俺の学年が勇者として召喚されたが、俺は早速腹黒王族にマークされたようです

イミティ

第17話 二週目の開始?





 「お前、言葉は分かるのか?」
 『プルプル?』


 俺の言葉に体を震わせるスライム。これは……困惑?
 いや違う、困惑してるのは俺だよ。


 というか、俺にそんな思考を見抜くような観察眼はない。人相手ならまだしも、魔物の、それも表情が存在するのかも不明なスライム相手だと全然分からん。


 「……お手」
 『プルプル!』


 何となくそう言いながら手を出してみると、スライムは自身の体を伸ばして俺の手の上に置いてみせる。
 ……これ、言葉は理解してると見ていいんだろうか?


 「まぁ、そうだとして、やっぱり名前と種族名は欲しいよなぁ」


 なんせ俺が生みの親だしな。


 だが、何となく種族名に関しては決まっているんだよな。スキルと称号を見た時からこれが相応しいんじゃね? と思った位だし。


 「『暴食の化身グラ・イーター』。称号そのままだろ?」


 俺の言葉に、喜んでいるのか身体を波打たせるスライム。こいつの種族名はグラ・イーターで決定だ。
 ネーミングセンスに関しては、地球の頃小説にあったものを拝借しただけだから何とも言えんが、まぁいいのではないかと思う。


 「そしてお前の名前は、『グラ』だ。グラ・イーターのグラ。一応名前っぽいし、なにより覚えやすいだろ?」


 またしても身体を波打たせるスライム……グラ。歓喜に打ちひしがれているのか、それとも実は俺のネーミングセンスを微妙に感じているのか。
 どちらにせよ、いい兆候だとは思う。


 「にしても〔暴食〕ね……【吸収】と似た感じくさいな」


 七つの大罪がファンタジー小説などで出た場合、大体チートスキルとしてだ。その中でも特に強いのが暴食やら強欲やら。つまりパラメーターやスキルを奪ったり増やしたりできる系だな。


 あの抽象的すぎる鑑定結果も、よく良く考えてみれば『食えば食うほど強くなる』と解釈できないこともない。ただ無尽蔵に食えるとか、消化が尋常に早いとかそういう次元の話ではなく、『取り込んだものの全てを一切のロスなく自身の強さに変換する』という意味だったのなら。


 こいつは強くなる。確実に、勇者と同等かそれ以上にまでもな。


 「グラ。流石にレベル1だとここはキツイだろうし、今日は一旦帰るか」
 『プル!』


 うん、これは頷いてるな。確実に頷いてる。
 とりあえず130層に戻り、俺は一度街に戻ることにした。






 ◆◇◆






 「そう言えば、従魔の存在はどうなってるんだ?」
 『プル?』


 1階層に転移した俺だが、ふとグラを見ながらそう呟いた。
 恐らくだが、[テイム]というスキルがある以上、従魔の存在はあるはず。それが何か一定の手続きが必要なんだかは分からないが、見つかったら即攻撃なんてのは嫌だな。


 「グラ、念のため俺の服の中に隠れておけ。オーケー?」
 『プル!』


 すると、グラは俺の袖口から這うようにして入り込み、俺の上半身を覆うまでに留まった。
 そしてその直後、ヒンヤリとしたゼリーの感触が消えた。


 「器用な真似するなぁ」


 苦笑い気味俺は呟く。どうやってるのかは知らんが、俺の邪魔をせんようにしてくれたようだ。というか、言葉は理解してるで合ってるな。うん。


 「その辺り、受付嬢さんに聞いてみるか」


 探索者ギルドの受付嬢さんならば色々と知っているだろう。というか、俺また図書館で本読みたいな。禁断症状が出る前にさ。


 そんな事を思考の片隅で考えつつ、[生体遮断]を併用して移動。未だ迷宮の門番さんの前は通らないっていうね。
 まぁ仕方ないとは思うけど。だって面倒ごとは起こしたくないから、探索者カードの提出義務がある門を避けるのは当然だと言えます……よね?


