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学生時代

Me-ya

遠くの夕焼けに初恋、消えた 2

その日は昼から雨が降り始め、学校が終わって帰る頃には土砂降りになった。

朝は快晴だった為、ほとんどの者が傘を持って来ていなかったらしく悲鳴を上げていた。

僕はいつも週間天気予報チェックをしている母親に『今日は雨が降ると言っていたから、傘を持って行きなさい』と言われて無理矢理、折りたたみ傘を持たされていた。

お節介な母親に感謝しなきゃ。

(…そういえば、寧音も傘を持ってきてないって言っていたな)

僕は朝、登校している時、寧音が傘を持ってきてなかった事を確認していた。

そして、昼休みに寧音が友人に傘を持ってきていないと言っていた事も。

僕は図書室への道を急ぐ。

今日は珍しく治夫も姿が見えない事だし…。

いつも僕の側にくっ付いているんだもんな~。

いつものように図書室のドアを開けて、中を覗く。

………あれ?

寧々がいない。

図書室の中は雨のせいか、いつもより人が少ない。

特に寧々は同じ席に座るので、探す必要はない。

はず、なのに。

いつもの席に、寧々がいない。

まだ、教室にいるのかな?

そう思った僕は図書室から離れ、寧々の教室である特進クラスを目指す。

だが…教室の前で扉を開ける事を躊躇う。

寧々に『傘、持ってきてないだろ?俺、持ってきているから一緒に帰らない?』って声、かけてみようかな、なんて思っていたけど。

でも…距離を置こうと言われたのに、『今日、傘を持ってきてないだろ?僕、持っているから入っていく?』なんて言ったら、『どうして私が傘を持っていない事を知っているのかしら?…もしかしてストーカー?』とか、『距離を置こうと言ったのに一緒の傘になんか入れるわけないじゃない。何、考えているの?…もしかしてストーカー?』なんて思われたら嫌だな~。

(…う~ん…)

…………………………………。

………うん!!

傘だけ寧音に渡して、僕は立ち去ろう…うん、そうしよう。

その方が寧音も『キャー、格好いい』とか、思ってくれるかもしれないし。

そう決心すると、深呼吸をひとつして…教室の扉に手をかけた。

その時。

教室の中から話し声が聞こえてきた。

(…誰かいるのか?)

不思議に思い、興味も湧いた僕は扉を少しだけ開けて中を覗く。

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