学生時代

Me-ya

青空とうわの空 5

パシンッ!!

怒りが収まらない僕は、寝ている治夫を見るとイラッとして、治夫の頭を平手で叩く。

「…痛っ…あ、おかえり~」

頭を叩かれた衝撃に顔を上げた治夫は、僕を見るとヘラッと笑って、叩かれた頭を擦る。

ムカムカ。

パシン!!

その顔を見るとますますムカついてしまい、もう一度治夫の頭を叩く。

「痛っ。…何?」

「…治夫のせいで…」

「……え…俺のせいで先生に呼ばれたのか?どうして?何て言われたんだ」

にへらと笑っていた顔が一転、心配そうな顔になって俺に色々聞いてくる治夫を見ていると、イライラしていた気分も収まってきて、なんとなくもういいかと思えてきた。

だが、寧音に変態と言われた事は許せない。

やっぱりもう一発、殴っとこ。

パシンッ。

「痛いな~、だから何?」

「…何でもない。ただ、叩きたくなっただけ」

「何だよ、それ。酷いな~」

そう言いながらも、治夫は僕が叩いた頭を擦りながら笑っている。

…まったく…。

そんな治夫を見ている内に、僕の怒りもどこかにいってしまった。


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