 「よっと」


 迷宮を囲んでいる壁を越えて、ようやく[生体遮断]を解く。あまり頼りすぎると、スキルが無くなった時に何も出来なくなりそうだからほどほどにだな。


 さらに移動して探索者ギルドへ。現在の時刻はまだお昼後ぐらいだが、探索者ギルド内には割と人数が居た。


 そしていつもの受付嬢さんのところには相変わらずの人数。やっぱ人気ですねぇ。他の人も十分美人だけど、受付嬢さんは別格だからな。


 「次の方───あ、トウヤさん」
 「ども。一つお聞きしたいことがあって帰ってきました」
 「私に聞きたいこと……ですか?」


 順番が来て俺が聞くと、受付嬢さんは小首を傾げた。その仕草が、大人なのに子供っぽくて少し微笑ましい。


 愛嬌のある受付嬢さんだが、あまりここで変に言うと後ろの方に並んでいる信徒ファンに睨まれそうなので、お得意のすまし顔で。


 「はい。従魔の扱いって、ここはどうなってるんですか?」
 「従魔ですか? 従魔はまず飼い主の言いつけをちゃんと聞けるか証明してもらい、その後にこの『従魔の首輪』を付けることで、正式に街に滞在が可能です」


 この時、『従魔の主って飼い主って言うんだ』みたいなことを思った俺は悪くない。だって飼い主っていうとペットでさ、従魔の場合は『主』とか『マスター』とかそっち系じゃん?
 凄い可愛い言い方になっちゃってるよ


 にしても、従魔の首輪ね……。
 俺は受付嬢さんが現在持っている首輪を見る。どうやら単なる証明みたいなもので、特に何か効果がある訳では無いようだが
 これ、グラに付けられるのか?


 「首輪を付けられないような奴はどうするんですか?」
 「それは場合によりけりですが、大きさの場合は変えれば問題ありません。ただ、付ける場所がない、というような従魔の場合は仕方ないですが無しですね」
 「そうですか。ちなみに、従魔が何か問題を起こした場合は」
 「お察しの通り、飼い主の責任となりますので、トウヤさんも何か従魔を飼う予定があるのなら、十分に気をつけてください」
 「分かりました」


 ふむ、この話の流れから『もう居るんですよ~』と言うのは何となく嫌だな。
 ペコリと頭を下げて探索者ギルドから出る。申請するのは明日あたりにして、また迷宮にでも行きますかね。


 「って言っても、少しぬるく感じてきたし、レベル1のグラも居るし、これ、『過負荷の指輪』の出番か?」


 『無限収納インベントリ』から、なんの装飾もされていない指輪を取り出す。
 この指輪、【スキル封印】に【任意パラメーター低下】とまさにドM専用となっているのだが。


 1階層からやり直すなら、これがうってつけじゃないだろうか? ついでにパラメーターやらスキルの効果が上がれば上々だ。
 それに、1回スキルではなく技術を磨くべきだとも思っていたし。


 「グラ、レッツゴーだ」
 『プルプル』


 俺にくっついているからか、控えめに身体を揺らすグラに俺は一つ頷き、やはり[生体遮断]をかけて迷宮へと移動した。




 
 ◆◇◆






 『プルプル!?』
 「ん? 何を驚いて……あぁ、この姿か」


 迷宮に入ってグラを外に出したら、何故かブワッと身体を震わせて驚きを表現した。意外と感情豊かなグラに笑いつつも、俺は驚愕の原因を言い当てる。


 現在の俺は、黒髪黒目ではなく金髪碧眼である。それに伴い、装備も変わっている。


 今まで俺は、ルサイア王城にあった服の中で1番簡素な服と、制服(もちろん他者の視線は浴びる)を交互に着ていたのだが、現在はまさに探索者、冒険者のそれとなっている。
 というのも、今まで誤解していた[偽装]のスキルをもう1度確認してみたのだ。


 今まで俺は、[偽装]というのは『ステータスを偽装するもの』だと思っていたのだが、[禁忌眼]に変わったからか、少し前に効果を鑑定してみたら。


 『ステータスの偽装が可能。魔力を消費することで偽装の範囲が広がる。範囲は地理的な広さではなく、偽装が及ぶ事柄の範囲である』


 うん、いやね。偽装の効果を分かりにくく偽装してちゃ意味無いと思うんだが? 今までずっとステータスにしか及ばないと思っていたのがこれだ。


 まぁ、ステータス等と書かれていることから、ステータス以外にも有効なのは分かる。
 『魔力を消費することで偽装の範囲が広がる。範囲は地理的な広さではなく、偽装が及ぶ事柄の範囲である』というのは、恐らく消費した魔力量で、最初はステータス、次に物体、次が概念などと変わるのではないだろうか?


