、"タバスコ"だった




「私も"昔"はいたずらっ子だったので・・・、今思うと馬鹿なことしてたなぁって思います。」




「く、くそぉおお・・・・!」




店長はふたたび、ファレスに近づく。




「さぁ、いきましょう、ファレスさんにはまだ"帰る場所"があるんですよ。」




ファレスは店長の言葉が深く突き刺さる。


帰る場所・・・、そうだ私は帰る場所が"まだ"あったんだ。


そう思うと、店長が言っていた、タバスコは顔に掛かっていないのに目元が熱く感じた。




「は、はい・・・!」




私は勢いよく返事をする。


そうだ、受け入れてもらったんだ・・・・、こんな私を受け入れてくれる場所があったんだった。


なら、死ぬわけにはいかないよね・・・。




ファレスは店長の肩を借りて、立ち上がる。




「生きて帰りましょう・・・!」




「何当たり前の事をいってるのですか?このあともう少しで納品が来るので手伝ってもらいますよ」




相変わらずの店長だった。


だけど、そんな店長がすごく逞しく感じたのだった。




ここから二人の逃亡劇が始まる!

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