錬金術師の転生無双 ~異世界で勇者になった錬金術師は【魔法錬金】で万能無双~
第6話:錬金術師はリーゼの正体に驚く
「シュンさん凄いです! あなたはいったい何者なんですか!?」
草原最強のスライムを倒すや否や、リーゼはとても驚いて質問をしてきた。
とは言っても、張本人の俺がまだよくわかっていないのだから、彼女にとって満足のいく解答をできるはずもない。
「職業は何なんですか!?」
でも、これならわかる。
「錬金術師だ」
職業を答えると、リーゼは意外そうに目を丸くした。
「いやいやご冗談を! 錬金術師が魔法を使えるわけないじゃないですか!」
「いや、俺は本当に錬金術師だぞ。確かめる方法があるならやってみてもいい」
「でも……おかしいです! 錬金術師は魔法が使えないから最弱とされているのです。もし魔法が使える錬金術師が存在したら……」
「したら?」
「そんなの世界最強に決まってます! 魔王だって小指で捻りつぶせますよっ!」
なに、そんなに強いのか?
異世界に来てから一日で追い出されたが、もしかして当たり職業だった!?
「とにかくこの件は報告……っと」
「報告?」
「あっ、こっちの話です!」
どっちの話かわからないが、話したくないのなら無理に聞くこともないか。
「ところで、これはなんなんだ?」
ダイヤモンドスライムが消滅した後の場所に落ちていたもの。
ガラスのように透明な石だ。
俺の手をグーにした時よりも一回り大きいくらいのスケール。
「そ、それは……ダイヤモンドの原石です! ダイヤモンドスライムのドロップ品ですが……本当に出てくるんですね」
なに、これがダイヤモンドの原石なのか。
昔テレビで見たことがあるが、この原石を削ってあの綺麗な形ができるんだよな。
削れば小さくなる……だとしても、これはかなり大きいんじゃないか?
「これっていくらくらいで売れるんだ?」
「その大きさだと……金貨1万枚くらいになるのではないでしょうか……」
一万枚と言われてもそもそもピンとこないのだが、金貨一枚が一万円なら一億円と言ったところか。
高いのか安いのかよくわからない。
リーゼの反応からするととても貴重なものなのだろう。
システムウィンドウを出して、アイテムスロットのタブを開く。
ダイヤモンドの原石を収納した。
その様子を何も知らないリーゼが見ると、突然消えたように見えるようで、
「き、消えちゃいました!? わ、私盗ってないですよ、本当です!」
反応が盗みを働いた者の口調そのままなのだが、俺はリーゼが犯人じゃないことを知っている。
俺はアイテムスロットから収納したばかりのダイヤモンドの原石を取り出す。
「リーゼが盗んだんじゃないことはわかっているよ。俺は特殊な魔法でアイテムを隠すことができるんだ。高価なアイテムだとこうしておくほうが安心だろ?」
手品のような手さばきを見て、リーゼは絶句していた。
「何から何まで規格外です……こんな魔法見たことないです!」
まあ、そうだろうな。
◇
「リーゼ・リシェール、今戻りました!」
リーゼの案内でウィーン村へと到着すると、入り口に二人の女が待ち構えていた。
その女はリーゼの姿を確認すると、ほっと一安心したようなそぶりを見せた。
仲間なのだろうか。
「リーゼ、何をしていたのだ! ちょっと草原に行くだけだからと言ってからもう何時間経ったと思っている!」
「ひえっ……ごめんなさい」
青い髪に、騎士のように頑丈な鎧を纏った女。
気高い印象を受けるが、多分リーゼを心配していたのだろう。
「まあまあ、リーゼも女の子だから……色々あるのよ。……ね?」
「そ、そうなの! 色々あるの」
今度は白髪のおっとりした目をした美少女がフォローする。
どこかお姉さん的なキャラクターだ。
「それではまるで、私が女心がわからない童貞男みたいじゃないか! 撤回してもらおう」
リーゼの目が点になる。
「童貞って何ですか?」
「なっ……!」
青髪の女の顔が途端にカァーッと赤くなっていく。
「そ、その……童貞というのはだな……えーとだな……こ、こいつのようなことを言うのだ!」
と、俺を指してのたまう。
ふざけるな、俺がまるで童貞みたいな言い方じゃないか! 心外だ!
と言いたいところだが、事実なので反論する余地がない。
ぐぬぬ。
「シュンはドウテイなのですか?」
「まあ、時が来れば捨てる覚悟はあるがな」
「よくわからないけどかっこいいです……!」
なんだか悲しくなってきた。
ちゃんと説明した方が良いのだろうか……。いや、俺の口から話すのはなんだか恥ずかしい。
「あの、お二人はリーゼの仲間なんですか?」
俺が質問すると、二人の視線がリーゼに集まる。
「リーゼ、言ってなかったのか?」
「言っちゃっていいのかわからなくて」
「ふむ、別に隠すようなことでもなかろう。私たちは名誉ある勇者なのだから」
え、今勇者って言った!?
この二人はなんとなくわからないでもないけど、リーゼが勇者だって!?
