High School Break

堕天使x

4話〜人間水槽〜

20畳程の広さの部屋
そこにあったのは
ガラスでできた円柱のケース。いくつも管が伸びていて、機械特有の動作音が鳴っている。
中には透明の培養液と、
───人
死体が折り畳まれて体育座りの様な姿勢になっている。
そのケースは部屋綺麗に並べられ、およそ20個。
「──っ」
「......な、何ですか...これは...」
水瀬がそういうと、西堂は一度深呼吸をした。
「...わ、分からないけど...少なくともただの殺人ではないって事は明確ね」
「と、取り敢えず調査のために写真を撮ります。」
そう言って気味の悪いケースに近づく。
死体は死んでいることは確実だが、つい数時間前まで生きていたのではないのか、と思ってしまうほどに保存状態がいい。
全てのガラスケースの写真を撮り終え、部屋を出る。

続いて右側のドア。
さっきの要領で指紋を使い開ける。
こちらは50畳以上ある。
そして中央にはガラスケース。しかし、
それは高さ10メートル、直径15メートルほどの巨大な物。
中には培養液と...所狭しと詰められた死体が。
その「死にたて」の死体が大量に詰められている。
「そ...そんな...こんなにも人が死んだの?嘘でしょ...」
西堂は口に手を当て、怯む。
「ひ、一先ずは写真を撮ります。何が起こっているのかはこの後で調べます。」
そして異変が他にはないことを見て、部屋を出る。

最後の部屋。
正面奥の部屋。 
指紋を当て、深く深呼吸をする。
「一度落ち着きましょう。こう、何度も不快なものを見てしまいましたから。」
「ええ、私はもう大丈夫。行きましょう。」
重い扉を開ける。
2人はまた絶句──
は、しなかった。
40畳ほどの部屋にあったのは、いくつものモニターとキーボード、そしてデスクトップパソコン。
「...なるほど。恐らくここにこの事件についての詳しい事が書かれているのでしょう」
「なるほどね。で、その情報は見れるの?私じゃ無理だよ。」
「ええ、これを使えば数分で管理者権限を使用できます」
と言って水瀬はUSBケーブルと電子辞書ほどそ大きさのpcを取り出す。

USBケーブルをデスクトップに挿し、ミニpcをいじり数分。
システム音が聞こえる。
データフォルダを開くと、大量のテキストデータ。
「どうする?ここで全部読んでしまうのもありだけど、詳しく調べるならコピーした方がいいんじゃない?」
水瀬も同感で、データをコピーして他のところで見ることにした。
その後、指紋を拭き取り、pcをシャットダウンし、生徒会室へ戻った。

さっきの死体が入った容器のこともあり、一刻も早く真相が知りたい。そう思い生徒会室ですぐにpcを起動し、さっきのUSBを読み込む。
そこにはこの事件の全容が書かれていた。

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