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学生時代

Me-ya

遠くの夕焼けに初恋、消えた 3

-母親の怒鳴り声で我に返った。

「…何、やってんの!そんなびしょ濡れで!!…傘はどうしたの!?朝、持って行ったでしょ?」

「…え…傘…?」

いつの間に家に帰ったのか…。

家に帰るまでの記憶が全然、ない。

玄関に立っている僕は全身、ずぶ濡れだ。

バサバサバサッ。

頭上からタオルが降ってきた。

「早く服、脱いで身体ふきなさい…そして風呂へ入って…傘を持って行ったのに何やってんのよ…全く…」

母親の言葉も上の空でバスルームへ行き、ノロノロと服を脱ぐ。

バスルームでシャワーを浴びながら、僕は教室で見た光景を思い出す。

キス、していた。

治夫と寧々。

二人は付き合っていたのか。

いつから?

全然、知らなかった。

二人ともそんな気配、少しも見せなかったし。

気付かなかった。

治夫もそんな雰囲気、少しも見せずに僕と普通に接していたなんて。

信じられない。

そんな治夫を親友だと思っていた僕も。

馬鹿みたいだ。

「………う……っ…」

僕はシャワーを浴びながら、声を殺して泣いた。

いつまでも。

-この日、僕の初恋は終わった。

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