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学生時代

Me-ya

泣かないで、マイ・ラブ 7

「……そりゃ、あれだけ佐藤君の後をつけてストーカーしてれば、噂にもなるでしょうよ」

顔を洗い、ついでに珈琲を入れ直して戻ってきた塔野は私の前に座り直して話し続ける。

「だいたいあれだけ堂々とストーカーしていて誰にも気付かれてないと思う方が驚きだわ」

………少し、不機嫌そうに洗った顔を拭きながら。

「………でもね」

そこで塔野の私を見る目がキランと光る。

「不思議なのは、それに対して佐藤君が何も言わない事なのよ」

………それは、だって、私が佐藤君をストーカー………ゴホッ、後をつけている事に気づいてないから………。

「ばっかね~、皆が知っているのよ。後をつけられている本人が気付いてないわけないでしょうが」

………うっそ………気付かれてたの………?

「当たり前でしょ」

………じゃ、優しいから言えなかったんじゃない?

「………はあ~?」

………いや、佐藤君は優しいから私に………。

「ないないない。絶対、それはない」

………どうしてよ?

「だって………まさか、佐藤君をストーカーしていた人間が自分だけなんて思ってないでしょ」

………え………まさか………。

「いたわよ~、何人も。その度に冷た~い眼差しと容赦ない言葉で撃退してきたのよね~、だから最近はそんなチャレンジャーな人間はいなかったんだけど……その彼が何故か!今回は何にも言わないし、それどころか周りをウロチョロされても許してるし……今回、特別なのは何故なんだろうって皆の噂」

………え………そうなの………?

ドクンと高鳴る心臓の音。

私、許されているの………?

特別なの………?

図書室で手紙を見ていた姿に目が釘付けになった。

優しい、愛しむような瞳。

あんな瞳で私も見詰められたいと。

それが叶わなければ。

せめて。

その、手紙になりたいと。

願ってしまった。

少し。

期待してもいいのだろうか。

自惚れても………。

『特別なのは何故なんだろうって』

いいのだろうか………?

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