 というか、ステータスを偽装するのが一番初歩っていうのはよくわからんが、それはともかく。


 それを使用することで、俺は俺自身の見た目を偽装していたのだ。


 魔力消費は偽装をかける初めだけなので、ずっとかけておく必要はなく、魔力反応はないので偽装を見破る方法は、偽装をかける前のものを予め知っているしかない。


 「ま、対象の内部魔力を確認してみれば……って、それは俺ぐらいじゃないと無理か」


 一応他にも、今俺が言ったように魔力による確認があるのだが、それもそもそも出来るものは俺ぐらいしかいない気がする。


 というのも、魔力というのは個人差がある。誰1人として同じ者はおらず、それは指紋のようなものである。パッと見ではどこがどう違うかは分からないし、本当に極細微なものでしかない。


 俺も[魔力操作]がレベル9になって初めて知覚できるようになったぐらいだ。[魔力支配]へと進化した現在ではそれも楽にわかるようになったし、今や完全にパターンを把握することも可能だが、それまではなんか一人一人違うな程度だったのだから。


 まぁ、それはともかく。


 「今はこれが俺だから、理解してくれな」
 『プルプル!』


 了解! とでも言うように自身の体を操作して丸を作ってみせるグラ。うん、この短時間で成長してることがわかるね。スライムの育成ゲームでもしてるのか俺は。


 「よし、出陣だグラよ!」
 『プルプル!!』


 俺が目の前を指さしつつ宣言すれば、グラは一度その場で飛び跳ねて俺の横へと着いてきた。


 現在の俺は『過負荷の指輪』の効力により、パラメーターはレベル1の時と同じにしており、スキルはユニークスキルと【異能】以外はオール封印だ。というのも、ユニークスキルも【異能】もスキル封印を受け付けないらしく、こうするしかなかったのだ。


 とは言え通常スキルが無いだけで、色々な感覚が変わっている。主に弱体化だが。


 「やっぱ慣れって怖いな。取り敢えずはこの感覚になれるように頑張るか」


 一応これが召喚された時の感覚なのだ。これが初期。できないことは無いはず。


 取り敢えずは、自力で気配を察知と、自力でここの魔物を倒せるようにしましょうか。










 封印中の刀哉のステータス
────────────────────


 夜栄刀哉 17 男 
 異世界人?・ダンジョンマスター
 レベル106


 状態:『鍛錬』『パラメーター低下』
    『スキル封印』


【生命力】200(-558500)
 【魔力】200(-1264800)
 【筋力】100(-46890)
 【体力】100(-45020)
 【知力】100(-89240)
 【敏捷】100(-76500)
 【器用】100(-75780)
  【運】300




 ユニークスキル
 [成長速度上昇Lv.-][因子適応Lv.3]
 [完全記憶Lv.-][禁忌眼Lv.1][偽装Lv.-]
 [迷宮内転移Lv.-][迷宮核操作Lv.1]
 [繁殖Lv.-][道徳観欠如Lv.8]
 [倫理観欠如Lv.8]




 異能
 【吸収Lv.-】
 【神童Lv.-】
 【魔眼Lv.1】


 魔眼
 【魔力視】




 封印スキル


 武器術
 (真剣術Lv.2)(槍術Lv.8)(弓術Lv.8)
 (杖術Lv.8)(棍棒術Lv.7)


 戦闘補助
 (近接戦闘の極意Lv.2)(集団戦闘Lv.8)
 (奇襲Lv.1)(看破Lv.1)
 (照準Lv.9)(憎悪集中Lv.1)(剛力Lv.8)
 (金剛Lv.7)(拳聖術Lv.1)(肉体掌握Lv.2)
 (体幹Lv.9)(平衡Lv.9)(飛剣術Lv.9)
 (威圧Lv.9)(闘気Lv.7)(動作省略Lv.7)
 (二刀流Lv.8)(先回りLv.6)(状況把握Lv.6)
 (手加減Lv.7)


