253話 大罪のみんなに少し説明をする

ベル「よし、じゃあ最後に言い忘れてたこと話すね」

ミラ「何かあったっけ？」

ベル「みんなに渡したブレスレットあるでしょ？」

メル「あるよ？」

ベル「それを攫われそうになったり襲われそうになったりしたら投げ捨ててもいいから外して抵抗すること、いいね？」

ミラ「でも外したら物とか壊しちゃうよ？」

ベル「問題ないよ、攫われそうになったり襲われそうになった緊急時は場所がどこであっても外していいよ、壊したものは俺が全て責任を持つからね」

サクヤ「ベルドさんの迷惑にならない？」

サクヤは不安そうな顔をして言った

ベル「迷惑なんてなにも考えなくていいよ、みんなの命の方が何倍も大事なの、だから俺への迷惑なんて考えずに緊急時は思いっきり抵抗していいからね」

サクヤ「うん、わかった」

ベル「よろしい、みんなも覚えておいてね」

キラ「それはいいけどそんな事起きるの？」

ベル「帝族や王族はいつでもどこでも危険と隣り合わせだと思っても過言ではないよ、ね？テレス」

テレス「……え？私？」

ベル「だってテレスの方が王族歴は長いでしょ？」

テレス「確かにそうだけどベル君の方が詳しくない？」

ベル「そうかもだけど俺はこの容姿のせいで何回か誘拐されかけたけど返り討ちにしてるから説得力がないの、だから経験談の方が納得するでしょ？」

ベルは暇つぶしで王都内をのんびり散歩しているのだが、ベルは躊躇いなく裏路地などを通るため後ろから袋などを被せられることが多々あるが軽く捻ってから冒険者ギルドへ連れていき治安を守っている
{考え方によっては自分を身代わりにして悪い奴らを捕まえている}

テレス(ベル君なら簡単に返り討ちにできるもんね)
「そう？でもそんなにないよ？」

ベル「わかりやすいの1つでもいいよ」

テレス「じゃあ……あれは私が4歳くらいの時だったかな？隣国へ遊びに行った帰り道で盗賊団に襲われて護衛の人達みんなやられちゃって私だけ連れていかれたの」

ベル(よくあるやつね、ボルト達が生きててよかった)

テレス「それで牢屋に入れられて1週間くらいかな？閉じ込められて、洗礼前で今みたいに魔法も使えなかったから私は泣くことしか出来なかったけど子供ながら内心諦めてたわね、このまま私はどこかに売られちゃうって」

メル「で、でも助かったんでしょ？」

メルは少し震えながら言った

テレス「運良くね、でもある日突然私を連れてきた人達が騒ぎ出したと思ったらすぐに静かになって1人の金色の髪で赤色の目の女の人が私の下に来たの」

メル「助けに来てくれたの？」

テレス「それは分からない、たまたま来ただけかもしれないけどその人が助けてくれたの」

メル「お家に帰してくれたの？」

テレス「そうね、でも閉じ込められてたとこからお家に戻る時にその女の子が大きな白い龍になって私を乗せて連れていってくれたの、だからもしその子が来なければ今頃私はここにいないかもしれないね」

メル「こ、怖いね」

テレス「怖いでしょ？だからベル君が言うことしっかり聞こうね」ﾆｺ

メル「聞く！」

ベル(白い大きな龍に心当たりしかない、後で聞いてみよ)
「そんなことあったんだね、初めて聞いたよ」

テレス「私が生まれて初めて攫われた時だしあまりいい思い出じゃないからこんな時じゃないと話さないわよ」

ベル「確かにそうだね、嫌な記憶を蘇らせてごめん」

テレス「別にいいわよ、今はあれがあったからこそ強くなろ！って言う決意になってるもん」

ベル「そう、もしその人に会いたいなら探してみるよ？」

テレス「多分あの時しか会えない人だと思うからいいよ、なんか初めてベル君に会った時みたいな雰囲気はあったんだけどね」

ベル「俺みたいな雰囲気？」

テレス「なんか強者のオーラって言うの？誰が見ても強いのがわかるみたいな、ベル君に初めて会った時は感じたんだけど今は何も感じない」

ベル(やっぱり予想はあってるかもね)
「へぇーじゃあ会ってみたいとは1回も思わなかったの？」

テレス「あの人は誰なんだろ？程度だからそんなにかな？でも記憶には色濃く残ってるわよ、それにあの人みたいに強くなって私も人助けをしたいからもしかしたら会えるかもしれないもんね」

ベル「そうなんだ、じゃあみんな今の話聞いたよね？王族や帝族はいつでも危険と隣り合わせだからさっき言ったこと守ってね？」

みんな返事をした

アヤ「さっき投げ捨ててもいいって言ったじゃん？」

ベル「言ったね、それがどうしたの？」

アヤ「それで無くしたらどうするの？」

ベル「それでもし取られたりして無くしたら俺がササっと探し出して取ってくるよ」

アヤ「そうなの？じゃあこれ制限のブレスレットは持ってるだけじゃ効果はないの？」

ベル「ないね、しっかり手首につけておかないといけないよ」
(君達以外がつけると多分何も出来なくなるけど)

アヤ「じゃあ外して手に持っててもいいんだよね？」

ベル「うん、でも簡単には外れないから急いで外す場合は投げるてる方が早いかな、あとは引きちぎってくれればいいよ」

アヤ「引きちぎるのはさすがに無理かな、だから投げ捨てる方を選ぶよ」

ベル「うん、じゃああとは自由時間だから好きなようにしていいよ、遊んでもいいし勉強してもいいからね」

メル「ベルお兄ちゃんは何するの？」

ベル「俺はちょっと勉強を教えてくれる人を探してくるよ」

メル「そうなの？行ってらっしゃい！」

ベル「うん、行ってくるよ」

そう言ってベルが部屋を出ようとすると

ミラ「ちょっといい？」

ミラが服をちょっと掴んで呼び止めてきた

ベル「ん？どうしたの？」

ミラ「ベルドさんのことなんて呼べばいいのかな？って思って」

ベル「なんでもいいよ？ミラくんの呼びやすいようによんでね」

ミラ「じゃあベルお兄ちゃん」

頬を赤く染めて言った

ベル「ミラくんがそれでいいならいいよ、みんなも好きなように呼んでね。じゃあ行ってくるよ」

そしてみんなが返事をした後部屋を出た