Lv1でも魔王倒せる説

鏡夜ユノ

第Lv4話 クレラの街



クレラの街へ向け、ルナと歩いている


悠の能力(エーテルステーク)について、なにか知らないか、ルナの父親に聞いてみるためだ

クレラの街は栄えていて、冒険者ギルドがあり、毎日賑やかな街だと言う

ルナはクレラの街で、冒険者をやっていて、その父親は名を上げていた『騎士団の団長』だったそうだ

だが、ある任務で大怪我をし、今は街の子供達に剣を教えている

クレラの街に向かうその道中で、ルナになぜあの森にいたのか軽く聞いてみた

「ルナはなんで、あの森にいたんだ?」

「それは、ゼウス・ルークスの力が弱まってるせいか、最近では各地に魔物が増えてきているため、冒険者の依頼で、あの森の調査をしていたんです」

なるほど、それであの森に行き、魔物に襲われていたのか、、

しばらくすると、道の向こう側にうっすらと街のようなものが見えてきた


「悠さん!見えてきましたよ!」


ルナはうっすらと見える街の方に指を指し言った

「あれが、クレラの街か!結構でかい街なんだな〜」

悠は目覚めてから初めて街を見たので、少し興奮気味だった

街の周りには、コンクリートで出来た20メートルくらいの壁が立っていた

どうやら街の中に入るには、管理人の人の許可がいるようで、管理人の前に列が出来ている

「はい、次」

管理人は街の前に並んでいる人達に許可をしていく

悠とルナも許可を得て、街の中に入っていく

街に入ると沢山の人がいて、軽快な音楽が街中に鳴り響いていた

「す、すごいな、、!!」

悠は見たことのない建物と大勢の人で、足が止まる

「悠さん、こっちですよ〜」

落ち着きなく、辺りをキョロキョロと見回している悠に向かって言う

気付くとルナは、俺の数メートル前にいた

「おっ、悪い悪い、、」

ルナに道案内してもらい、煙突の付いている木造二階建ての小さな家に着いた

 ルナが扉を開け、中に入ると、少し広めのリビングがある

真ん中には、机と4人分の椅子がある

その奥には2階に続く階段があった

「お父様〜いますか〜?」

ルナは階段の方に行き、父親を呼んだ

「ルナ、帰ってきたのか…」

上の方から父親らしき声が聞こえ、階段を降りる音が、メシメシと聞こえる

「えっ?」

悠は階段を降りてきた父親をみて驚いた

なんか想像してた人と違う、、、
ルナのお父さんに見えないんだが、、、

悠が驚くのも仕方がない

何せ見た目は黒髪に、かなり筋肉のついた体、腕には魔物に切り裂かれたような傷跡がついており、目付きの悪いオッサンがこんな可愛い娘をおもちとは、誰も想像がつかない

「あぁん?なんだこの男は?俺は反対だぞ、ルナ!!」

ルナの父親が悠を睨みつけ言う

「もぅ、違いますよ!!!」

ルナは怒った表情を浮かべ父親に向かって言った

まさか、このオッサン、ルナが俺の彼女と思ってんじゃねーんだろーな、、

「じゃーこいつはなんなんだ?あぁ?」

さらに、悠を睨みつける

『めっちゃ怖い、このオッサン、、、、、』

悠はビクビクしながら思う

「この方は、私が魔狼に襲われているところを、助けてくれた人です!!」


「成程、こいつが魔狼をね〜、、見た感じお前には倒せそうにないが??Lv1だし」

ルナの父親は悠の見た目と、Lvを見てそう言うと続けて、名乗る

「俺の名は、

『ユアン・フィリア』

元騎士団の団長で、今はガキ共に剣の使い方を教えている、、、

てめぇも名乗りやがれ!!あぁん?」

ルナの父親ユアンは、いきなり大声で怒鳴る

「は、はい!!お、俺は、、白夜悠です!、、」

悠は怖がりつつも自分の名前を名乗る

「んで?一体こんな所に何しにきやがったんだ?」

ユアンは椅子に座り問いかける

悠とルナも椅子に座り、ルナは悠の事、魔狼をやった時に発動したと思われる能力の事について、話し始めた

「成程、、つまり此奴は目覚める前の記憶が無く、あの英雄と同じ異界人で、その魔狼をやったと思われる能力を俺に聞きに来たって訳か」

「はい、お父様なら、なにか知ってるんじゃないかなって思って…」

「何つったっけ?、、そのー『エーテルステーク』だったか?

悪ぃが、聞いたことねぇーな」

ユアンは首を傾げながら答えると、椅子から立ち上がり、部屋の隅に置いてあった鉄の剣を持ち、悠の方に歩いていく

『え、?なにを、、』

悠は殺されるのではないかとガタガタする

「お父様!?」

ルナが立ち上がり止めに入ろうとした

剣を悠が座っている前に置いた

「ほらよ」

「え?」

悠は困惑している

「その能力がなんなのかは聞いても分かんねーし、実際に俺が見てやるよ……着いてこい」

ユアンは扉の前に立ち言った

悠は渡された剣を持ち、ルナと一緒にユアンに着いていく

外に出ると夕暮れになっていて、大勢いた人達も減っていた

しばらくユアンに着いていくと小さな闘技場が見えてくる

「この闘技場は、、?」

「ここは昔、冒険者の皆様が使っていたんですが、、もうボロボロで使えなくなってしまい、今はお父様が子供達に剣を教えるための場所になっています」

そんな話をしていると、ユアンが闘技場の中へと入っていく

「早く来やがれ小僧!!!」

「は、はい、、!!」

悠も怒られながらルナと闘技場へ入っていく

「んじゃ、見せてもらおうか、てめぇーの能力を」

ユアンは悠の方を向き言った

「え?ここでやるんですか、、??」

「あぁ?ここでやんねーでどこでやんだよ」

いや、、こんな所であんなの(能力)をやったらこの闘技場吹っ飛ぶでしょ、、

悠は頭の中で森を切り裂いたことを思い出していた

「いや、ここじゃなく、、外でやった方が、、」

「んだとゴラァ!!もう日が暮れてるし外出んのもめんどーだし、だからここにしたんだよ!それに、てめぇーに闘技場を心配されなくても、この俺が受け止めてやるよ」

ユアンは余裕な表情を見せ言う

この人、本気で言ってるのか?あんなの受け止めれる訳が、、

悠はそう思うも、やけくそで剣を構える

『さぁーて、こいつの能力がどんなものか見せてもらおうか』

ユアンは心の中で呟いた




これから闘技場で起こる事を誰も予想だににしなかった。




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