夕暮れ真っ黒

山田 みつき

7

その間、またメールが届いた。

歩「でも自分では動いてないよね。ってか私の事なんてどうでもいいよね。…圭太がわざわざ関東に迄、出向いて来る筈もないか。圭太だもの。」

キミと僕は、警察の指示から接近禁止命令が下されている。
それ故に、キミは頭を使って遠隔操作しているらしいけど。

僕も同様、頭を使わないとだね。
キミにメールを打っていた。

僕「例えばそうであっても、そうじゃなくても、キミの方こそ、関心なんて無いだろうに。関心ある風に自分を見せて居たいのかい?」

送信、返信…。

歩「いや、もうどう見られても良いや。そもそも、何故私が此処から出たのかを思い出したから。有難う。大切なものはない。」

なんてことだよ。
それじゃあ、誘拐した意味も総て無くなってしまうじゃないか。

キミが傷付いてくれないと困るんだよ。
僕はキミの子どもになんて興味はないんだよ。
わざと「大切なものはない」と言って居るんだとしても幼稚過ぎるし。

もう、キミの所に"其れ"は戻らないのに、本当に良いのか?

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