異世界冒険と時間旅行を並行するのは無理ゲー

猫目

第8話 未来からの使者

「…泰知?」
時間は…どうやら本当に経ってないようだ。
ていうか、100%勝てないのに強制的に戻されるって酷くないか?
そうだ、剣!俺の剣はどこだ?
俺の剣はドラゴンの足元にあった。そう言えばさっき投げたんだったな…
「やべぇ!白鳥、結界魔法で援護してくれ!」
「…!…泰知…?」
俺はドラゴンの足元の剣に向かって走り出した。
「ほぅ。先に死ぬのは貴様か…」
ドラゴンの尻尾が俺に向かって飛んでくる。同時に、白鳥の結界魔法が俺を包み込む。
「ふん、こんなもの…」

バキン!!

結界魔法が砕ける。
「…泰知…危な…」
白鳥の結界魔法により威力が押し殺されたか、又は防具の強化のおかげか…あるいはそのどちらもか…俺はほぼ無傷だった。
俺はそのまま足元に行き、剣を手に取る。
「たしかに軽いな…」
「ふんっ…甘いわ!!」
今度は炎が飛んでくる。さっきとは比にならないようなデカさの炎が…
「白鳥の結界魔法は間に合わない…一か八かだ!!」
俺は炎を剣で切り裂く。
「馬鹿め…その程度の剣では炎に耐えきれず、溶けるだけ……なにっ!?」
俺はまたもや無傷で立っていた。
「たかがしれてるとか言ってたけどめちゃくちゃ強化されてんじゃん。」
白鳥は呆然と立ちすくんでいる。
「いい気になるなよ!!小僧!!」
ドラゴンの頭上には直径10メートルはある巨大な火の玉が浮かんでいた。
火の玉とは距離はあるが、めちゃくちゃ暑い。まるで太陽だな。
「ふはははっ!これで終わりだ!」

ドゴ-ン!!

白鳥がドラゴンに爆裂魔法を放つ。
「今更そんな攻撃が効くとでも思ったか?安心しろ、その小僧と共に消し去ってくれる!!」
巨大な火の玉がこちらに向かってくる。
「マジかよ…ホント不幸だな。」


——しかし、その時火の玉が消滅する。いや、どちらかと言うと切り裂かれた、という方が正しいか、
「ふぅ…間一髪だったな。」
「なっ…なんだと!?我の最大級魔法が…!!くっ…!!貴様!何者だ!!」

いつからそこにいたのか。俺の目の前には俺がいた…
「わ…!お、俺がいる!?」
「俺は未来のお前• •さ。」
「はい?」
ちょっとなに言ってるかわからないな。夢でも見てるのか?
ん、夢?そう言えば昔似たような夢を見た事があったな…
「ほら、お前は邪魔だから退いてな。」
「貴様ら…双子だったのか!?」
「「いや双子なんかいねぇよ」」
俺とそっくりな奴とハモった。まじなんなんだよコイツ。
そうだ!白鳥は…
周りを見渡すと…いや見渡す必要もなく、隣にいた。
「うわっ!お前いつからいたんだよ…」
「…」
白鳥は黙ってる。
ん?なんか結界魔法が張ってある。
「お前が結界魔法を発動してるのか?」
「…違う…あの人の…魔法」
「え…」

「くそぉぉぉぉ!!」
またドラゴンがデカイ火の玉を作っていた。

ドカン!

「おせぇよ。」
「なっ…!」
「それに、火魔法ってのはこういうのを言うんだよ!!」
俺のそっくりさんは手から小さい火の玉を投げる。
「その火魔法…!!一体どれだけの炎を凝縮してるというのだ!!」
次の瞬間

ボォォン!!

ドラゴンの体が燃え始めた。
「ぐあああああああああああ!!」

ズドン!

ドラゴンが横たわる。
「ふぅ…あとはお前がトドメを刺しな。経験値はトドメを刺した奴しか貰えないからな。」
「お…俺?」
「貴様……なるほどそういうことか。貴様は転生者か…」
「正確に言うと転移者なんだけどな。」
と、そっくりさんが指摘する。
「クックックッ…!貴様は固有スキル持ちか。あのクソアマめ…2回もしてやられた…」
「2回?」
「見事だ…さぁ、さっさと我にトドメを刺すがいい。あまり延命させられても苦しいだけだからな。」
なにコイツ。めっちゃカッコいいじゃん。
「じゃあな…」
「さらばだ…人間」
俺はドラゴンの首に剣を押し込む——

「案外いい奴だったのかもな。」
「…」
あれ?そう言えば俺のそっくりさんは?
見渡すがどこにもいなかった。あれは一体なんだったのだろう。
「まいっか。とりあえず帰ろうぜ…みんなも心配してるだろうし。」
「…泰知」
「ん?なんだ?」
「…ステータス」
そうだ。あれだけ強かったんだ。レベルもそこそこ上がってるだろ。



タイチ・スズキ

Lv 21
種族 人間
HP 5700/5600
MP 4800/4800
攻撃力 5280
防御力 5130
魔法攻撃力 5250
魔法防御力 5000
素早さ 5010

<スキル>
・言語翻訳・経験値共有・鑑定Lv8・剣術Lv8・体術Lv7・火魔法Lv9・水魔法Lv6・風魔法Lv6・気配察知Lv8・絶気配Lv7・殺気Lv6・身体強化Lv8

<固有スキル>
時間跳躍タイムリープLv5・成長促進

<称号>
・異世界人・時をかける少◯・陰キャ・神のお気に入り・ドラゴンキラー



ふぅ…相変わらずバグってるなこれ。
あんなクソ雑魚ステータスがこんなステータスになるか?どうなってんだよ!



・ドラゴンキラー
伝説のドラゴンを倒した証。ステータスが上昇する。



はぁ…つまり<成長促進>と<ドラゴンキラー>の効果でこんなステータスになったと…やばいなこれ。
てか伝説のドラゴン?
なんでそんなやばい奴がこんな初心者ダンジョンにいるんだよ。
ん?経験値共有?
「白鳥、ちょっとステータス見させてくれ。」



リン・シラトリ

Lv21
種族 人間
HP 3200/3200
MP 3860/3860
攻撃力 1280
防御力 1020
魔法攻撃力 3010
魔法防御力 2960
素早さ 2800

<スキル>
・言語翻訳・鑑定Lv5・火魔法Lv7・爆裂魔法Lv5・結界魔法Lv5・魔力察知Lv4・絶気配Lv5

<称号>
・異世界人・頭脳明晰・魔法使い



あれ?こんなもんなの?
「…泰知…チート」

 それな

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