世界に裏切られた勇者は二度目の世界で復讐する

美浜

第3話  必要経験値半端ないってもぉー!そんなん稼げんやん普通。そんなんできる?できるんだったら先に言ってよ

「今さらですけど本当に商品はもらってもいいんですか?」

「ああ、さっきも言ったが裏切れば捕まえるだけだしな。それに俺には分かるんだよ。お前さんが俺の敵ではないってことをな」

「それ、これから復讐をしようとしてるやつにいう言葉ですか?」

「ガハハッ。ま、見たところレベルはそんなに高くなさそうだしな。いくら技術があろうがレベルは絶対だ。まだ100を越えてないだろ?」

「やっぱりそうですよね。えっと、レベルは······あ、あった。ふむ。やっぱり年齢と同じ17············へ?」


すっとんきょうな声をあげてしまう。

レベルの横の欄。次のレベルまでの経験値が明記されている場所にはあり得ない数字が並んでいた。

現在のレベルは17。であればその100倍の1700がレベル18に到達するための必要経験値だ。

しかし、実際に書かれている数字は······


「なんだこれ!? 一、十、百、千、万·········兆の次が確か京で、次が垓、それで次が抒、だったか? ······25桁ってなんなんだよ!?」

「お、おいいきなりどうした? この世の終わりとばかりな表情で叫んで?」

「ハルバルトさん。レベル17から18にあげるために必要な経験値は!?」

「1700だよな?」

「どうやら俺はレベルアップするために10抒ほどの経験値が必要らしいです......」

「え、えっと、それは······」

「そんなに経験値ありゃ最大レベルまで行くんじゃねぇのかよおらぁ!!」

「まあまあ、落ち着け。······あれ? そういえば前にどっかでそれと同じくらいの数字を見たような······」

「本当か!? どこだ? どこでみたんだ?」

「おい、お前。大会の参加者か? そろそろ時間だからこっちに来い。ま、逃げるなら今のうちだぜ?」

「あ゛?」


彼はタイミングが悪かった。
今のさとるなら売られた喧嘩は全て買うだろう。
目に止まらぬ速さで借り物の剣を抜くと、ピタリと彼の首筋に合わせる。

薄皮が一枚切れたのかほんの少しだけ血が流れる。


「じょ、冗談だよ。ムキになるなって」

「次はないからな」


ギロッと睨むと柄の悪そうなチンピラは背中を向けて急いで離れていった。


「すぐに片付けてくるんで、それまでに思い出しておいてください」

「え? あ、ああ。ちゃんと思い出しておくよ。あはは......」


そうして魔剣のレプリカをかけた(サトルの鬱憤を晴らす)大会が始まる。



















「第一試合最終ブロックは······皆さんお待ちかね。優勝候補の一人、荒ぶる獅子こと犬飼いぬかい剛士つよしっ!」


これまでで一番の大歓声が上がる。さすが優勝候補様だ。


「そして、そしてぇ······それに挑むのは飛び入り参加の謎の少年。なんとレベルは17! 自殺志願者としか思えない! これで試合になるのだろうか!」

「おいおい、本当かよ。おめぇ、今なら逃げても許してやるぞ? ここは試合をする場なんだ。雑魚はお家に帰ってママのおっぱいでも吸ってな」

「その言葉、忘れるなよ?」

「あ゛? せっかく忠告してやったというのに。俺様に従わないやつはどうなるか教えてやるよ。10秒だ。10秒でこの試合を終わらせてやる」

「ここで10秒宣言が来た!! 勝負は一瞬です。まばたきは許されない! それでは······第一試合最終ブロック、開始!」

コメント

  • 美浜

    主人公の気持ちを表現するのにはこれが最適だと思いましたw

    1
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