「リーゼが世話になったな。聞いての通り、私たちは勇者だ。魔王撲滅と真なる王を倒すことを目的として旅をしている」
草原最強のスライムを倒すや否や、リーゼはとても驚いて質問をしてきた。
とは言っても、張本人の俺がまだよくわかっていないのだから、彼女にとって満足のいく解答をできるはずもない。
「職業は何なんですか!?」
でも、これならわかる。
「錬金術師だ」
職業を答えると、リーゼは意外そうに目を丸くした。
「いやいやご冗談を! 錬金術師が魔法を使えるわけないじゃないですか!」
「いや、俺は本当に錬金術師だぞ。確かめる方法があるならやってみてもいい」
「でも……おかしいです! 錬金術師は魔法が使えないから最弱とされているのです。もし魔法が使える錬金術師が存在したら……」
「したら?」
「そんなの世界最強に決まってます! 魔王だって小指で捻りつぶせますよっ!」
なに、そんなに強いのか?
異世界に来てから一日で追い出されたが、もしかして当たり職業だった!?
「とにかくこの件は報告……っと」
「報告?」
「あっ、こっちの話です!」
どっちの話かわからないが、話したくないのなら無理に聞くこともないか。
「ところで、これはなんなんだ?」
ダイヤモンドスライムが消滅した後の場所に落ちていたもの。
ガラスのように透明な石だ。
俺の手をグーにした時よりも一回り大きいくらいのスケール。
「そ、それは……ダイヤモンドの原石です! ダイヤモンドスライムのドロップ品ですが……本当に出てくるんですね」
なに、これがダイヤモンドの原石なのか。
昔テレビで見たことがあるが、この原石を削ってあの綺麗な形ができるんだよな。
削れば小さくなる……だとしても、これはかなり大きいんじゃないか?
「これっていくらくらいで売れるんだ?」
「その大きさだと……金貨1万枚くらいになるのではないでしょうか……」
一万枚と言われてもそもそもピンとこないのだが、金貨一枚が一万円なら一億円と言ったところか。
高いのか安いのかよくわからない。
リーゼの反応からするととても貴重なものなのだろう。
システムウィンドウを出して、アイテムスロットのタブを開く。
ダイヤモンドの原石を収納した。
その様子を何も知らないリーゼが見ると、突然消えたように見えるようで、
「き、消えちゃいました!? わ、私盗ってないですよ、本当です!」
反応が盗みを働いた者の口調そのままなのだが、俺はリーゼが犯人じゃないことを知っている。
俺はアイテムスロットから収納したばかりのダイヤモンドの原石を取り出す。
「リーゼが盗んだんじゃないことはわかっているよ。俺は特殊な魔法でアイテムを隠すことができるんだ。高価なアイテムだとこうしておくほうが安心だろ?」
手品のような手さばきを見て、リーゼは絶句していた。
「何から何まで規格外です……こんな魔法見たことないです!」
まあ、そうだろうな。
◇
「リーゼ・リシェール、今戻りました!」
リーゼの案内でウィーン村へと到着すると、入り口に二人の女が待ち構えていた。
その女はリーゼの姿を確認すると、ほっと一安心したようなそぶりを見せた。
仲間なのだろうか。
「リーゼ、何をしていたのだ! ちょっと草原に行くだけだからと言ってからもう何時間経ったと思っている!」
「ひえっ……ごめんなさい」
青い髪に、騎士のように頑丈な鎧を纏った女。
気高い印象を受けるが、多分リーゼを心配していたのだろう。
「まあまあ、リーゼも女の子だから……色々あるのよ。……ね?」
「そ、そうなの! 色々あるの」
今度は白髪のおっとりした目をした美少女がフォローする。
どこかお姉さん的なキャラクターだ。
「それではまるで、私が女心がわからない童貞男みたいじゃないか! 撤回してもらおう」
リーゼの目が点になる。
「童貞って何ですか?」
「なっ……!」
青髪の女の顔が途端にカァーッと赤くなっていく。
「そ、その……童貞というのはだな……えーとだな……こ、こいつのようなことを言うのだ!」
と、俺を指してのたまう。
ふざけるな、俺がまるで童貞みたいな言い方じゃないか! 心外だ!
と言いたいところだが、事実なので反論する余地がない。
ぐぬぬ。
「シュンはドウテイなのですか?」
「まあ、時が来れば捨てる覚悟はあるがな」
「よくわからないけどかっこいいです……!」
なんだか悲しくなってきた。
ちゃんと説明した方が良いのだろうか……。いや、俺の口から話すのはなんだか恥ずかしい。
「あの、お二人はリーゼの仲間なんですか?」
俺が質問すると、二人の視線がリーゼに集まる。
「リーゼ、言ってなかったのか?」
「言っちゃっていいのかわからなくて」
「ふむ、別に隠すようなことでもなかろう。私たちは名誉ある勇者なのだから」
え、今勇者って言った!?
この二人はなんとなくわからないでもないけど、リーゼが勇者だって!?
「リーゼが世話になったな。聞いての通り、私たちは勇者だ。魔王撲滅と真なる王を倒すことを目的として旅をしている」
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