 運動
 (神速移動Lv.2)(縮地Lv.2)(立体機動Lv.9)
 (運びLv.9)(韜晦Lv.1)(跳躍Lv.7)
 (垂直跳びLv.7)(空中移動Lv.7)(空中機動Lv.6)
 (悪路走行Lv.6)(壁走Lv.6)(瞬発Lv.8)


 魔法
 (魔鎧Lv.1)(魔刀Lv.2)(魔力消費超軽減Lv.2)
 (魔力質超上昇Lv.2)(多重術式Lv.1)(遅延発動Lv.1)
 (条件発動Lv.1)(属性融合Lv.6)(魔法融合Lv.6)
 (火炎魔法Lv.2)(海洋魔法Lv.2)(暴風魔法Lv.1)
 (大地魔法Lv.1)(神聖魔法Lv.1)(暗黒魔法Lv.1)
 (虚無魔法Lv.1)(快復魔法Lv.1)(黒洞魔法Lv.1)
 (次元魔法Lv.1)


 生産
 (錬金術Lv.8)(瞬間錬成Lv.7)(複数錬成Lv.9)


 その他
 (神読みLv.1)(速筆Lv.8)(採取Lv.7)
 (競歩Lv.2)(掌握Lv.1)(コイントスLv.8)
 (計算Lv.9)(質問Lv.8)(尋問Lv.7)
 (交渉Lv.7)(観察Lv.6)(偽表情Lv.7)
 (誘導Lv.6)(大声Lv.7)(動物解体Lv.8)
 (魔物使役Lv.4)(従魔強化Lv.4)
 (生体感知Lv.2)(生体遮断Lv.2)
 (危険予知Lv.1)(思考速度超上昇Lv.2)
 (思考超加速Lv.1)(多重思考Lv.1)
 (思考領域拡大Lv.2)(記憶領域拡大Lv.3)
 (瞬間連想Lv.2)


 強化
 (反射神経超強化Lv.1)(五感超強化Lv.1)
 (身体能力強化Lv.9)(動体視力強化Lv.8)
 (毒無効Lv.-)(麻痺耐性Lv.8)
 (威圧無効Lv.-)(グロ無効Lv.-)
 (恐怖制御Lv.-)(臭い耐性Lv.8)
 (千里眼Lv.1)(超聴覚Lv.1)(悪食Lv.8)
 (絶倫Lv.5)


 エクストラスキル
 (完全無詠唱化Lv.-)(身体操作Lv.-)
 (幻踏Lv.1)(魔力支配Lv.2)
 (パラメーター倍加Lv.1)


 称号
 《女神の加護》《異世界人》《勇者として召喚されし者》《虐げられし者》《異端なる者》《全属性保持者》《人型図書館》《強者殺し》《護りし者》《ハイオーガ殺し》《鬼神殺し》《迷宮攻略者》《迷宮の主》《悪食》《魔を喰らいし者》《人助け》《鈍感系主人公》《魔物解体者》《瞬殺の一撃》《神の領域に手を伸ばす者》《禁忌を覗く者》《剣聖》《火王》《水王》《風王》《土王》《光王》《闇王》《無王》《聖者》《万有引力》《時空の支配者》《賢者》《魔改造》《技巧者》《軽業師》《第一階級探索者》《強大過ぎる力》《たらし》《天然ジゴロ》《神風》《異種姦経験者》《因縁の対決?》《どちらが鬼なのか》《圧倒的な力の差》《恐怖の進行》《反転した醜美》《アーミーワーム大量虐殺》《アーミーワーム殺し》《瞬間大量虐殺》《魔物コレクター》《部の礼儀》《剣客》《多腕の使者》《釈然としない勝利》《節操無し》《浪費家》《機嫌の落差》《情けない》《可愛い子に限る》《お調子者》《謎の感動》《レッドスライム大量虐殺》《ブルースライム大量虐殺》《グリーンスライム大量虐殺》《イエロースライム大量虐殺》《ホワイトスライム大量虐殺》《壁を越えし者》《ブラックスライム大量虐殺》《ヌルスライム大量虐殺》《ヒールスライム大量虐殺》《グラビティスライム大量虐殺》《アンプロードスライム大量虐殺》《スライムの天敵》《動く殺意》《愛情の裏返し》《錬金術の真髄》《最強の生命体を作りし者》《魔物の飼い主》《ぼっち》《強くてニューゲーム》


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