学生時代

Me-ya

僕の家へ 4

分からないところは?と聞かれても、分からないところが分からない。

そんなんだから、質問もできない。

強いて言うなら…全部?

最初から全てが分からない。

そんな僕に寧音は親切に教えてくれるが、そもそも基礎が分かってるいない僕には寧音の言葉はチンプンカンプン…外国語に聞こえる。

全く、頭の中に入ってこない。

かといってそれを素直に寧音には言えない。

自分の勉強時間を削って僕に勉強を教えてくれている寧音に、全く分からないなんて…。

寧音の声が耳を素通りしていく。

今日、寧音は髪をポニーテールにしていて可愛い。

…項が見える。

僕はぼんやりとそんな寧音を見詰めていた。

「………聞いてる?」

気が付くと、顔を上げて寧音が僕を睨んでいる。

………ヤバい。

寧音が怒っている。

「…も、もちろん、聞いているよ」

慌てて僕も真面目な顔をして寧音を見詰める。

…どうしよう。

寧音と見詰め合ってしまった。

…ああ…でも………。

睨んでいる寧音も可愛い。

寧音を見詰めていると、寧音の頬がほんのりと紅く染まり、恥ずかしそうに俯いたように(僕には)見えた。

……これは………。

今か?

今なのか!?

僕は両手を広げると寧音に向かってガバッと一気に………。

「……きゃ………っ!?」

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