妖怪たちがやってきた

雨音

第4話

    「ま、まぁいいです。…花子さん、明日から黒板消しはやめてくださいね。」


 「はーい」


 …大丈夫かなこの子。


 「…じゃあそろそろ授業を始めますね。まず最初なんで皆さんの名前を覚えるためにも出席を取ります。」


 っといっても今日出席あまりよくないな…僕初日なんだけどな。


 「えっと洗井研子あらいときこさん?」


 「……………ぃ……………」


 「え?」


 「……………はい…………」


 …声小さいなー。あの長い前髪が邪魔してんのかな。相変わらず机の上にタライを乗せてその上でジャラジャラしてるし。


 「…はい、じゃあ次、雨宮晴美あめみやはるみさん?」


 「はーい!雨女やってまーす!」


 そう言って勢いよく立ち上がった。雨女なのに元気いいなぁ。うっすらと背景にキラキラが見える気がする。てゆーかデニムのショートパンツに白の半袖のシャツってもはや『雨』要素が全然感じられない…まだ春先だし。髪はうしろで一つにまとめられていて、強いて雨要素を挙げるなら髪が水色ということだろうか。


 「将来の夢は南の島で暮らすことで、特技は雨降らせちゃいまーす!で、最近ハマってるのがカエルの…」


 「あぁもううるさい!サン!お前はいちいち長いしうるさいわ!雨女なら雨女らしく暗ーく、じめーっとしてるのがお似合いだよ。」


 「出たわねチンチクリン。トイレにしか出てこない根暗なヤツが何を言うのよ。」


 「大体何?何晴美って。紛らわしいんだよ。雨なの?晴れなの?どっちなの?」


 「そういうあんたも名前山田花子やまだはなこじゃない。普通ー。普通過ぎて逆に悲しくありませんか?妖怪であられるのに。」


 「何をー!」


 「何よー!」


 「そもそもお前は…」


 おー、花子さんと雨女の戦いだ。人間の自分としては新鮮だな。これも役得ってやつなのかな?


 「でも『サン』って?」


 「サンていうかSUNですね。太陽。サンちゃんああいう性格ですから雨女とのギャップでそうなったんです。」


 あーそれは分かる気がする。どちらかと言うと『雨女』っていうより、『晴女』だもんな。まぁ雨宮晴美だから両方いけるのかな。


 「二人はいつもあんな感じなの?」


 「えぇ。仲がいいですよねー。」


 かぐやさんは優しく微笑みながら二人を見ている。…仲いいか?あれ…二人は相変わらず言い争いを続けている。


 「…じゃあ次、えーと鬼瓦劉鬼おにがわらりゅうきくん?」


 「はい。先生。」


 声のする方を見ると三メートルはあろうという大男が座っていた。こ、怖えー。やばいよ。なんか右頬に傷があるもん。頭から角生えてるもん。服装が寅縞パンツに学ランだもん。名前に恐ろしい単語が二つも入ってるもの。なんで今まで気づかなかったんだろう。いや、気づいていたけどあえてみないようにしていたのかもしれない。ナイス僕の自己防衛本能。でも出来れば最後まで気づかせないで欲しかった。...生徒だけど。…うん、ここはさっさと次にいこう。


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