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学生時代

Me-ya

恋と嘘と現実と 29

確かに、咄嗟に出た言葉はぎこちなく、嘘臭く聞こえただろうけど(…いや、実際、嘘なんだけど…)。

仕方がないじゃないか。

本当の事は言えないんだから。

治夫が本当に好きだったのは僕だ、なんて言ったら流石に記憶をなくしている治夫もショックを受けるだろうし…。

だったら、嘘を言うしかないじゃないか。

寧音なら、本当に治夫の事を好きだし。

そんな嘘を付いてまで治夫を手に入れたいなんて…可愛いじゃないか。

…て…寧音が可愛いのは、当たり前か。

僕が好きになった娘だもんな。

よく考えたら凄いよな。

僕が好きだった娘と、今、現在、好きな人が付き合っているなんて。

…二人が付き合えば、僕も安心だ…。

…でも、流石に嘘とはいえ、治夫と寧音が付き合っていたなんて僕の口から治夫に言うのは辛い…。

「うん、本当だよ。治夫と寧音は付き合っていた」

…胸が痛い…。

僕は今、上手く笑えているだろうか…。

「…そうか…隼人がそう言うんなら、本当の事なんだな。じゃ、この違和感は俺の思い過ごしだな、きっと」

治夫の言葉と笑顔に、僕の胸はますます痛くなる。

だが、僕はその胸の痛みに気付かない振りをして治夫に微笑み返した。


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