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出無川 でむこ

第7話 どうやら、魔王は下克上されたようです。

どうも、飯河です。


何とか、ファレスさんを落ち着かせる事ができました。


しかし、他に問題ができたようです。




「私は、魔王の座を降ろされたの。」




「ちょ、ちょっと!貴方ほどの人が降ろされたというのはどういうことなんですか!」




「そのままの意味よ」




ミディアはばつが悪い顔をする。


どうやら、彼女は彼女で事情があるそうです。


すると、ファレスは何があったかを聞こうとした。




「勇者の貴方にも言うのも、癪だけど。


事情が事情だから教えて上げるわ。」




「何が癪なんですか!普通に聞いただけじゃないですか!」




「まぁまぁ」




私は間に入り、二人を落ち着かせた。




「私が降ろされたのは、部下に裏切られたの。」




「えぇ!?」




勇者は驚いた、理由は簡単だった。


魔族は強い物には従う、弱肉強食の世界だ。


魔の頂点で君臨する、魔王が下克上をされたというのだ。


本来、魔王に逆らうことは死を意味していた。


それが何故、そんな事を行われたというのは今から説明するようだ。




「私はこの世界に疑問を抱いていた。


何故、ユグドラシルはこの世界に平等な力を与えているのかを」




ミディアは真っすぐな瞳で語る。




「この6000年以上、ユグドラシルを求め人間と魔族が争ってた。


私は2000年間幾度となく、沢山の勇者を屠ってきた。


しかし、ふと疑問に思ったのだ。


何故、争う必要があるのか、ユグドラシルは皆に平等に力を与えている。


本来は戦う"必要"がないぐらいの力を与えてくれている。」




たしかに、6000年以上戦っていて、未だに決着がつかない。


それどころか、激しさが増していく事をミディアに聞いた。




「私はタケル殿と同じ答えにたどり着いたのだよ。


人間と争う必要はないと、差別する必要はないと。」




「・・・ッ」




ファレスは何処か思いつめるように、ミディアの目をそらす。


そう、あの魔王が戦う必要がないと気づいたんだ。




「私は魔族の皆に戦う事と人間を傷をつけないようにと命令をした。」




「それは、本当なんですか?」




「あぁ、本当だ。


魔族以前に、私は王だからな、王なら正しい方向に民を導くのが王の責務であろう。」




ファレスは黙った。


ファレスは罪悪感を感じていたようだ。


そして、自分がやっていた行いは正しい事なのか


今まで私がやっていた事は何だったのか


見つめなおしていた。




「まぁ、勇者もまだ若い、いくらでもやり直せるさ」




「い、いやー、実はですね。」




勇者は、魔王に自分が勇者じゃなくなった事を伝える。


魔王は、少し驚いたが笑いはしなかった。


魔王は今じゃ"元魔王"なんだから笑う権利などはなかったのだ。


見た目に反して、人格は出来ている者だった。


そして、魔王は直ぐに考え込んだ。




「あまりにもタイミングが良すぎる。」




そう、ミディアは何かがおかしいという。




「私は魔王の座を降ろされ、元勇者は国に追放される。


そして、この店の存在だ。」




確かに、タイミングがあまりのも良すぎるのを感じた。


そして、ミディアは言う。




「このユグドラシルに何か起こるのではないか?」




そう、ミディアは言ったのであった。

          

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