お姉ちゃんが大好きな妹です!シスコンでなにか問題ありますか?
二話 お姉ちゃんはモテる?
「今日も会長の仕事か〜」
生徒会室に向かう途中。
「あんり、あんまり無理すんなよ?」
お姉ちゃんは優しい声で言う。
「大丈夫、私にはお姉ちゃんがいるから♪」
私が言い終わると前から歩いて来た綺麗な人がお姉ちゃんに話かける。
「あの!莉子さん!」
「ん?なにかな?」
「話があるんですけどいいですか?」
「うん、いいよ」
お姉ちゃんは、私にかけるよりも優しく声を出す。
「じゃあ、場所変えましょう」
「はい、あんり直ぐにもどるから先に行ってて」
「うん」
***
私たちは屋上に来た。
「あの、話って?」
「ああ、私2年B組の新條李杏って言います」
綺麗な子だ。李杏、ああ、やたらと人気な子だっけ?
「ああ、知ってるよ」
「私、好きなんです!」
新條さんは、誰の事が好きなのか言わずに言った。
「えっと、誰が?」
「あんり会長です」
あんりか、え?あんり?
「あんりって私の妹の?」
私は少し戸惑う。
「はい、だから協力してください」
「ごめん、私は協力できない」
私がそう言うと新條さんの目付きが変わる。
「なんでですか?」
声も低くなる。
「好きだから」
「誰の事を?」
あんりのことって言ったら私たちは姉妹だからなんて言われるか。
「新條さんの事が」
「お姉ちゃん!嘘ついちゃダメ」
私の言葉が遮られる。あんりの声によって。
あんりは、動揺していて顔色が悪い。
ああ、よくあるよ、このパターン。漫画とかに。
さぁ、どう切り抜けよう。
「お姉ちゃん?」
「あんり」
あんりは、私の元へ歩いてくる。
少し背伸びして、あんりの唇が私のと重なる。
あんりからは初めてで、少し嬉しかった。
あんりからのキスは深いキスだった。
「ん……あ…んり、ストッ…プ」
私はあんりの肩を抑えるが力が入らない。
少しするとあんりは辞めた。私は一人で立てなくなった。あんりは私を支えてこう言った。
「誰だか知りませんが、お姉ちゃんは渡しませんよ?」
「ははっ、私は副会長じゃなくて会長の方が好きなの」
「え?」
「でもぉ、私はあなたが好きであなたはお姉ちゃんが好き、問題のお姉ちゃんは?」
私に問う。
「私は、あんりが好き」
「お姉ちゃん」
「あははっ!何言ってんの?あなた達姉妹じゃん」
一番いらない言葉、一番言われたくない言葉。
「姉妹だったら何?」
「普通じゃない」
「あなたがあんりのことを好きな事を否定されるのと一緒」
「・・・私、諦めないから」
そう言って私達の元から去った。
「お姉ちゃん」
「な、なに?」
「新條さんの事が好きって言おうとしたでしょ?」
「うん、でもあれはあんりのために」
「私のためと思うのなら自分に嘘をつかないで?」
「待って、なんであんりここに来たの?」
「仕事は会計の子達に任せて来た。前に私が振った人だったし、お姉ちゃんが心配だったから」
「そうなんだ、ってゆーかあんり、どさくさに紛れてキスしたし!」
「あはっ☆」
***
「仲が良い事、まぁ、莉子さんが好きってばれなくて良かったけど、フフ」
「李杏、作戦失敗したのに良く笑ってられるね?」
「いいのよ、また新しい作戦考えましょう?」
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