コンビニが異店しました!~いらっしゃいませ!こちら世界樹中央店でございます!~

出無川 でむこ

第4話 雨が降りましたら、必ず傘立てを置きましょう。

おはようございます。


飯河 武です。


しばらく、準備ができるまではコンビニは休業する事になりました。


これでは、新人教育ができません・・・。




皆さん、疲れて寝てますね。




お客様と店員は服が汚れない為に、


店の商品でビニールシートを引いて寝ていた。


このままだと、風邪をひくでしょうから暖房を点けてあげる事にした。。




私はふと、外を見てみると。


雨が降っていることに気づく。




雨に気づくと、体が本能的にか傘立てを用意しようとした。


このままだと、落ち着かないので裏から傘立てを置くことにした。




結構強い雨だ、一応看板も出てるから飛ばないように下げておこう。


飯河が看板を下げようとすると、何かが消える。




「・・・・う・・ぅ」


「ん?何でしょうか?何か聞こえましたね。」




飯河は気になったので、懐中電灯を持って、店の周りを巡回する事にした。


しばらく、歩き続けるとコンビニ店の後ろに、何かがいる。




私は近づいた、ライトを当てるとそこには・・・。


真紅な髪、頭には黒い尖った物がついている、これは角でしょうか?


私は少女の脈を触る。




良かった、生きてる。


しかし、脈は早く、肌は冷たい、息も荒く、明らかに危険な状態だとわかる。


取り合えず、お店に連れて行こう。




飯河は魔人らしき少女を背中に背負い店の中に連れて行くのであった。


店に戻ると、瀬川君が起きていた。


瀬川君は、店長に気づくと後ろに背負った少女にも気づく。




「店長、その子はどうしたですか?」


「あぁ、実はですね。傘立てを置こうと思いまして・・・。」




瀬川君に、起こった事をそのまま伝える。




「店長、私はおかゆと熱さましシートを取ってきます。」


「瀬川君、ありがとう。こんな遅い時間に申し訳ない。」


「自分、元々夜勤なので落ち着かなかっただけですから、気にしないでください」




流石、瀬川君だ。


何が起きても、対応して見せる所がいいですね。




私はビールシートを敷いて、少女を寝かせた。


体を震わせていた。


この雨の中で、大分体が冷えたんでしょう。




「瀬川君、杏さんを起こしてきてください、


後、もう一つお願いあります、制服用のズボンもありますので。


制服とセットで持ってきてください。」


「ウッス」




瀬川君は杏さんを起こしに裏にいく。




「さて、私は・・・」


まず、女性用の下着とシャツを取りに行く。


次に、体が冷えないようにカイロを5枚ほど持っていきましょう。


次に2ℓの水とタオルを持って行くことにした。




飯河はペットボトルの水をタオルを巻いて、暖かくしたカイロをタオルの中に仕込んだ。


これで枕の完成だ。




少女に熱さましシートをおでこ付けて、頭を私の手で浮かせて、枕を敷いて上げた。


すると、さっきまで苦しそうだったのが、表情がすこし楽になった気がする。




しばらく、待っていると


杏さんと瀬川君が戻ってきた。




「杏さん、夜遅くにすみません。」


「いいよ!この子のお世話をしたらいいんだね!」




杏さんは察しがいいのか、バケツも持ってきてくれました。


きっと濡れた服を入れてくれるのでしょう。




「では、私達は裏に行っていきますね。」


「ウッス」




そう言って、私達は裏に向った。




――――――――事務室




私の持つ店舗の部屋は広く、整理整頓しやすかった。


そして、結構納品が大量に来るので大量の納品を入れる為に地下室があります。


そして、今は一部の人はそこに寝てます。


主に、お客様ですけどね・・・、一応緊急用ベットはありますけど、暖房はないんですよね。




「しかし、店長ってすごい巻き込まれ体質ですよね。」


「そうですかね?」




瀬川君はこの人は自覚ないのかって感じで見ていますね。


私はそうでもないんですけど・・・。




「四年前なんて、お店に車が突っ込んできたり・・・」


「そんな事もありましたね。」




まぁ、あの時は大変でしたね。


新しく出来たばかりのお店なのに突っ込まれたショックは強かったです。




「ほかにも、酔っ払いの人が消火器をぶちまけて商品をダメにしたり」


「そういう事もありましたねー」




瀬川君は今まで起きた事をスラスラ話す。


むしろ、よくそこまで覚えてますね、返って関心します。




「そして、日本じゃ飽き足らずに異世界転移をした直後に勇者を店員にするとは、


もはや呪いじゃないですかね、店長・・・」


「いやー、まぁでもコンビニ業務するには変わりないので・・・」




瀬川君は何か突っ込みたそうにするが、気づかないふりをしておきましょう。




しばらくすると、杏さんが戻ってきました。




「ひとまず、これで安心かな。」


「杏さん、ありがとうございます。


流石、看護学生ですね。」


「いやいやー!私はまだまだですよ!」




杏さんは看護学生で、動きを見てみれば明らかに手馴れている感じがしました。


看護学生の中では優秀な人には違いないと確信はありました。




「では、後は私が見ていますので、お二人は休んでください。」


「しかし、寝なくてもいいんですか?」


「平気です、5日間ずっと寝ずに業務した事もあるのでこのぐらい平気です。」


「「何してるんですか店長・・・」」




二人は突っ込みをますが、気にしないでおきましょう。




「はい、明日の朝には寝ますので大丈夫ですよ」


「店長がいうなら・・・」




そうして二人は裏で再びに眠りにつくのだった。




「さて、私は夜勤業務してますかね・・・」




そう言って、店長は今日も働くのであった。

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