妖怪たちがやってきた

雨音

第2話

    「………………へ?」


 「ここは普通の高校ではありません。昼と夜ではその姿は大きく異なります。まぁ今言ってもすぐには信じられないかもしれませんね。」


 「…」


 「妖怪について簡単にですが説明しますね。いわゆる人間の理から外れたといいますか、少し違う世界を生きている存在全般のことは『妖怪』と呼ばれています。妖怪は遠い昔からこの人間の世界と共存してきました。でもその存在を知覚できる人間の方はあまり多くなく、普段は『妖怪』と『人間』の間での交流はほとんどありません。そのためたまに知覚することができた方によって伝承や昔話なんかでその存在が伝えられたんです。それが…」


 「あ、あのちょっといいかな?」


 「はい?なんでしょうか?」


 「一度出直してもいいかな?いや是非そうさせていただきたいんだけど…」


 「?はい、どうぞ。」


 僕は慌てて教室の外に出ると、扉にもたれかかった。え、え、ど、どういうこと?え?つまりここは妖怪が沢山やって来る学校ってこと?てゆーかそもそも妖怪って本当にいるの?妖怪なんて想像の産物じゃないの?神様や幽霊なんかと同じくらい眉唾ものの存在じゃないか。それがこんなに身近に…しかもよりによって僕の初就職先に…しかもさっきあった彼女達はどう見ても人間と変わらないじゃないか。一体どうなってるんだ!?


 「あのーすいません、そこをどいていただけませんか?」


 「え?」


 うつむいて考えごとをしていたため気付かなかったがいつの間にか誰かが目の前に立っていた。足元を見るととても小さな足だった。


 「あ、すいませ…」


 顔を上げ、声の主の顔を見てみるとそこで声が出なくなった。め、目がひ、一つしかな、ない…


 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 僕は慌てて後ろに勢いよく倒れたためそのままドアを倒してしまった。


 「アハハハハハ!なーにしてるんだお前!」


 「あらら、どうしたんですか先生?あ、いっちゃん。おはよう。」


 「あ、か、かぐやさん。お、おはようございます…」


 「おーイチーおは…」


 【キッ】(睨む)


 「な、なんだよ…」


 なんか一つ目の少年はあの元気のいい女の子を睨んでいたがそんなことはどうでもいい。僕にとって大事なのは『一つ目』ということだ。


 「信じてもらえました?」


 かぐやと名乗る彼女が倒れている僕の顔を笑顔で覗き込んできた。信じるも何も、こんなの見たら信じるしかない。だってどう見ても『人間』ではないのだから。


 「う、うん…」


 「そういえばまだお名前を聞いていませんでしたね。」


 「…あ、赤峰孝弘あかみねたかひろといいます…」


 「よろしくお願いしますね。赤峰先生。」


 「よ、よろしく…」


 僕、どうしてこうなったんだろう?


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