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学生時代

Me-ya

恋と嘘と現実と 22

-放課後。

僕は寧音が治夫と仲良く並んで帰っていく後ろ姿を眺めていた。

こんな時は胸が痛む。

僕に見せつけるように寧音は、治夫の腕に自分の腕を絡ませている。

帰る間際に僕を見た寧音の勝ち誇った顔が忘れられない。

そんな寧音に僕は心のなかで叫んでいた。

(そこは僕の場所だ!!)

どうして治夫が僕の事だけを忘れてしまったのか。

どうして、僕だけの記憶をなくしてしまったのか。

考えても仕方がないとわかっていても、考えてしまう。

そして最後には、僕の事を忘れてしまった治夫を恨みそうになっている僕がいる。

治夫のせいじゃないのに。

記憶をなくしたのは、治夫のせいじゃない。

治夫が記憶をなくしたのは、事故にあったせいで…事故にあったのは車に跳ねられそうになった僕を助けようとしたから………。

それは分かっている。

頭では分かっているんだ。

…もしも…。

もしも、このまま治夫の記憶が戻らなければ…?

僕はどうするのだろうか…?

このまま、この気持ちを隠しながら…親友として付き合っていけるのか…?

普通の顔をして…?

一生…?

………無理だ。

できない。

この気持ちを隠して親友の顔をしながら治夫と一生、付き合っていくなんて事、僕にはできない。

僕には無理だ。

そこまで僕は強くないし、覚悟もない。

…だいたい覚悟する前に、治夫は僕の事を忘れてしまった…。

だから、僕は決意した。

高校を卒業する時までに治夫の記憶が戻らなければ…この街を出よう。

この土地から…治夫から…離れよう。

高校を卒業したら…。

それまで、この気持ちは隠しておく。

そう決めたのに…。


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