僕らの心には魔物が住んでいる

ノベルバユーザー309866

1話

「…」

今日も今日とて見たくもない景色が目に映る
「ごめんなさいごめんなさい」

謝りながら誰かに蹴られてる少年
「雑魚が調子乗るなよ」
信じたくもないだろうがこれがこの世界の[日常]だ

ボロボロにされた少年は喋らくなった
蹴った張本人は悪びれることも無くその場を去った
俺は横目で少年を一瞬見て直ぐに目を逸らした
この世界で弱いやつを助ける人なんていないだろ…

そうこの世界は弱いやつは強いやつにやられる
数百年前、魔物が滅んだとはいえ人間はまだ魔力が扱える

問題はその魔力の量だ
多ければ多いほど強者になり皆から称えられる
逆に魔力が無ければ先ほどの少年みたいに地べたに這いつくばる


…むしろ魔物がいた方が良かったのでは

「今更無駄だけどな…」

そんな事を考えていると学校につく
まぁ、学校に着いたところで日常は変わりはしない

「あははは!」
笑いながら男の人を殴りまくってる、純真無垢の可愛らしい女の子
彼女のピンクの髪に赤いものが飛び散ってる
「ん?あー!おはよう、唐須」
俺に気づいたらしく笑顔でこちらに手を振る
「朝から何してんの」
「えー、だってうざかったんだもん!」
虫1匹も殺さないような顔で恐ろしいことを言う


「また先生にバレたら怒られるぞ…仕舞いには退学させられるかもな」

そう言うと彼女はプクッと頬を膨らませた
「別にーいいもん、私天才だからこの学校も私が寄付してるから成り立ってるようなものでしょ?」
そうだった、彼女…熾姫 楓は金持ちだ
更に100年に1人とと言われるほど魔力が高い…この学校のやつはほとんど楓には逆らえない

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