学生時代

Me-ya

僕の家へ 3

『付き合ってるんだから、相手もその気に決まってんじゃん』

本当かよ~?

『お前ら付き合って何ヶ月だよ?それでキスもまだなんて信じられないね』

僕と治夫は違うんだよ。

『いいか、もうすぐクラス替えのテストがあるだろ。今のままじゃ隼人が神田と同じクラスになるのはまず、無理だと思う』

分かってるよ。

-三年のクラス替えは二年のテストの成績順で決められる。

成績がクラスでも…いや、学年でも下から数えた方が早い僕が、クラスでも成績上位の寧音と同じクラスになれるわけがない。

『家に呼んじゃえよ』

勢いで呼んじゃったけど…。

これからどうすりゃいいんだ~?

「…勉強、するんじゃないの?」

寧音の声で我に返る。

「…も、もちろん、勉強するよ…やだな~、勉強教えてもらう為に寧音に来てもらったんじゃないか~。僕も駄目元で寧音と同じクラスになれたらな~と…」

…ま、僕の成績じゃまず無理だろうけど。

寧音と同じクラスになる事は早々に諦めた。

勉強を教えてくれなんて、寧音を家に呼ぶ為の口実だし。

「そんな事ないと思う。今から頑張れば大丈夫よ、きっと」

…寧音は優しいから…。

感動して寧音を見ると、ニッコリと優しく微笑んで右手を僕の方に差し出している。

………………………………………?

差し出された手の意味が分からないまま、僕もその手を握ろうと右手を差し出す。

すると。

パシッ。

手を軽く叩かれた。

「…何しているの、教科書、出して」

………あ、やっぱり勉強するのね。

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